元外資系企業ITマネージャーの徒然なるままに

日々の所感を日記のつもりで記録

池田晶子箸「事象 そのものへ!」読了

2016-06-17 09:14:38 | 読書
池田晶子箸「事象 そのものへ!」読了。

本の中に入っていた林家たい平師匠が言っている「考えることが楽しくなったから」、池田さんの本の本質はこれですねぇきっと。

他の著書も含めて全編に流れる答えの無い存在論。いろいろな例え話や先人の知恵を駆使して語られる存在論。
師と仰ぐ小林秀雄と同じようにヴィトゲンシュタインの「語りえぬものについては、沈黙せざるを得ない」事柄について、考えて語ることを通して考えることの楽しさを教えてくれる。

ただ池田さんの神を否定する文章を読むにつけ、スピノザの定義する神はやっぱりすごいなぁと感心してしまう。
彼の生きた時代では無神論者として迫害されてしまうが、むしろ神の存在を信じない人が多い現代の方が、よっぽど彼の神の定義が通用することに、驚きが増すばかり。