中央競馬徹底研究!

2022年は客観的な予想を心がけます。

アーリントンC(GⅢ)予想

2008-02-29 22:40:24 | 最終結論
頑張れイチゴイチエ

阪神11R アーリントンC
◎ポルトフィーノ
○ダンツキッスイ
▲アポロドルチェ
【見解】
 超良血馬ポルトフィーノの走りには注目が集まる。前走のエルフィンSは半年ぶりの実践でほぼ新馬戦のようなもの。好発から抑え切れない感じで3ハロン目からハナへ立ち、引っ張り切りの手応え。全く絡まれず展開に恵まれたとはいえ、馬なりのままラスト3Fから11秒5-11秒7と加速し、ラスト1Fで軽く追われるとグンと弾んだ末脚で後続を突き放した。卓越したスピード能力に加え、終いも切れる脚を使えるタイプだ。揉まれにくいという点で大外枠は歓迎だろうし、ここは好位からの競馬になる。桜花賞へ向け、負けられない一戦だ。

 ダンツキッスイは折り合いに難のあるタイプ。前々走のマイル戦はモロに掛かってテンから飛ばし、終い失速。そういう競馬が新馬戦以降は続いていた。だが、藤田騎手に乗り替わった前走はスムーズな折り合いを見せ、ダートとはいえ後続を突き放した。気分良く行けば新馬戦で好時計勝ちしたように傑出したスピードで押し切れる能力の持ち主。引き続き鞍上が乗るのも心強い。開幕週の馬場も味方に。


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阪急杯(GⅢ)調教診断

2008-02-28 21:39:25 | 調教診断
スズカフェニックス万全の態勢

【アグネスラズベリ】○ 攻め意欲的
DWで単走。例によって頭の高い走法だったが、キビキビとしたフットワークで6ハロンから81秒0-12秒2。この中間は中2週ながら2週連続で追われるなど意欲的。一頓挫あった前走から相当な上積みが望める。

【アンブロワーズ】○ 見た目以上の好時計
坂路で単走。終始、持ったままの手応えながら半マイル51秒8-12秒8の好時計。推進力のある走りで軽々と登坂。見た目以上の好時計は好調の証。

【オースミダイドウ】○ 追って案外
ジョッキー騎乗でCWを2頭併せの外。直線で馬体を併せ、ラスト1Fでビッシリ追われるも、追ってから重心が高く、手応えで完全に見劣った。それでも、不良馬場で5ハロン66秒7-12秒9は優秀。

【キンシャサノキセキ】○ 躍動感あるも
南Pを単走で終いサッと流す。道中はハミにモタれて首をグッと下げる。直線で軽く仕掛けられると、首を上手く使い四肢を柔らかく伸ばした躍動感のある走り。流石の動きだが、ビシビシやれないのは不満だし、ハミにモタれるのも相変わらず。

【シンボリグラン】○ 余裕残しで好時計
坂路で単走。直線で外ラチに膨れていったが、前脚をピンと張り出した回転の速いフットワークを披露。余裕残しのまま半マイル49秒8-12秒1は速い。相変わらず攻めは動く。

スズカフェニックス】◎ 仕上がり絶好
坂路で単走。吹雪舞う中で首を上手く使い、四肢を力強く伸ばしたストライドで抜群の切れ味。久々でもコースと坂路で入念に乗り込まれ、仕上がり絶好。

【テイエムノブシオー】○ 順調
坂路でサッと流す。ゴール前は左へモタれてお世辞にも良い動きとはいえないが、ゴール前はなかなかのスピード感。まだ脚色には余裕があったし時計(半マイル54秒2)はいつもこんなもの。順調。

ハイソサエティー】◎ 動き抜群
南Pで3頭併せの外を追走。4角で1馬身半差まで迫り、直線で持ったまま脚力の違いで楽に突き放した。首を水平に使い、四肢を柔らかく伸ばした抜群の動き。とにかく攻め駆けする。この中間も中2週で1週前、最終追いと意欲的。上積みが見込める。

【フサイチリシャール】○ 乗り込み入念
坂路で2頭併せをビッシリと。直線で馬体を併せて迫力の追い切り。僅かに先着を許したものの、力強い脚捌きで上手く首も使え、集中力を感じさせた。久々になるが、入念過ぎるくらい乗り込まれ、万全の態勢。馬体にも張りがある。力は出せる。

