中央競馬徹底研究!

2022年は客観的な予想を心がけます。

セントウルS(GⅡ)回顧

2007-09-12 11:54:17 | 回顧
【馬場】開幕週のAコース。野芝のみ約10~14cmで高速馬場。

12.2-10.5-10.7-10.9-11.1-11.7=1:7.1

【展開】発馬直後に行く馬がおらず、アイルラヴァゲイン、サンアデュが抑え切れずに前へ。内のGキャストも加わり、3頭横並び。入りの1ハロン12秒2は遅い。2ハロン目からSアデュがハナへ立つ形。残り3.5ハロンでGキャストが仕掛け、4角まで流れは緩まない。開幕週のスプリント戦、内枠、前有利の条件だが、決して楽な流れとは言えない。

 僅か数ヶ月前までは普通のダート馬だったサンアデュが、僅か2ヶ月で芝のサマースプリント王の座を射止めた。戦前の陣営の策略とは裏腹に、4番枠から好発を決めると、抑え切れない手応えでハナへ。腕っ節に定評のある川田が何とかなだめて我慢、我慢。三分三厘で内のGキャストを前に行かせ、2番手から仕掛けどころを待つ。引っ張り切りの手応えのまま直線を向くと、川田が手綱をシェイクさせてハミをかける。そして、残り1ハロン地点で渾身の右ステッキが注入されると、抜群の脚力で一気に後続を突き放す。最後までその脚色が衰えることはなく、スプリント戦としては圧倒的な差となる5馬身をつけて圧勝。勝ち時計1分7秒1はビリーヴと並ぶレースレコード。揉まれずに運べたとは良かったが、最後の脚力は紛れもなく本物だ。前捌きが硬く、お世辞にも良いフォームといえないが、次走のGIでも楽しみが膨らむ内容。

 久々を使われたカノヤザクラは額面どおりに良化。前走同様、発馬直後の行き脚は今ひとつだったが、今回は仕掛けて前へ行くのではなく、中団のインに控え、うまく前に馬を置いてタメを作る形に。直線を向いて追い出すと鞍上のゴーサインに反応せず、一旦は3,4着馬に放される。だが、坂上でジワジワと差を詰め、ゴール前で差し切った。勝ち馬のパフォーマンスが派手過ぎて地味に映ったが、自身は良い脚を使っている。タメる形が合っているし、落ち着きがあった。

 1番人気に推されたキンシャサノキセキ。久々だったが、スッキリとした仕上がりで動ける態勢にあった。発馬で半馬身の出負けするも、二の脚で楽に中団へ取りつく。道中はハミをグッと噛み、持って行かれる感じだったが、いつもよりはマシ。4角から直線にかけては痺れる手応えで、上手く馬場の3分どころに持ち出す。だが、追ってからの反応が案外でジリジリとしか伸びない。結局、2着馬にも差されてしまった。三分三厘の手応えを考えれば不満の残る内容。坂のあるコースでは今ひとつなのか。

 4着のアルーリングボイスはトモの肉づきが良化し、迫力ある馬体になった。道中は3番枠から4番手のインを追走。終始、勝ち馬を見ながらスムーズな競馬。4角から直線にかけては、どこに持ち出すか選択肢があるほどの手応え。攻めの競馬でインを突くと、一旦は単独2番手へ押し上げる。ゴール前で僅かに脚色が鈍ったところを差されたが、正攻法の競馬で中身は濃かった。

 5着のアイルラヴァゲインは好発から抑え切れない感じで先団へ。確たる逃げ馬不在で、押し出されるように3頭横並びの外。3角でようやく抑えが利き、3番手で脚をタメる。手応えを残したまま、直線を向くが、追い出してからの反応がない。最後は完全に脚が上がってしまった。鞍上曰く『掛かったのが誤算だった』と。この中間は夏負けの影響もあったよう。レース前のイレ込みも相変わらずだった。

 オレハマッテルゼは手綱を押して中団を伺う2ハロン目のところで、外からドッと来られて手綱を引っ張る不利。何か鞍上との呼吸が合っていない印象で、良い所が全くなかった。本来ならもっと行きっぷりのいいタイプ。

 アグネスラズベリは北海道遠征から帰厩して中1週での参戦。その影響もあって20㌔減。腰からヒ腹にかけて発汗があり、寂しく映った。不利な大外枠から道中は、中団の外めを追走。だが、4角での反応がいつも以上に悪く、直線もズルズルと後退してしまった。サマースプリント王を目指して強豪軍が裏目に出た。仕切り直し。

 

朝日チャレンジC(GⅢ)回顧

2007-09-12 11:53:06 | 回顧
【馬場】Aコース。野芝のみ約10~14cmで、開幕週の高速馬場。

12.3-11.4-13.2-12.7-12.5-12.1-11.6-11.2-11.4-11.6=2:0.0

【展開】確たる逃げ馬不在で、ヤマトマリオンがハナ。3ハロン目から13秒2-12秒7-12秒5と緩い流れ。残り5ハロン地点からジワッとTサポートが尻を突っつき、ペースアップ。1番人気のインティライミはギリギリまで我慢、4角で一気に仕掛ける。33秒台の脚が要求される瞬発力勝負。

 待ち望んでいた2年4ヶ月ぶりの美酒。苦労に苦労を重ねたインティライミが、世界の強豪たちへの挑戦権を手に入れた。2ヶ月半ぶりの実践となった今回。宝塚記念当時の唸るような動き、とまではいかなかったが、仕上がりは良かった。発馬直後は手綱をガッチリ抑え、後方で我慢させる。今冬の暴走癖とは雲泥の差。佐藤哲と完璧な意思疎通を見せる。ペースアップした3角でも動かず、ジッと末をタメる。4角でようやくアクションを開始させ、直線は大外へ。入り口で左ステッキが入り、加速を開始。瞬時に先団へ取り付き、坂上では次元の違う脚で一気に抜き去った。これまでは瞬発力勝負を苦手としてきたが、今回で違った一面を見せてくれた。道中で我慢することを覚え、どんな流れにも対応できるようになった。使った上積みは大きいはずだし、秋のGI路線を賑わしてくれる存在になるだろう。

 ブライトトゥモローは休み明けにしては本数が不足気味だったが、意外に仕上がっていた。発馬直後に手綱を押すも行き脚がつかず後方からの競馬。手綱をガッチリ抑え、直前のインティライミをマークする形。折り合いもスムーズでしっかり脚をタメる。ペースアップした3角でもジッと我慢し、インティが動いた4角で連れて仕掛けを開始させるも、ズブさを見せて引き離される。直線でもなかなか反応せず。ようやく坂上でエンジンが掛かると、猛烈な末脚で急追。僅かに届かなかったが、最後の脚は次に繋がるものだった。急仕上げを使われ、勝負どころの反応も良くなるだろう。

 タマモサポートはこの中間、馬インフルエンザを発症しビシッと追った最終追いのみ。万全とはいえなかった。道中はヤマトマリオンの2番手から。緩いペースだったため折り合いに四苦八苦。鞍上がなんとかなだめる。残り5ハロンから我慢し切れずに逃げ馬の尻を突っつく。4角で先頭へ並びかけ直線へ。だが、追ってから舌がハミを越し、伸び切れない。最後は決め手勝負に屈した。折り合いに課題のあるタイプで、速い流れで持続力を生かしたいタイプ。流れも向かなかったし、デキも本物ではなかった。