この前のタンザナイトのところで
《多くの美麗鉱物は、例の「玄武岩→安山岩→花崗岩」の王道ルートをたどって花崗岩から発生する熱水でできる。しかし一方、変成作用の中で生じた熱水でできる鉱物もあるのではないか。岩石進化の最先端たる「水成鉱物」にも、マグマ熱水由来のものと、マグマは直接関係ない変成作用由来のものがあるのではないか。》
と書きまして、「素人の妄想」と言いましたけど、どうもあながちそうでもないらしいです。
かの有名な都城秋穂さんの『変成作用』という本(1994年、岩波書店)をぱらぱらとめくっておりましたら、こんな記述がありました。
《変成作用を受けつつある岩石のなかにはH2OやCO2を主成分とする粒間流体がある場合が多いらしいが、そういう流体が移動すればそのなかに溶解している物質が移動する。これは、場合によってはかなり大きな量に達しうるであろう。……そういう水は他の場所へ流れて行って、温度や圧力が下がると岩石のなかに石英を沈殿させたり、石英脈をつくることになる。》
石英はもちろん、融点が比較的低い珪酸塩鉱物なら熱水に溶け、亀裂・空洞で結晶化するということも十分ありうるようです。タンザナイトがそれかどうかはわかりませんけど。
カイヤナイトなんかも典型的な変成岩由来鉱物。こういう美しい晶面の結晶も、おそらくそういうプロセスでできたのではないかな、などと。
また、ヒマラヤやアルプスのような大陸衝突帯でできる水晶なんかも、ぶつかり合う地殻の中で高熱・高圧となった岩石の変成作用から派生した熱水でできるのではないかな、などとも。
違っているかもしれませんけど。
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