マルカフェニックス】◎ 抜群のスピード感
吹雪のなか坂路で単走。ラスト1Fはエラー表示だったが、弾むようなフットワークでグングン加速。抜群のスピード感で駆け抜けた。この動きなら楽しみ。

【ローブデコルテ】△ 末の粘り一息
DWで2頭併せの内を6Fから。ラスト1Fであっさりと交わされ、煽られた。乗り手の体重差があるとはいえ、末の粘りが一息なのは不満。大幅な上昇とはまでは…

ローレルゲレイロ】◎ 抜群のスピード感
四位騎手を背に坂路で単走。相変わらずピッチの利いた回転の速いフットワーク。抜群のスピード感でシャープな動き。ラスト1F24秒3は速い。

フェブラリーS(GI)回顧

2008-02-26 15:36:30 | 回顧
【馬場】天候:晴、ダート:良。風が強い。

12.4 - 10.9 - 11.5 - 11.9 - 12.4 - 12.4 - 11.7 - 12.1=1:35.3

【展開】ヴィクトリーがハナ。2ハロン目を10秒9と飛ばし、半マイル通過46秒7の緩みない流れ。底力を要求され、これを正攻法の競馬からラスト1Fを12秒1でまとめた勝ち馬はお見事。

 もはや国内に敵はなし。ヴァーミリアンがGⅠ4連勝を飾り、ドバイ遠征に向けて弾みをつけた。この中間は一頓挫あって川崎記念を自重。厳寒期に調教を休んだとあってこの日は7キロ増。トモの踏み込みは迫力満点だったが、腹回りの締まりは今ひとつだった。課題だった発馬を決めると、15番枠から少し気合いを付けて好位へ。懸念された追走に戸惑うどころか、掛かるくらいの行きっぷりで絶好の手応え。流れの緩んだ4角でスーッと持ったままの手応えで進出。抜群の脚力で持ったまま坂上から先頭に並びかけ、残り300㍍地点でスパート開始。他馬をアッという間に置き去りにし、グングン加速。正攻法の競馬でラスト1Fを12秒1でまとめる強さで圧勝した。勝ち時計1分35秒3はパサパサの馬場を考えれば優秀。本調子にないなかでこの強さ。昨秋の快進撃は伊達ではなかった。

 古豪ブルーコンコルドが得意のマイルで変わった。好発を決め、テンは自らハミを取るやる気を見せて好位追走。行きたがることなくスムーズな競馬。懸念された3,4角で内へモタれることなく真っ直ぐ走れた。珍しく直線入り口では持ったままの手応え。直線入り口でビッググラスに被されて内へ押し込まれたために、狙っていたデアリングの外の進路を取れず。一瞬の加速力がないために外からどんどんと来られて位置取りを落とす。幸が懸命に手綱をしごき左ステッキも入る。残り300㍍を切ったあたりから、早めに抜け出したヴァーミリアンの進路を通る。エンジンの掛かったラスト1Fからはパワフルなフットワークでグイグイと伸びる。最後は勝ち馬を凌ぐ脚色だった。相変わらずエンジンの掛かりが遅く、本来はインを通って成功するタイプではない。今回はヴァーミリアンの強さに〝恩恵〟を受けた形。最後の脚は本物だし、好調時と何ら変わらないもの。左回りのマイルが合っている。

 大外枠発走のワイルドワンダー。発馬地点だと不思議と出遅れない。グリップが利いているのか。道中は前のヴァーミリアンをマークする形で、中団の外めを追走。ハミをグッと噛んで顎を下げる。岩田が手綱を引っ張り懸命になだめる。力んで走っているために知らず知らずのうちにスタミナを消耗する。4角から直線入り口にかけて痺れる手応えでヴァーミリアンに並びかける。この時点では勝利を意識するほどのもの。だが、残り2Fから追い出されると、思ったほど弾けず突き放されてしまった。現時点での力差と言うなら簡単に説明がつく。だが、敗因ははっきりしている。展望から何度も言っているように、道中の行きっぷりの良さに問題がある。ハミを噛んで前へ前へと気持ちが行くために力んで体力を消耗。絶好の手応えに見えて伸び切れないのはそこに原因がある。距離云々ではなく、これを解消しない限りにはもう1つ上のステージには進めない。

