滋賀県・京都府とその周辺の山と滝

比良・鈴鹿山等の滋賀の山や京都北山を中心とした、山登り・滝巡りなどを写真で綴る個人記録帳です。

2019.09.16 京都の山/若丹国境尾根縦走(タケガダン〜オバタケダン〜知井坂〜八ヶ峰〜五波峠)

2019-09-16 22:40:34 | 京都の山(北山)
2019.09.16[知見07:48〜09:12タケガダン09:16〜09:54オバタケダン09:59〜13:16知井坂分岐13:17〜13:38八ヶ峰13:42〜14:59五波峠]with yamaneko0922さん、yamaizuさん

登り口(関電巡視路プレート)より尾根に乗るまでは関電のプラスティック階段はあるが、やや不明瞭でトラバース地点は滑落注意

知井坂までは踏み跡程度(支尾根への迷い込みに注意)、その後五波峠までは明瞭な登山道


yamaneko0922さんのお誘いで、若丹国境尾根を歩きに行く。
頭巾山、八ヶ峰、三国峠などポイントポイントでは若丹国境尾根のピークには登ったことはあったが、縦走は初めて。またタケガダン(国境尾根上ではないが) 、オバタケダンといった山名も知らなかったし、ここが登山の対象となる山域であるという認識もなかった。もっともそこに山がある限りそれは山登りの対象とはなり得るわけだが。

京北のコンビニで6時に落ち合い、まず車一台を五波峠へ。ここから移動してタケガダンに登るために車で入れる知見集落最奥へ。
林道を少し歩き、関電巡視路を辿って尾根に取り付く。巡視路は一部不明瞭で滑りやすいトラバース部分はあるが、上部に行くほど明瞭になる。尾根にあがると巡視路と昔の生活路(古道)が交差しながら続いている。イワカガミの群落があり、春の見頃時期には可憐なピンク色の花を愛でながら登ると急斜面の辛さはあまり感じないのではないだろうか。またキノコも多く頭を出している。ヤマドリタケモドキやベニイグチなどイグチ科のものが多い中、シロオニタケやコテングタケモドキと思われるテングタケ科の大型キノコが目を引く。
鉄塔を越えると尾根はなだらかになる。再び急斜面となり登り切るとブナが見られるようになり、タケガダン山頂も近い。このあたりまで登ってくると風が強くなり小雨も降り出した。しかし霧で閉ざされたブナ林もまた美しい。
タケガダン山頂での展望はない。美しい森の中のなだらかなピークだ。

タケガダンからオバタケダンまでの稜線はほとんど標高は変わらず、小さくアップダウンがあるのみ。キノコも多く見られ、サンコタケ(黄色型)、ドクツルタケ、シロオニタケなど、さらにタマゴタケも見られた。
オバタケダン山頂は左手が開けるが全く霧に覆われて展望は効かない。
ここからがいよいよ若丹国境尾根。国境尾根は時には広い丘陵地のように、時には小岩がゴロゴロするやせ尾根となる連綿と続く長大な尾根だ。北へ南へ小さく屈曲するが、概ね東から東南東に向かって延々とのびている。ここはほぼ広葉樹の自然林で、下生えもなく歩くことが楽しくなる所だ。
キノコは種類こそ少ないものの相変わらずたくさん頭を出しており、タマゴタケもポツポツとみられる。
特に巨樹や特徴的な木があるわけではないこの尾根の中においては、際だって特異な姿のブナが1本だけ聳えている所がある。幹が真っ二つに裂け半身のなくなったブナが、直立不動姿勢の2本足で立ちはだかっており、一瞬ギョッとさせられる。しかも上部にしか枝はなく、まるでバオバブのような姿をしている。この存在感はなんだろうか。生命力はもちろん感じられるがそれ以上の何かで圧倒される。恐れ多くて近づけない畏怖の念を抱かせる存在だ。これにはしばらく釘付けにされた。

