中央競馬徹底研究!

2022年は客観的な予想を心がけます。

新潟記念(GⅢ)回顧

2005-08-31 21:33:55 | 回顧
天候:曇  芝:良
【馬場状態】開催が進むに連れて内を避けて通る馬がほとんど。いかにうまく外目に出せるかが、勝敗を分ける。

13.2 - 11.8 - 12.2 - 12.2 - 12.8 - 12.5 - 11.4 - 11.3 - 10.4 - 12.3
(37.2-34.0)(49.4-45.4)(62.2-57.9)  2:00.1

【展開】行く馬がおらず、未勝利戦並の超スロー。テンは各馬抑えるのに苦労するほど。残り4ハロンから急激にペースアップする瞬発力勝負。

勝ったヤマニンアラバスタは道中、中団でピタリと折り合いが付いた。終始、スムーズな追走で直線は馬場のいい大外へ。そこから矢のような伸び脚で加速。後続に2馬身半を付けて差し切った。ゆったりとした競馬を得意とする馬で道中、緩い流れになったのは好都合だった。中間はクイーンS出走のやめ札幌まで輸送。しかし、除外で再度新潟へ。その影響が懸念されたが、プラス6㌔と更に馬体を増やしていた。滞在競馬の恩恵は想像以上に大きかった。52㌔にも恵まれた。この秋はエリザベス女王杯が控えている。輸送競馬が鍵となる。

グラスボンバーは道中、後方からの競馬。超スローの流れでも折り合いはしっかりと付いていた。直線で馬群の内を突くと、長くいい脚を発揮して伸びた。中間は間隔が開いた割に攻めがやや軽くて心配したが、無用だった。距離にもメドが立ったし、長くいい脚を使えている。秋はメンバーが一層強くなる。更なる決め手強化が課題。

3着はヴィータローザ。道中はいつもどおり最後方からジッと末脚を温存。急激にペースの上がった4角付近でも動かず、直線入り口で内を突くも、反応が悪い。立て直して大外に持ち出すとジリジリと伸びた。スムーズに外に持ち出せていれば結果は違ったかもしれない。気分屋な面があり、アテにしづらい。使い込むよりも間隔を開けたほうがいいタイプ。

4着のアグネスシラヌイは道中、内の4番手と絶好の位置取り。超スローの流れでもスムーズに折り合うも、急激にペースアップした4角で手応えが悪くなってしまう。だが、そこからジリジリと伸びて2着馬とはコンマ差なしまで追い上げた。速い脚があるわけではなく、長い直線を使ってジリジリと伸びるタイプ。理想は平均ペース。不向きな展開でもよく頑張った。新潟は合っている。

5着のエリモマキシムはよく頑張った。ゲートの出が悪く、いつもどおり後方から。しかも、速い脚がない同馬にとって最悪の超スローの流れ。万事休すかと思われたが、直線で大外から鋭く伸びた。スタートさえ決まっていれば2着はあったろう。やはり、直線の長い新潟は合っている。上がりが掛かる展開になれば。

チャクラはトップハンデ57.5を背負い、芝では初となる2000㍍。道中は超スローの流れを馬群の内を追走。勝負どころで楽な手応えで前へ進出すると、4角で先頭に並びかける。そこから瞬発力勝負で抵抗するも、最後は脚が上がってしまった。流れを考えればあの早仕掛けは好騎乗。久々+57.5+2000㍍を考えればよく頑張っている。持久力のある末脚を持っており、ペースが速くなってほしかった。

1番人気ダイワレイダースはスタート直後に他馬に寄られて終始、折り合いを欠いた。それで、なし崩しに脚を使わされて直線は見せ場もないまま馬群に沈んだ。今回のレースを見る限り、淀みない流れが合っている。その意味では1600㍍~1800㍍がべストだろう。

フォーカルポイントも好スタートを切るも、超スローの流れで押し出されるような形で2番手へ。末脚を温存することができずに、なし崩しに脚を使わされた。これでは惨敗して当然。折り合いさえつけば2000㍍は問題ない。

新潟記念(GⅢ)展望・1

2005-08-25 23:44:29 | 見解
【ヴィータローザ】
前走の北九州記念5着は道中、サイドワインダーを意識しながら最後方からの競馬。ペースアップした勝負どころで置かれ気味になり、そこから直線でインを突くも、伸び切れなかった。前々走の宝塚記念11着もGIの厳しい流れと勝負どころで置かれる癖で力を発揮できなかった。3走前の金鯱賞2着は久々ながら、タップダンスシチーの作る緩い流れを最後方待機。勝負どころで置かれながらもエンジンが掛かってからは鋭い伸び脚で勝ち馬に迫った。道中で下手に動くと終いの脚が鈍る面があるし、勝負どころでズブい面もある。その意味では直線の長い新潟なら末一手の競馬に専念できる。気性の勝ったタイプで使い込まれるよりは休み明けのほうが走る。


【ヤマニンアラバスタ】
前走の佐渡特別1着は好スタートを切ると5,6番手を追走。終始、折り合いもスムーズで直線を向いて外に持ち出す。そこから矢のような伸び脚で圧勝。1000万では力が違いすぎた。何よりも滞在競馬でプラス18キロ。輸送減りする同馬にとって滞在競馬の恩恵は想像以上に大きい。3歳時にはオークス3着の実績を持つ。当時は輸送減りが続き、満足のいく状態ではなかった。この中間はクイーンS出走のため一旦は札幌へ。だが、除外されて再度、新潟に入厩することに。馬体の維持が何よりも肝心。逃げ、先行馬不在のメンバーでスムーズに好位を追走できれば。52キロを生かした一発に期待!