 ロングプライドは発馬で行き脚がつかず。テンに追っ付けて後方馬群まで取り付く。ここでかなりの脚を使ってしまう。4角から直線にかけて大外を通って絶好の手応え。前のヴァーミリアン、ワイルドワンダーを射程圏に入れる。だが、追ってからの伸び脚は案外で、最後まで同じ脚色で4着を死守するのが精一杯だった。テンに脚を使わされたのも響いたが、距離も忙しかったか。

 リミットレスビッドは短期放牧明けで追い不足だった前走を叩かれ、この中間は攻めを強化。デキがグンと上向いていた。道中は中団馬群のなかで脚をタメる作戦。抑え切れない感じの手応えだったが、何とかなだめられる。4角から直線にかけて持ったままの絶好の手応え。ギリギリまで追い出しを我慢し、残り2Fを切ったところでスパート開始。だが、残り150㍍地点で前が壁になる不利があった。そこで一旦手綱を引っ張って後退する場面がなければ3着はあったかもしれない。3連単馬券を握っていただけに悔しい。デキと折り合い次第でマイルも守備範囲。

 ドラゴンファイヤーはマイルの速い流れに戸惑った感じだ。3歳時はマイル戦線で活躍してきたが、一線級相手だったジャパンCダート、平安Sではズブさを見せてスピード不足の印象だった。時計の掛かる中距離で渋太く差す競馬が合っている。上がりが掛かる意味では、直線に坂のある阪神、中山向き。

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京都記念(GⅡ)回顧

2008-02-26 15:34:39 | 回顧
【馬場】Cコース。野芝約8~10cm、洋芝約10~14cm。内が荒れてパワーを要する馬場。

12.9 - 11.3 - 12.5 - 12.4 - 12.6 - 12.6 - 12.3 - 11.7 - 11.3 - 11.9 - 12.1=2:13.6

【展開】シルクフェイマスがハナ。1角から3角までの4ハロンが50秒1という緩い流れ。後続は横一線の瞬発力勝負。外を通った馬有利。

 牝馬に2度は負けられない。昨年のダービー3着馬アドマイヤオーラが約1年ぶりの勝利を手にした。下見どころからキビキビとした歩様で、柔らかい身のこなし。抜群の気配だ。道中は中団より後ろめのポディションからの追走。折り合いもスムーズでしっかりと脚をタメる。向こう正面中盤から馬場の良い外めに出す。緩い流れにも慌てずジックリ。残り600㍍を切ったところから抜群の手応えのまま、馬群の外めを通ってジワッと進出。4角から直線入り口にかけてスーッと加速。ノーステッキのまま、一瞬の脚力の違いでグンと加速。一気に先団に取り付き、残り1ハロン手前から左ステッキ2発が入る。重心をグッと沈め、ステッキに対してモタれることなく真っ直ぐ駆けて差し切った。凄い脚力でGI級の決め手。ゆったり追走できるこの距離が合っているか。あとは折り合いだけ。

 アドマイヤフジは20㌔増。入念に乗り込まれていただけにそれほど気にしなくてよかったか。返し馬で多少フットワークが硬かったのは気になった。好発を決めてスッと先団を伺うも、スローで馬群が固まり、1,2角では馬群の外めを通らされてロスが大きかった。向こう正面からは無理することなく好位の後ろまでポディションを下げる。前に馬を置き、しっかりと脚をタメる。直線入り口での手応えが悪く、勝ち馬には一瞬の脚の差で引き離される。一完歩毎にジワジワと脚を使って確実に追い込んだ。決め手で勝ち馬に劣るも、時計を要す条件で。広くて2400㍍くらいの距離が合っている。

 シルクフェイマスはポンとハナへ。他馬の競り合いもなく1角から息を入れ、3角までの4ハロンを50秒1という超スローに落としての逃げ。にもかかわらず3角では5,6馬身の差があり、下り坂からジワッとペースを上げて更に差を広げる。前半にたっぷりと貯金していたために4角では11秒3と速い脚を使って一気にスパート。直線入り口ではセーフティリードと思える差。ラスト1Fで捕まった。ペースを考えれば不満の残る内容だが、長期休養明けの叩き2走目の9歳馬を考えれば頑張っている。

