元外資系企業ITマネージャーの徒然なるままに

日々の所感を日記のつもりで記録

山口晃著「へんな日本美術史」読了

2015-08-14 22:29:17 | 読書
山口晃著「へんな日本美術史」読了。

現代美術画家による過去の日本絵画の批評集で、第12回小林秀雄賞を受賞した作品。

実際に絵を描くプロの批評だけあって、素人の私には到底思いもつかない事ばかりで、大変勉強になりました。
特に雪舟の「慧可断臂図(えかだんぴず)」は、ピカソのキュビスムのように横顔なのに目は正面から見た目であり、耳は後ろから見た耳が描かれているとか。

寄席小屋は西田幾多郎の場合論理的空間である

2015-08-14 12:10:00 | 芸術(美術展・映画・コンサートなど)
山本進著「落語の履歴書」を参考に、落語の発生から進化、展開、そしてその社会的、時代的背景を考察し、

西田幾太郎の「善の研究」から「我々の自己自身の実存を考える論理は、我々の自己を外延として含む一般者の論理でなければならない。」という彼のいわゆる場所的論理が、寄席小屋を支配した時に噺家と観客の一体感のある素晴らしいコラボレーションが成り立つ。


何故なら古典落語の世界は江戸時代に作られた物であり、それが時代を超えて現代でも通用するのは、意識と無意識の間にある広大な空間の中の実際には体験していない昔の文化と共鳴する部分であり、寄席小屋が一体となり大爆笑空間になるのは、「おおっ、お前、少しは空気を読めよ」という、あの日本的場所的空間における一体感であるから