【エリモマキシム】
前走の北九州記念6着は道中、メイショウカイドウをマークしながら競馬するも、勝負どころで脱落。小回り1800mのレコード決着はいかにも厳しかった。前々走のエプソムC
11着はタイミングが合わず痛恨の出遅れ。グランリーオの作る平均ペースの流れを最後方から追走するも見せ場を作れなかった。3走前の新潟大賞典4着は終始、外を通らされて直線も大外を通らされるロスがありながら、小差だった。スパッと切れる速い脚があるはではない。持久力のある長くいい脚が持ち味。少しでもペースが速くなってほしい。新潟2000mはベスト。


【フォーカルポイント】
かつてはダービー馬キングカメハメハを差し切ったこともある。前走の朱鷺S2着は少頭数のマイル戦。スローの直線をフルに使った瞬発力勝負の流れ。壮絶な叩き合いに屈して2着。休み明けを使われて馬体が絞れていた。3走目の今回は更なる上積みが期待できる。2000mは京成杯勝ちがあり、ベスト。2歳戦からの成長については疑問符が残るが、ここは言い訳のできない好条件。外回りで差し脚が生きる流れになれば。


【ヒカルドウキセイ】
最軽量50キロのハンデ。ただ、1000万クラスでも大敗している現状。しかも、この中間はプール中心の調教。好走は厳しいように映る。


【ダイワレイダース】
前走の七夕賞1着は非常に強い内容。マルタカキラリーが大逃げする展開で2番手以下はスロー。勝負どころで各馬の手綱が激しく動いて前へ進出するも、同馬は、ほぼ持ったままの手応えで先頭に踊り出ると、そのまま押し切る強い内容。他馬が外を回ったのに対し、同馬は極力ロスのないところを通った。鞍上の好騎乗も光った。メンバーが弱かったことも確かだが、一頭だけ抜けた内容であった。前々走のエプソムC3着はマイナス18キロという状況でよく走った。道中はサイレントディールの内を通って脚を温存。溜めに溜めて直線入り口で追い出されると、一旦は先頭に並びかけるも、ソラを使ってしまう。ただ厳しい条件だったことを考えれば上々の内容といえる。この中間は短期放牧に出され、その後の調整も順調。新潟にも実績がある。57キロを背負っていることと、逃げ、先行馬不在のメンバー構成から、2番手から抜け出す競馬だろう。


【チャクラ】
前2年は夏の放牧先での調整に失敗にして秋を棒に振ってきた。今年は自厩舎で調整を続けてきた。休み明けながら坂路で入念に乗り込まれて本数は足りている。前走の目黒記念5着は57.5のトップハンデを背負わされ、尚且つスローの瞬発力勝負。終いはこの馬なりに後方からジリジリ伸びてきているものの及ばず。レコード決着で0.4秒差の5着なら及第点。中長距離で実績を残しているようにスタミナホース。初の2000mはマイナス材料。直線の長い新潟で上がりの掛かる展開なら浮上の余地があるが、如何せんスロー必死のメンバー構成。トップハンデ57.5と休み明けを加味すると厳しい戦いになるだろう。ただ、GⅡ勝ちの実績はここでは大威張りできる。地力に期待。


【アグネスシラヌイ】
前走の小倉記念5着はハンデにも恵まれて好勝負を期待したが、上位馬とは決め手に違いに屈した。前々走の天の川S1着は中団のインを追走。終始、経済コースを通って長い直線を迎える。前が塞がったものの、開いてからはスッと反応して差し切った。今回は同条件。引き続き54キロのハンデ。慌てずに仕掛けられる新潟外回りは向いている。あとはブック誌上フォトでは馬体が寂しく映る。馬体の維持が鍵。


【グラスボンバー】
前走の七夕賞3着は後方でジッと我慢。3角で外を通って前へ進出し、ラストは大外を通って伸びてきた。道中で外を通らされたのは痛かったし、ロスなく競馬できていればもっとやれた。2000mを克服できたこと大きかった。新潟は5戦いずれも着外だが、それは本格化前の話。長くいい脚を使える今、新しいボンバーの姿が見られるはず。レイダースとは1キロ差から2キロ差に。道中、ロスなく運べれば逆転も。この中間は間隔が開いたわりに、攻めがやや軽い。そのあたりが気になる。


【エイシンハリマオー】
2回使われて今回が叩き3戦目。だが、以前のような末脚は見られない現状だし、ハンデも据え置き。攻めも上がり重点で、年齢的にも大幅な上積みは望みづらい。


【タニノエタニティ】
この中間は障害練習も。ここ数走は大敗が続いているが、レコードVの前走と、なし崩しに脚を使わされたダイヤモンドS以外は大崩していない。障害練習が気分転換になれば一発も。


【ハレルヤサンデー】
復帰後は大敗が続いている。年齢的なものを考えても大幅な上積みは望みづらい。新潟2000mは実績があるのだが・・・。

札幌記念(GⅡ)回顧

2005-08-24 22:27:45 | 回顧
【馬場状態】良馬場発表も直前の降雨で上滑りする馬場。時計要する。

12.6 - 11.5 - 12.1 - 12.3 - 12.0 - 11.9 - 12.0 - 11.9 - 12.0 - 12.8
(36.2-36.7)(48.5-48.7)(60.5-60.6) 2:01.1

【展開】
行く馬がおらず、コイントスがハナを主張。終始、平均ペースの理想的な逃げに持ち込む。後ろの有力どころも勝負どころで外を通って進出。コイントスがゴール前でバテたところを内の2頭が強襲した。