 ドリームパスポートは道中、中団馬群のインに潜り込む。鞍上が抑えるのに苦労するほどの行きっぷり。3角の坂を慎重に下るも、ハミを噛んでしまう。テンから余分なスタミナを消費。直線でインから馬場の3分どころへ持ち出す時に一瞬は手綱を引っ張るシーンがあったものの、気にならない程度。狭いところを割って伸びてきたが、外差し馬場で苦しかった。5番枠発走で折り合いに難があり、競馬内容に制限があった。突き抜けてもおかしくない力の持ち主だが、何かもどかしい。現時点ではもっと流れるレースがベスト。絞れつつか。

 トウショウナイトは無理することなく、ジワッと好位の真ん中。特に早めに動くこともなく直線入り口を向いての横一線の追い比べ。残念だったのは直線のコース取り。武士沢騎手は右手綱を引いてインに突っ込んだ。2連続開催の最終週の馬場状態を考えれば、センカクの外めに誘導すべきだった。ナイト自身にはそれだけの脚が残っていたし、できる場面はあった。一完歩毎にジリジリと差を詰めていたものの、外めを通った馬とは勢いに違いがあった。着差が着差だけに悔しい。

 ウオッカは久々でも好仕上がり。16番枠から発馬で隣馬のステッキに過敏に反応して外に膨れる。その後はガッチリ手綱を抑えて、ポツンと離れた後方2番手からの追走。行きたがる面は相変わらずで、折り合いを欠く。向こう正面中盤ではガツンと掛かって一瞬はアドマイヤオーラの後ろまでポディションを上げる。そこからまら手綱を抑えて下げる。慎重に坂を下って大外へ。直線入り口での加速力は今ひとつで、ジリジリとしか伸びなかった。上がり3F33秒8だが、インパクトは薄かった。56㌔を背負い、折り合いを欠き、パワーを要する馬場で右回りと悪条件が重なった。

 ダークメッセージは道中から手綱が動き通しで脚をタメる場面がなかったし、4角でペースが上がった時にはズブさを見せて置かれてしまう。直線で手前をキッチリ替えたものの、弾けるシーンはなかった。2200㍍は距離不足。

 トウカイトリックは発馬で手綱を押して前へ。1角からはスンナリと好位の外めで流れに乗れた。前走に続いて2200㍍だから追走に苦労することはなかった。4角でズブさを見せたものの、直線はジワジワと脚を使った。勝ち馬からコンマ4秒差なら悪くない。距離が伸びれば更に。

 フサイチホウオーは返し馬からハミを噛んで精神的なモロさを見せた。レースでも前捌きが硬く、フットワークがバラバラ。全く見せ場がなかった。皐月賞3着が1年も経たないうちに急激に力を落とすことは考えづらく、精神的なもの。鞍上によれば息遣いも今ひとつとのこと。

フェブラリーS(GI)最終結論

2008-02-24 09:35:22 | 最終結論
東京11R フェブラリーS(GI)
◎ブルーコンコルド
○ヴァーミリアン
▲メイショウトウコン
△フィールドルージュ
×ワイルドワンダー
×ドラゴンファイヤー
【見解】
 古豪ブルーコンコルドの復活に期待したい。2000㍍以上のレースだとどうしてもテンに行きたがり、思うような競馬ができない。その点、交流GI4勝のマイルなら能力全開だ。昨年のこのレースは速い流れを後方から追走し、3,4角でズブさを見せて内へモタれる。全く加速できないまま直線を迎え、直線入り口では手応えが悪い。万事休したかと思われたが、残り2ハロンからグングンと加速。パワフルなフットワークで鋭く迫った。僅かに届かなかったものの、最後の脚は上回っていた。今週のDWでのグンと重心を沈め、力強い脚取りは1年前と何ら変わりないもので、前向きさも感じ取れた。衰えはない!

 ヴァーミリアンの実績、底力はここでは抜けている。今回のポイントは仕上がり具合とマイルへの適性だ。右飛節炎の影響で川崎記念を自重。その中間は、1月13日にCWで半マイル73秒8を出し、16日に坂路で半マイル53秒8-14秒2。そして11の間隔を経て27日には坂路で半マイル57秒9-13秒5という攻め過程。間隔が詰まっているとはいえ、明らかな調教不足だしこの時点で陣営も何らかの体調の不安を把握していたに違いない。その後は運動を休んだのは1日だけだろうだが、時計を出したのは6日の坂路。2週続けて坂路でビッシリ追われたものの、急仕上げは否めず厳寒期だけに太め残りの懸念は十分ある。当日の馬体重には要注意だ。加えて出負け癖がある。中距離なら挽回が利くが、マイルの速い流れなら追走も容易ではない。力は認めても、絶対視はできない。