霧が一瞬晴れ時々明るくなることはあるが、天候の回復を期待させるものではなく、すぐ再び小雨がぱらつく。雨具を装着するほどではないが北風は相変わらず強い。
P721で昼食とする。風があるので山頂の南東側の窪みに下りる。yamaneko0922さんの地形図の読みどおり、そこは谷の源頭のなだらかなカーブの窪地で風なく静かで落ち着くところだ。採れたてのタマゴタケとベーコンを炒め、白ごはんに混ぜたyamaneko0922さんオリジナル即席ピラフをごちそうになる。食感のいい新鮮なタマゴタケがうまい。

P721よりやや北寄りに尾根を進むと、広いコルの先に一段高い尾根が左右に伸びているのが見える。今までは標高700~720m峰をつないできたが、ここからは標高750~800mの峰をつなぐことになる。最初のピークはトラバースカット。
時々霧が切れて視界が開け、正面に八ヶ峰らしきピークや後ろを振り返ると歩いてきた尾根筋が見えることはあっても長続きしない。
今日は稜線歩きで水場がないため、多めに水分を持ってきていたが、日は照らず気温も低目なので喉の渇きはさほど感じない。

左手に林道らしきものが見えだすと知井坂は近い。知井坂からは広い山道、いくつかの横切る道を越えると鉄塔があり南に視界が広がる。小雨は降っているものの霧は切れて、そこそこ遠くの山までが見渡せる。
ここからはすぐに今回唯一の800m越ピークである八ヶ峰に到着する。南には開けているが、鉄塔では見えていた景色はそこにはなく、ただ白い霧が幕を張っているだけだ。

少しの休憩後、八ヶ峰を後に稜線を南東に下っていく。五波峠までは先ほどまで歩いていた稜線とは植生も少し変わり、稜線の雰囲気も違う。それでも美しい自然林の稜線であることには間違いなく、相変わらずタマゴタケも随所で頭を出している。こちらは道はしっかりしているし道標も設置されている。
途中のコルで左手に緑の沼が見える。はじめは木や草の緑が写り込んでいるのもだと思ったが、よく見ると沼自体が鮮やかな緑色をしている。僅かな水たまりのような沼でヌタ場でもあり、水自体は泥水でとてもキレイなものではないし、アオコか何かの仕業なのだろう。
ひと登りしてP708付近もまた美しいところ。南に延びる支尾根のカーブが何とも美しい。
少し下ると左手に林道が見えてきて、程なく五波峠に飛び出し、本日の楽しかった稜線歩きも終わりを迎えるのだった。

本日は誰にも会わず、静かで山深い稜線歩きの楽しさを十分に味わえる山行だった。誘っていただいたyamanako0922さん、yamaizuさん、ありがとうございました。おかげさまで、しんみり奧山の魅力が感じられる味わい深い山歩きができました。



最奥集落から歩き始めます。


林道を歩き、二俣は左へ。しばらく行くと関電巡視路登り口があります。


ツブイボタケ


ちょっと色は薄いけどアカジコウかな


タケガダンに向かって気持ちよい稜線の道を登るyamaneko0922さんとyamaizuさん


カバイロツルタケ


サンコタケ(黄色型)


霧の広い稜線


コテングタケモドキだと思いますが


タマゴタケみっけ


キニガイグチっぽい


オバタケダン山頂


シワチャヤマイグチ


シロオニタケか、オニテングタケか、それに近い種類なのか


同じく


霧で霞む鉄塔


開けても濃い霧で何も見えず


半分に裂けてもなお主張する木


こちらが表側、バオバブのようにも見える


時々近くの山が見える


タマゴタケ


タマゴタケ幼菌


ランチタイム、風よけに使った凹地


タマゴタケとベーコンを炒め、白ごはんを入れたタマゴタケチャーハンをいただきました


扇子の骨のような木です


八ヶ峰が見えてきました


美しい稜線(霧が切れた間に)


八ヶ峰山頂


重なる峰峰


フサヒメホウキタケ


コテングタケモドキだと思う


またまたタマゴタケ


タマゴタケ三昧


緑の沼


緑の沼近くにて


ケガをして飛べない鳥が


ヤマジノホトトギス


五波峠に到着

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