ヘヴンリーロマンスが見事に連闘で札幌記念を制した。前走時とは違い、スタートして持ったままの手応えで中団を追走。勝負どころで人気のオペラシチーらが外をマクり気味に進出。だが、同馬は慌てず仕掛けをギリギリまで我慢。直線で距離ロスを避けて馬群の密集する真ん中へ。先行馬がバテたところを持久力のある末脚で差し切った。連闘で馬体も絞れ、行きっぷりも素軽かった。パワーがあり時計の掛かる芝も向いた。この後はエリザベス女王杯を目指すことになる。課題は軽い芝でのスローの瞬発力勝負。

2着はアッと驚くファストタテヤマ。道中はいつもどおり最後方追走。終始、ロスの少ない追走をすると、直線で最内を突く。うまく馬群がバラけて前が開いて先行馬がベテたところを強襲した。最後はクビの上げ下げの負けたものの、Hペースの上がりが掛かる流れが向いた。終始、経済コースを通った鞍上も好騎乗だった。

3着は逃げ粘ったコイントス。好スタートを切ると、絡まれることなく、平均ペースの逃げに持ち込んだ。久々ながら力のあるところを示した。2000mなら折り合いを気にしなくていい。

4着はブルートルネード。コイントスの作る平均ペースの流れを3番手のインと絶好位からの追走。終始、スムーズに経済コースを通ると、勝負どころで早めに動いて粘り込みを図るも、最後は決め手のある馬に屈した。切れる脚がないために早めのスパートをしなければならない。この中間は2週に渡ってビッシリと追われて攻めを強化。函館からの輸送で馬体が24キロも減ってしまった。この秋は長い距離での活躍に期待したい。

5着はマチカネメニモミヨ。道中は最後方のインを追走。終始、内の経済コースを通ると、勝負どころでポディションを上げていく。何度も内にモタれるのを立て直して追い込んできた。時計の掛かる芝は得意。今後は中央馬場所での時計勝負。

6着は昇り馬エリモハリアー。道中は中団前目の位置取り。終始、スムーズな追走ながら勝負どころで早くも手応えが怪しくなり、直線で抵抗できにまま失速。中間はやや攻めを手控えられていた。連戦の疲れで目に見えない疲れでもあったのか。

1番人気のオペラシチーは残念ながら見せ場すら作れなかった。道中は中団のインを追走。勝負どころでマクり気味に外から上がっていくも、そこで脚が上がってしまい、万事休す。元々、速い脚に欠けるタイプで長い距離をゆったりと追走して、ジリジリ伸びる競馬が得意。小回り2000mはいかにも忙しかった。鞍上によればノメッていたとのこと。

チアフルスマイルは切れ味勝負の牝馬で、この上滑りする馬場で持ち味を完全に封じられた。次走以降、良馬場で見直したい。

ホウキパウェーブも久々でテンションが高く、道中マクり気味に仕掛けるも失速。オペラシチー同様、もう少し距離が長く広いコース向き。

スプリングシオンは道中は好位を追走するも勝負どころで早めに手応えが怪しくなって直線抵抗できないまま馬群に沈んだ。前後半同じ脚しか使えず、展開が向かないことには。

スズノマーチは好位を追走するも早めにステッキが入り、見せ場を作れなかった。鞍上によれば上滑りする馬場が向かなかったとのこと。

残念ながらダンスインザムードはまたしても大敗。ゆったりとしたスタートで中団の外を追走。1~2角にかけて鞍上が慎重に折り合いに気を使いながら、2番手まで進出。勝負どころでも持ったままの手応えで楽勝もあり得たが、直線でさっぱり反応せず失速してしまった。安田記念と同じような内容だった。無理せず放牧に出して精神面をリフレッシュさせたほうがいいだろう。

本命視したサイレントディールはスタートで出遅れ。道中も終始外を通らされてなし崩しに脚を使わされた。勝負どころで大外を通って前に進出して、直線も大外に出す、というめちゃくちゃな騎乗。これでは勝負になるはずもない。

スムースバリトンは出遅れたうえに終始、ペースに付いていけなかった。

札幌記念(GⅡ)最終結論

2005-08-21 11:15:09 | Weblog
◎サイレントディール
○マチカネメニモミヨ
▲スズノマーチ
△ヘヴンリーロマンス
×コイントス
×エリモハリアー
★ブルートルネード


【展開】
ブルートルネードが好枠を利して単騎逃げ。2番手以下コイントス、サイレントディールの隊列。向こう正面までは平均ペースで流れ、勝負どころでサイレント、オペラ、ヘヴンリーら有力どころがマクり気味に上がっていく。早仕掛けだが、直線も短いためギリギリ持つ。後方の馬たちも機敏に動ける脚質でないと差し届かずという状況になる。


【見解】
現在、札幌は雨が降っている。レース当時には道悪になりそうだ。

本命はサイレントディール。前走の宝塚記念14着は相手も強く、展開も厳しかった。前々走のエプソムCは早め先頭から押し切りを図るも、右前脚の落鉄が影響して伸び切れなかった。3走前のオーストラリアT1着のように持続ある流れを早めに抜け出して押し切る競馬が合っている。平坦小回りコースは理想のステージ。切れる脚に欠けるため、馬場が渋るのもプラス材料。久々になるが、滞在競馬で入念に乗り込まれて落ち着き抜群。早めに抜け出す。

相手筆頭はマチカネメニモミヨ。ここ数走は終始、外を通らされる消化不良のレースが続いている。それでも、ジリジリと差を詰めている。内枠と乗っている福永騎手の手腕に期待して、是非ともロスのない競馬をしてほしい。良馬場の切れ味勝負では厳しいため、道悪になるのもいい。


