【馬場状態】引き続きCコース。
ガチガチの高速馬場で、前、内有利の極端な馬場。野芝は8~10cm、洋芝14~18cm。
12.5 - 10.7 - 11.5 - 11.8 - 11.8 - 11.9 - 12.0 - 11.8 - 11.8 - 11.9 - 12.0 - 12.4
H (34.7-36.3)(46.5-48)(58.3-59.9)
2:22.1
【展開】絞れた
タップダンスシチーが押してハナへ。前走の天皇賞が超スローだったこともあり、予想どおり速いペースになった。いくら高速馬場とはいえ、テン5ハロン58秒3、10ハロン1分57秒7(レコードは1分58秒0)は速い。同型との兼ね合いを意識したタップが押して行ったことと、
ストーミーカフェが突っついたことで息を入れることができなかった。最後は2頭の激しい叩き合い。レコード決着となった。
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まさにデットーリマジック!レコード決着の激しい叩き合いを制したのは英国の
アルカセットだった。道中は馬との呼吸を大事にして後方のインをロスなく追走。3角あたりから馬群のなかを通って少しずつ前へ進出。直線で鞍上のアクションに応えて鋭い脚を繰り出してゼンノロブロイとの叩き合いを制して突き抜ける。だが、ゴール前で今度はハーツクライの強襲が待っていた。完全に脚色は2着馬が上回ったが、そこから
鞍上が左手一本で手綱を持ち、右ステッキを連打させてゴールまで持たせた。驚異的な騎乗とそれに応えた馬の精神力も見事だった。陣営は早くから日本の高速馬場への適性を見抜いて参戦を決めていた。また、GI1勝馬ながら全欧年度代表馬ウィジャボードの依頼を断ってまで騎乗したデットーリ騎手もすごい。直前の凱旋門賞とBCを回避した影響も全くなかった。このあとは有馬記念になりそうだ。そこには〝日本の英雄〟が待ち構えている。今から対決が楽しみでならない。
2着は日本代表
ハーツクライ。道中はいつもどおり後方3番手で末脚を温存。タップダンスシチーの作る速い流れは同馬にとって好都合だった。直線を向いて大外へ持ち出すのではなく、ロスのない最内へ。残り300㍍地点では、まだ中団。だが、そこからの伸びが違った。最内を突くと
グイグイ一頭だけ違う脚色で急追。ゴール前は完全に脚色で上回っていた。それでも、わずか3㌢届かなかった。不運としか言いようがない。直前の攻めで絶好の動きを披露。状態は完璧。
道中の位置取り、4角の鞍上の判断も完璧だった。エンジンの掛かりの遅い同馬にとって、府中の長い直線と速い流れで上がりが掛かったのも良かった。それでも、レコード決着の流れを後方から追い込んできたのは優秀。昨秋とは雲泥の差。今は充実している。反動さえなければ小回りの有馬記念でも楽しみ。
残念ながら
ゼンノロブロイは天皇賞に続いて防衛戦に失敗した。道中はタップダンスシチーの作る速い流れのなか、後方の位置取り。ここまでは良かった。だが、4角でのロスがのちに大きく影響することになってしまう。1、2着馬がロスなく直線を向くなか、同馬は
大外へ膨れてしまう。これは2,3馬身くらいのロスに相当する。そこから一気に追い上げて一旦は先頭へ立つも、残り100㍍で完全に脚が止まってしまった。それでも、
王者の意地は示した。スムーズな競馬だったら戴冠も十分有り得た。有馬記念で英雄との王者対決の夢は途切れたが、望みは十分ある。内枠を引き、好位をロスなく追走できれば。
4着の
リンカーンは出負けした前走のうっ憤を晴らした。好発を決めるとスッと中団前目のインを追走。終始、スムーズな追走で直線を向くと、ギリギリまで追い出しを我慢。残り2ハロン地点で満を持して追い出すと、ジワジワと差を詰める。ゴール前でロブロイに寄られて追えなくなることはあったものの、
力は出し切った。更なる決め手強化が課題となる。
5着は昨年の全欧年度代表馬
ウィジャボード。道中は勝ち馬の前、中団を追走。直線を向いて早めに仕掛けて一旦は先頭へ踊り出る。そこから勝ち馬らに交わされながらも脅威的な粘り腰を発揮。ゴール前で2着馬に進路をカットされながらも最後まで諦めず走っていた。さすがは年度代表馬。仕掛けは早かったが、鞍上の激しいアクションも見事だった。
◎を打った15番人気
サンライズペガサスは悔いの残る競馬となった。道中はタップダンスシチーの作る速い流れを、ゼンノロブロイのすぐ直後という完璧な位置取り。終始、折り合いもスムーズで手応えも十分。4角手前までは完璧な競馬だった。だが、4角から直線を向くまでの騎乗が残念だった。
外へ膨らんだゼンノロブロイよりも更に外へ持ち出されてしまう。当日の馬場を考えれば無謀。それでも、残り1ハロン地点まではビュッといい脚を繰り出してあわやのシーンを演出。ゴール前で脚が上がってしまったのは、4角のロスを考えれば仕方ない。見せ場十分だった。
本命にして間違いなかった。ここ2走は長距離輸送で馬体が減っていたが、中3週で中間に速い時計を2本出しながら、この日はプラス6㌔。いい材料だった。2度の屈腱炎を乗り越えたすごい馬。レコード決着で脚元に影響がなければいいが。有馬記念でも注目。
7着の
ヘヴンリーロマンスは惜しかった。道中は中団外目を追走。折り合いはスムーズ。しかし、
3角~4角にかけて馬群の内に入れることができず、外を通らされたのが痛かった。この速い流れと内有利の馬場を考えれば想像以上に大きいロス。一瞬はいい脚を繰り出して見せ場は作った。レコード決着の速い時計勝負では厳しかった。有馬記念では極端に時計が速くならないことと、内目の枠なら。相変わらずビシビシと攻めを積まれている。
凱旋門賞馬
バゴはレース中に左後肢を負傷した。だが、幸い大きな怪我には至らなかった。これが引退レース。JRAが購買契約を結び、来春から日本で種牡馬となる。いい産駒を期待したい。
スズカマンボは大外枠発走で
速い流れのため、馬群のインに入ることができず、置かれ気味の追走になってしまった。直線で少しずつ外へ出して伸びてはいるものの、このレコードの流れも厳しかったか。1着馬が発馬後思い切って内へ切れ込んだようなことができれば良かった。有馬記念では時計が掛かることが条件となる。
タップダンスシチーは一度使われてマイナス10㌔。前走より状態は上向いていた。発馬後、手綱を押してハナへ立つ。道中、残り2ハロンまで12秒台のラップは一度だけという速いラップを刻む。
さすがにテン5ハロン58秒3、10ハロン1分57秒7は速すぎる。8歳馬で全盛期を望むのは酷だが、コーナー6回の中山2500㍍でうまく息を入れてロングスパートできれば…。
アドマイヤジャパンは
現時点での力差と言わざるを得ない。だが、調教でもステッキが入るように少しずつ体質が強化されている。決め手強化が急がれる。
ストーミーカフェは距離が長かった1800㍍前後がベストだろう。
※有馬記念へ向けてはレコード決着のため、反動がないかの懸念がある。中間の攻め過程には十分気を配りたい。
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