札幌記念(GⅡ)展望

2005-08-20 23:40:10 | 見解
夏競馬唯一のGⅡ札幌記念。毎年、秋GI戦線に向けて始動する古馬、3歳の一線級が参戦するのだが、3歳の雄ストーミーカフェが神戸新聞杯、クラフトワークが股関節炎で回避と小粒のメンバーとなってしまった。人気を背負うのは昨年の菊花賞3着のオペラシチー。秋に向けてどのような競馬をするのか非常興味深い。舞台は小回り札幌2000m。基本的に先行有利のステージで、差し馬も小回りに対応できる一瞬の切れ味が要求される。


【オペラシチー】
前走の目黒記念1着はエローグの作るスローの流れを5、6番手の好位から追走。終始、折り合いもスムーズで流れが速くなった4角でも持ったままの抜群の手応え。楽勝かと思われたが、ジリジリとしか伸びず何とか競り合いを制した。レコード勝ちだったが、4角の手応えを考えればもう少し突き放してほしかった。大型馬で道中、ゆったりとした競馬が合っている。前走の内容を見ても分かるとおり決して一瞬の切れ味に長けているわけではない。平均して長くいい脚を使うタイプ。その意味では小回り2000mに替わる点はマイナスだ。まだ、キャリア9戦。3歳時は体質が弱く思うような攻めが積めなかった。休養を挟んでどれだけ成長したか楽しみだ。


【エリモハリアー】
前走の函館記念1着はブルートルネードの作る緩い流れを3番手のインと理想的な位置から追走。終始、リズム良く追走すると、4角で前を射程圏に入れる。直線で一瞬の鋭い脚で差し切った。ロスなく乗った鞍上の好騎乗も光った。前々走の巴賞が不良馬場での勝利でフロック視されていただけに、良馬場でも結果を出せたことは大きかった。小回り平坦巧者。前走は終始、経済コースを通れた恩恵も大きく、展開も向いたことも確か。ここは相手強化が課題となる。5ゲートから内をロスなく追走できれば。この中間は短期放牧を挟んでいる。やや軽めの調教で前走からの上積みは見込めない。平行線。


【コイントス】
前走のダイヤモンドS11着は1角で掛かってなし崩しに脚を使わされた。長距離戦であのような形になっては厳しい。かつては有馬記念3着の実績がある。決め手に欠ける面はあるものの、好位を器用に立ち回る。この距離なら折り合いに不安もない。


【サイレントディール】
前走の宝塚記念14着はコスモバルクとタップダンスシチーが競り合う厳しい流れを好位から追走するも、勝負どころで手応えが怪しくなり、抵抗できないまま惨敗してしまった。展開が厳しかったこともあったが、芝のGIでは荷が重かった。前々走のエプソムC4着は終始、折り合いもスムーズ。直線入り口で前を射程圏に入れるも、そこから伸びきれず。鞍上の武豊騎手によれば右前脚が落鉄していたとのこと。これ以上ない展開だっただけに悔やまれる。一瞬の決め手には欠ける。平均していい脚を使うタイプ。3走前のように平均ペースの流れを早めに抜け出す競馬が合っている。ここも勝負どころで早めに抜け出す競馬で押し切りを図る。うるさい面があり、滞在競馬で落ち着きがあるのは良い材料。


【スプリングシオン】
前走の函館記念7着はブルートルネードの作る緩い流れを4,5番手から追走するも、勝負どころで手応えが怪しくなり、直線で見せ場のないまま失速してしまった。前後半同じラップの脚しか使えない。前々走はかなり低調なレースだった。ここはGⅡで相手も揃っている。厳しい戦いになるだろう。


【ダンスインザムード】
前走のクイーンS8着は残念なレースだった。ハナを切ったスターリーヘヴンに1角で掛かって競りかける。そのまま息の入らない流れとなって共倒れしてしまった。休み明けはイレ込む傾向にある、滞在競馬なら何とかなると思ったが、馬場入りからテンションが高かった。今シーズンは気性面の難しさを露呈した惨敗を繰り返している。一度使われたことで落ち着きを取り戻しているといいのだが…。鞍上は横山典騎手。揉まれ弱いことと、前走の内容を考えれば最後方待機の策を取るだろう。


【スズノマーチ】
前走のエプソムC1着は好スタートを切るとグランリーオの作る平均ペースの流れを3,4番手のインと理想的な位置から追走。終始、内の経済コースを通ると、直線でジリジリと脚を伸ばして快勝。ただ、内の経済コースを通った恩恵は大きかった。1800~2000mを中心に使われ、気性の成長とともに末脚も安定してきた。ややズブいところがあるが、一瞬の切れ味はなかなかのもの。勝負どころで早めに動いても粘り切れる。


【チアフルスマイル】
前走のクイーンS3着は道中、縦長の淀みない流れを後方のインで末脚を温存。終始、内の経済コースを通って4角で前を射程圏に入れる。だが、直線入り口で前が壁になり、手綱を引っ張る不利。もう一度立て直して巻き返すも、真っ直ぐ追えず及ばなかった。ただ、直線での不利がなければ勝っていただろう。メンバー最速の上がり33秒8の脚は光った。瞬発力に長けている。前走から連闘となるが、一戦毎に馬体が増えて充実しており、問題ない。牡馬相手となるが、強力な馬がいないここはチャンス。切れ味勝負だけに良馬場でやりたい。


【ホウキパウェーブ】
前走後、脚元に不安が出て、ここまで復帰戦が伸びた。前走のジャパンC16着は予想外のシンガリ負け。自分から競馬をやめてしまった。ただ、菊花賞2着、セントライト記念2着で見せた長くいい脚は間違いなくここで通用するもの。勝負どころでロングスパートが決まれば。


【スムースバリトン】
今回は2歳戦以来のレースとなる。久々で初の古馬相手と条件は厳しい。素質に期待したいところ。鞍上は乗っている蛯名騎手。


【ファストタテヤマ】
長距離戦を使って中1週。テンの追走に苦しむタイプだけに余計心配である。追走が楽になる分、道悪になるのは良い。無欲の追い込みが怖い。


【ヘヴンリーロマンス】
前走のクイーンS2着は久々に加えてプラス14キロ。成長分もあるにしろ、余裕残しの馬体。道中はスタート後、押して前へ。縦長の展開を中団前目のインでスムーズに追走。勝負どころで勝ち馬よりワンテンポ遅く仕掛けると4角で外へ持ち出す。最後は鋭く迫るもクビの上げ下げで負けた。ここ数走、スローの術中に嵌っていただけに淀みない流れでスムーズに追走できたことが大きかった。小回りコース適性がどうかと感じだが、全く問題なかった。B着用で気難しいところがあるだけに速いペースを追走できたことは大きかった。持続ある流れで台頭する差し馬。GⅡ勝ちの力は伊達ではなかった。前々走、3走前はスローの術中に嵌り、流れが向かなかった。ここも平均ペースの持続ある流れになれば台頭できる。太め残りの連闘で上積みを見込むのが妥当。


【ブルートルネード】
前走の函館記念2着は内枠を利してスローの逃げに持ち込んだ。終始、スムーズな逃げで直線半ばまで抵抗するも、最後は勝ち馬の決め手に屈した。展開に恵まれたことを考えれば少々、不満も残る。ここも単騎逃げが望めるメンバー構成。別底に替わって2キロ増の56キロと条件は楽ではないが、展開の恩恵と道悪になれば。


【マチカネメニモミヨ】
前走の函館記念4着は消化不良のレース。スローの流れを後方の外を追走。残り3ハロン時点でペースが上がり、外を通って前へ進出。直線で大外に持ち出すも届かなかった。スローの流れを考えれば、もっと内を突いてほしかった。あれだけ外を通っては勝負にならない。前々走の巴賞3着も終始、外を通って直線も大外。最後はいい脚で追い上げていただけに悔やまれる。ここ2走は消化不良のレースが続いている。内枠を利して終始、経済コースを通れれば。道悪で時計が掛かるのはいい。


クイーンS(GⅢ)回顧

2005-08-20 00:33:18 | 回顧
【馬場状態】開幕週でパンパンの良馬場。時計も札幌としては速い。
天候:曇  芝:良 
12.6 - 11.4 - 12.0 - 11.5 - 11.7 - 11.7 - 12.0 - 11.8 - 12.0

(36.0-35.8)(47.5-47.5)(59.2-59.2)

【展開】スターリーヘヴンがハナを叩くも、外から掛かり気味にダンスインザムードが競りかけたことで、息の入らない縦長の平均ペースの流れ。実質、離れた3番手のデアリングハートがハナに立つ展開。上がりも速く、中団の馬に漁夫の利があった。

勝ったレクレドールは道中、縦長の展開を4番手から追走。勝負どころで早めに仕掛けると4角で先頭に立つ。最後は早めに仕掛けた分、2着馬に寄られたものの、粘り切った。これまでは終い一辺倒の競馬しかできなかったが、脚質に幅が広がった。小回りコースだけにマクる競馬でも押し切れた。瞬時の加速力が生きた。小柄な馬だけに滞在競馬で馬体が維持できたことも大きかった。秋にはエリザベス女王杯が控えている。輸送競馬で馬体が維持できることが鍵となる。

2着はヘヴンリーロマンス。久々に加えてプラス14キロ。成長分もあるにしろ、余裕残しの馬体。道中はスタート後、押して前へ。縦長の展開を中団前目のインでスムーズに追走。勝負どころで勝ち馬よりワンテンポ遅く仕掛けると4角で外へ持ち出す。最後は鋭く迫るもクビの上げ下げで負けた。ここ数走、スローの術中に嵌っていただけに淀みない流れでスムーズに追走できたことが大きかった。小回りコース適性がどうかと感じだが、全く問題なかった。B着用で気難しいところがあるだけに速いペースを追走できたことは大きかった。持続ある流れで台頭する差し馬。GⅡ勝ちの力は伊達ではなかった。

3着のチアフルスマイルは惜しかった。道中は縦長の淀みない流れを後方のインで末脚を温存。終始、内の経済コースを通って4角で前を射程圏に入れる。だが、直線入り口で前が壁になり、手綱を引っ張る不利。もう一度立て直して巻き返すも、真っ直ぐ追えず及ばなかった。ただ、直線での不利がなければ勝っていただろう。メンバー最速の上がり33秒8の脚は光った。瞬発力に長けている。

4着のデアリングハートはテンションが高かった。スタートしてからも行きたがっていた。スターリーヘヴンとダンスインザムードがやり合う縦長の淀みない流れを、離れた3番手からの追走。実質、この馬が逃げる形で仕掛けどころが難しく、なし崩しに脚を使わされ、難しい位置取りであった。4角で先頭集団にいるも、手応えは今ひとつ。不利はあったものの、脚も残っていなかった。展開を考えればやむを得ない敗戦。ただ、秋華賞で打倒ラインクラフトを考えれば不満も残る。更に1ハロンの距離延長で折り合いが鍵となる。この後はローズSか。

5着のエルノヴァは道中後方を追走。勝負どころで手綱が激しく動くも、反応は今ひとつ。長距離路線を使われてきたことでズブさが出た。加速に時間の掛かるタイプで、更に臨戦過程がそれに拍車をかけた。本質的には直線の長いコース向きの馬。

ダンスインザムードの復活は残念ながら見られなかった。馬場入りからテンションが高く、いつもの休み明けのダンスだった。道中もテンから折り合いを欠き、スターリーへヴンに競りかけて共倒れしてしまった。気難しさが抜けない。昨年の激しいローテで馬が嫌気を差してしまったのか。これが改善されない限り、好走は難しいだろう。



クイーンS(GⅢ)最終結論

2005-08-14 08:14:16 | 最終結論
◎デアリングハート
○ダンスインザムード
▲チアフルスマイル
△スターリーヘヴン
×アンブロワーズ
×ディアチャンス

【展開】
ここはスターリーヴンのスローの単騎逃げ。それを揉まれたくないダンスインザムード、デアリングハートらの有力どころが先行、好位から追走する形。3角あたりから一気にペースが上がる3ハロン勝負。開幕週の札幌と小回りを考えれば先行馬に分がある。

【見解】
本命はデアリングハート。
前走のNHKマイルC2着はテンは若干行きたがったものの、好位のインを追走。直線で外に持ち出して伸びるも、勝ち馬にインを通られ万事休す。しかし、牡馬相手に立派な2着。
3走前から馬体がふっくらしたことでスピード性能に加え、終いの脚もしっかりとした。若干、折り合いに不安があるものの、コーナー4つの小回り1800m。うまく息を入れられれば。
ダンスインザムードとは斤量5キロ差。負けられない。

ダンスインザムードはとにかく揉まれずに先行できること。
57キロでも実績は断然の存在。
休み明けはイレ込む傾向だが、滞在競馬なら違うはず。

チアフルスマイルはスローでも差してこれる。
だが、テンが速くなれば速くなるほどいい。
流れが速くなれば単まで。



クイーンS(GⅢ)展望・2

2005-08-14 08:00:22 | 見解
展開については後ほど書くが、何が何でも行きたい馬不在の構成。スロー必死。52キロのデアリングハートは秋華賞に向けて視界良好といきたいところ。ダンスインザムードは揉まれずに先行できることが条件。この構成ならそれも可能。レクレドールは使える脚が短いため、直線勝負に賭けるしかない。それは鞍上も承知している。ただ、この構成から展開が向くとは思えない。エルノヴァも長くいい脚を使うタイプ。エンジンの掛かりが遅いためべストは広いコース。小回りコースなら前走のような上がりの掛かる展開で浮上する。チアフルスマイルもスローでも瞬発力を発揮できるが、やはり流れが速いに越したことはない。鞍上は魅力。アンブロワーズは減った馬体がどこまで戻っているか。


【スターリーヘヴン】
前走の函館SS11着は久々のスプリント戦ながら、流れに戸惑うことなく先行できたように、スピード性能はかなりのもの。
前々走の愛知杯6着はウイングレットの作る淀みない流れを中団前目からの競馬。勝負どころで各馬が動き出すと、同馬も外に出して仕掛ける。ところが、ジリジリとしか伸びず。
控えてもジリ脚のため、勝ち切るまでには至らない。
だが、今回は前走で見せたスピード性能を生かす絶好の舞台。なぜなら、他に行く馬が見当たらず、単騎逃げ濃厚だからである。
コーナー4つの小回り1800m。道中、うまく息を入れてマイペースの逃げが打てれば一発があっても驚けない。


【アンブロワーズ】
春後半は桜花賞で減った馬体が戻らず、苦杯をなめた。
前走のスイートピーS8着はスローの流れを好位からうまく流れに乗るも、直線位置で激しく他馬と接触し、失速。上記に述べたように馬体減りの影響もあった。
もともと、長い直線の瞬発力勝負では分が悪い。
阪神JF2着のように平均ペースの流れを好位から粘り込む競馬がマッチしている。
時計勝負では辛いので札幌の洋芝はマッチしている。


【ディアチャンス】
代表的な昇り馬。
前走の駒ケ岳特別1着はニシノニチリンが大逃げする展開を離れた中団のインを追走。ラスト3ハロンから急激にペースが上がる展開。それを手綱を押して前へ進出すると、直線で狭いところを突き抜けて快勝した。勝負根性もある。
前々走の遊楽部特別1着もスローの流れを好位のインと理想的な位置からの追走。ラスト3ハロン勝負の流れをきっちりと差し切って完勝した。
小回り向きの器用さを持っている。
ここは一気に相手が強くなるが、上昇度は見逃せない。
うまく流れに乗れれば。


小倉記念(GⅢ)展望・1

2005-08-12 22:00:01 | 見解
【メイショウカイドウ】
前走の北九州記念1着は最内枠発走から好スタートを切ると、道中は5、6番手のイン。
1~2角で掛かり気味に追走し、勝負どころの3~4角では手応えが今ひとつ。
万事休すかと思われたが、そこから渋太く伸びて差し切り勝ち。
マイナス20キロも関係なかった。
前々走、3走前はともに急坂のあるコースで見せ場すら作れなかった。
小倉7勝で3冠も達成。まさに小倉の鬼。
平坦コースと滞在競馬というのがこの馬にマッチするのだろう。
今回の課題は2000mになる点とトップハンデの58.5。
昨年の同レースを制しているものの、メイショウバトラーの引っ張る縦長の展開と離れた3,4番手からスムーズに折り合えた。
前走や今冬の小倉大賞典を見る限り、テンに折り合いを欠いていた。
1ハロンの距離延長はプラスとは思えない。
昨年は56.5。今年は2キロ増の58.5。楽な条件ではない。


【ツルマルヨカニセ】
前走の北九州記念2着は抜群のスタートを切ると、馬なりで3番手へ。
平均ペースの流れを終始、スムーズな競馬で直線を向くと、一旦は先頭に並びかける。
だが、一瞬のうちに勝ち馬の決め手に屈した。
相変わらず詰めの甘さはあるものの、小倉では行きっぷりが違う。
この馬も8戦4勝、2着3回、3着1回と小倉では必ず馬券対象にないっている。
無類の小倉巧者である。
今回は1ハロンの距離延長になるが、実績もあるし、折り合いの不安もない。
前走でカイドウと1キロ差だった斤量が2.5キロ差になる。
これなら逆転も十分ありえる。


【スパルタクス】
前走の北九州記念4着は道中、内枠から積極的に2番手を追走。
3角でステッキが入ると、4角で早め先頭に立つ。
最後は筒一杯になって脚が止まってしまった。
決め手がないだけに早めに先頭に立って押し切る競馬を図ったが、惜しかった。
この馬も小倉巧者。
今回も前走同様、早めに先頭に立つ競馬で挑む。
できれば、テンにゆったりと追走して自分のペースで抜け出したい。
3キロ減の56キロはいい材料。


【セフティーエンペラ】
前走の金鯱賞5着はタップダンスシチーの作るスローの流れを2番手。
終始、スムーズな競馬で直線を迎えるも、決め手勝負に劣った。
2着馬とは0.2秒差だが、展開の恩恵を考えれば手放しに喜べる内容ではない。
メンバーも強かった。
今冬の小倉大賞典2着では中団から控えて外からマクる競馬で0.1秒差。
本来の先行策で巻き返す。
輸送競馬に弱く、滞在競馬のここなら本領を発揮できる。


【チアズメッセージ】
前走の北九州記念7着は行き脚がつかず中団からの競馬。
向こう正面で早くも手が動くと、4角でアラアラ。直線も抵抗ができなかった。
スパっと切れる脚に欠ける。ジリ脚タイプ。
ダービー卿CT2着のように最後方で脚を温存する競馬が合っている。
使い詰めで疲れが出てきているのは気になる。


【ニホンピロキース】
前走の玄海特別1着は道中、3,4番手のインを追走。
3~4角にかけて鞍上とケンカして折り合いを欠く。
万事休すかと思われたが、4角で先頭に立つと、渋太い末脚で凌いだ。
鞍上に反抗、ゴール前で尾を振っているように気難しい面がある。
それが解消されれば将来が楽しみ。
前走から4.5キロ減の53キロで出走できるのは面白い。
現状では切れる脚はないが、軽量を生かした積極的な競馬ができれば。


【ベストタイクーン】
2年ぶりの出走となった前走の北九州記念11着。
スッとハナへ立つと、平均ペースの逃げに持ち込む。
4角で筒一杯となってさすがにバテてしまったが、長期休養明けでもその逃げ脚に陰りは全く見えなかった。
今回は叩き2戦目で幾分、上積みが見込める。
4キロ減の52キロまでどこまで粘れるのか。


【メモリーキアヌ】
前走のマーメイドS6着はやや重で時計の掛かる馬場。
だが、3番手から競馬するも、ダイワエルシエーロの作るスローの流れで見せ場を作れず、勝ち馬に大きく引き離されてしまった。
今の小倉は馬場が荒れているものの、時計は依然として速い。
51キロを利してどこまで応戦できるか。


【ワンモアチャッター】
前走のフィリピン特別1着は中京競馬最終週を迎えて極悪馬場。
それに降雨が加わり、スタミナを要する馬場。
58キロを背負った同馬にとって辛い条件。
道中は最後方でジッと末脚を温存。
勝負どころで内目を避けて通る他馬を余所目に、同馬は最内の経済コースを通る。一見、無謀とも思える作戦だったが、鞍上の「どこを通っても同じ」という見事なまでの好騎乗であった。
直線でグイグイと力強く伸びての圧勝であった。
前々走の小牧特別1着も道中は最後方で我慢。
先行馬の息が入った勝負どころで、外目をマクって前へ進出。直線入り口で先頭に立つと、そのまま粘り強く押し切った。
しかも、タップダンスシチーの作ったレコードを更新するおまけつき。
高速馬場、不良馬場、兼用というのは心強い。
今回も最後方でジッと我慢して、展開が向くのをジッと待つ。
54キロのハンデと勢いならこの相手でもやれる。


【アグネスシラヌイ】
前走の天の川S1着は道中、中団のインを追走。
終始、経済コースを通って長い直線を迎える。
前が塞がったものの、開いてからはスッと反応して差し切った。
鞍上によれば「2000mはピッタリ」とのこと。
2キロ減の54キロと調子の良さを生かせれば。
【グリーンプレジャー】
前走は11ヶ月ぶりの実践ながらB着用でテンは軽快な逃げを打った。
今回は同型のベストタイクーンとの兼ね合いがポイントとなる。



クイーンS(GⅢ)展望・1

2005-08-09 23:30:44 | 見解
例年以上にメンバーが揃った感がある。
舞台は開幕週の札幌芝1800m。1角での攻防が鍵を握る。
まずは各馬の見解から。


【ダンスインザムード】
前走の安田記念18着は予想外のシンガリ負け。
道中はローエングリンの作る淀みない流れを4,5番手から追走。
終始、いい手応えで流れに乗ると、直線を向くもズルズル後退。
直線入り口で不利があったとはいえ、負け過ぎ。
前々走の京王杯SC9着はパドックからイレ込んでいた。
スタートで半馬身ほど出遅れると、うまく流れに乗れず中団からの競馬。
直線を向くと内にモタれ気味で鞍上が何度も立て直して追いづらそうだった。
鞍上によると「追走に脚を使った」とのこと。
ここ2走は条件が悪かったとはいえ内容が悪すぎる。
昨年はオークス4着後、米遠征→GI連戦→香港遠征と過密スケジュール。
それで馬が走ることに嫌気を差してしまったのか。
この馬の持ち味は、折り合ったときの一瞬の切れ味。
左回りでは内にモタれる癖があるため、右回りはプラス。
休み明けはイレ込む傾向があるが、滞在競馬なら問題ないはず。
課題は精神面。こればかりはやってみないと・・・。
揉まれ弱い面があるため、小回りで内枠に入るときつい。


【レクレドール】
前走のマーメイドS5着はローズSでスイープトウショウを破った舞台。
超スローの流れをいつもどおり最後方待機。
直線を向いて外から懸命に追い込むも不発に終わった。
いくら展開不向きとはいえ後ろの馬にも差された。不満の残る内容だった。
前々走の愛知杯7着は淀みない流れを最後方待機。
有力どころが勝負どころで早めに動くなか、同馬も早めに仕掛ける。
だが、馬場の悪い内を通らされたのと早仕掛けが響き、直線失速。
決して長くいい脚を使えるタイプではない。早めに動くと辛い。
その意味では小回りコースは向く。
他力本願でジッと仕掛けを我慢できれば。

【ヤマニンアラバスタ】
前走の佐渡特別1着は好スタートを切ると5,6番手を追走。
終始、折り合いもスムーズで直線を向いて外に持ち出す。
そこから矢のような伸び脚で圧勝。1000万では力が違いすぎた。
何よりも滞在競馬でプラス18キロ。
輸送減りする同馬にとって滞在競馬の恩恵は想像以上に大きい。
ゆったりと競馬できる長距離向きなのは確か。
ただ、1800mも紫苑S1着降着の実績があり、守備範囲。
流れに戸惑わなければ。


【マイネヌーヴェル】
常に追い込み馬。
前走の巴賞5着もいつもどおり最後方待機。
直線を向いて、馬群がバラけたところをうまく内を突く。
最後はジリジリと伸びたものの、そこまで。
前々走の愛知杯14着は淀みない流れを最後方待機。
勝負どころで各馬が早めに動く展開で置かれ気味に。
直線で見せ場もなく惨敗してしまった。
テンに速い脚がないために、どうしても後方からの競馬になってしまう。
上がりの掛かる展開を待つ。
馬体の増減が激しいだけに滞在競馬はプラス。


【ヘヴンリーロマンス】
前走の福島牝馬S10着は超スローの流れを中団のインを追走。
終始、流れが落ち着いて動くに動けず、術中に嵌ってしまった。
前々走の中山牝馬S10着もスローの流れに嵌った。
ここ数走は連戦の疲れもあったが、流れも向かなかった。
機敏さと瞬発力に欠ける面があるため上がりの掛かる展開になってほしい。
その意味では小回りコースというのはどうだろうか。
GⅡを制した阪神牝馬S1着は終始、内を通ったコース利があった。
ここはややメンバーが揃った感がある。


【デアリングハート】
ここから始動する。
前走のNHKマイルC2着はスローの流れを5,6番手から追走。
テンはやや行きたがっていたが、許容範囲内。
終始、内の経済コースを通り、直線で外に持ち出す。
そこから一旦は抜け出すも勝ち馬に脚元をすくわれた。
3走前から馬体がフックラして、攻めも強化できるようになった。
それから、スピードに加え、終いの脚もしっかりとした。
小柄な馬だけに滞在競馬で馬体を気にしなくていいのは大きい。
初の1800mになるが、コーナー4つの競馬で息を入れられれば。
3キロ減の52キロで出走できるのは強み。


【チフルスアイル】
前走の愛知杯2着は後方で折り合いに専念。
終始持っていかれそうな雰囲気だったが、鞍上がうまくなだめた。
直線でギリギリまで追い出しを我慢すると、鋭い伸び脚で迫った。
展開に恵まれた感もあるが、折り合い次第では距離も利く。
前々走の中山牝馬S6着はスタートで半馬身ほどの出遅れ。
それで位置取りが悪くなり、流れが超スローだったこともあり不発に終わった。
折り合えば終いはいい脚を使う。
ギリギリまで追い出しを我慢して展開が向くのを待つ。


【エルノヴァ】
前走の目黒記念4着はスローの流れを中団のインから勝ち馬をマーク。
終始、折り合いもスムーズで直線の叩き合いに持ち込む。
ゴール前で一旦は勝ち馬に並びかけるも、ソラを使ってしまい4着。
前々走のメトロポリタンSもゴール前でソラを使っていた。
昨年の同レースはクビ差の2着。
有力どころが早めに動く展開を後方でジッと脚を溜めた。
その結果、メンバー最速の上がり34秒8の脚で一完歩ごとに詰め寄った。
ジリジリと長くいい脚を使うタイプ。
小回りコースでは、スローの上がり勝負よりも上がりの掛かる展開を好む。
長い距離を使われ続けたことで小回り1800mに戸惑わないか心配だ。