 メイショウトウコンにとってエルムSの末脚を生かすにはマイルがベストだろう。2000㍍以上では末脚が鈍る。前走の平安S2着は、勝負どころで被され、反応が悪かったが、直線で狭いところをグンと破ってきた。58㌔を背負い、強い内容だった。昨年のこのレースは惨敗しているが、当時は精神的に不安定で430㌔台の小柄な馬体だった。充実期の今は460㌔台まで成長。長距離輸送に対する不安も解消した。他力本願なだけ評価を下げた。

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土曜日の狙い

2008-02-23 00:15:27 | 最終結論
京都11R 京都記念(GⅡ)
◎アドマイヤフジ
○トウショウナイト
▲ウオッカ
△ドリームパスポート
×アドマイヤオーラ
×ダークメッセージ
【見解】
 京都の最終週。毎年のことではあるが、馬場状態はかなり悪い。パワーを要求される馬場だけに力を出し切れないタイプもいるだろう。
 本命は充実著しいアドマイヤフジ。前走の中山金杯1着は、課題の発馬を決めると、少し気合いを付けて外めの4番手に取り付く。人馬一体となり、折り合いもスムーズ。3角から除々に手綱を動かして気合いを付け、4角で一気にスパート。直線入り口でメイショウレガーロの半馬身手前まで迫ると、坂上で左手前に替えグイともうひと踏ん張り。スローペースで流れに乗れたとはいえ、正攻法の強い競馬だった。前々走の鳴尾記念3着は、久々だが、好仕上がりだった。13番枠から行きがつかず後方からの競馬。この距離は忙しく、道中の追走にあまり余裕がない。4角から直線にかけて狙っていた進路はあったものの、口向きが悪く、モタれて走っていたために突っ込めず。仕掛けてからの反応は今ひとつだったが、坂上で狭いところをグンと加速して割ってきた。それでも、モタれて走っていた。この中間も坂路でシャープな動きでデキの良さを伺わせる。相手は強化されるものの、有力どころは皆、後ろからのタイプで、折り合いに不安があるだけに無理に動けない。前々で競馬できるアドバンテージは想像以上に大きい。馬力タイプで、今の京都の力の要る馬場も歓迎材料だ。

  トウショナイトがようやく復調してきた。前走のAJCC2着は、中団から脚をタメ3角でドリームパスポートに被せに行く競馬。4角での手応えは良くなかったし、直線の坂上では手綱を引っ張る大きな不利が。万事休したかと思われたが、立て直して渋太く伸びた。スムーズなら際どかった。昨夏に馬インフルエンザに感染し、その後遺症で不調に陥っていた。馬体が絞れた前走が本調子。今週の南Pでの追い切りも弾んでいた。決め手勝負になると辛いが、今の京都の力の要る馬場は歓迎。極端なスローペースにならなければ。

 ウオッカがここから始動する。この中間から普段の調教で坂路を2本乗られるなどして工夫。今週の坂路での追い切りを見る限りは、万全の態勢といっていい。3㌔増の56㌔と、右回りで荒れた馬場。条件は決して楽ではないが、牝馬64年ぶりのダービー馬の底力を信頼。

 ドリームパスポートのAJCC5着は、3角で接触して掛かったこともあるが、直線のフラつきを見る限りは太め残りが大きく影響している。転厩緒戦と厳寒期が重なって調整が難しかった。長距離輸送で馬体が絞れていることが絶対条件。後ろから行く。

 アドマイヤオーラの前走・京都金杯2着は、ノーステッキで真っ直ぐ走れたのは良かったが、肝心の伸び脚がもうひとつだった。ステッキが入るとフラつく癖は治っていない。距離延長で折り合いに不安を残すだけに、終い勝負に徹する。決め手は互角。

 ダークメッセージは叩かれつつ確実にデキは上向いている。大きなフットワークだけに綺麗な長距離戦が理想だろうが、手前さえ替えれば前走でももっとやれていた。



東京11R クイーンC(GⅢ)
◎リトルアマポーラ
○カレイジャスミン
▲マルターズオリジン
△ライムキャンディ
×マイネウインク
×エフティマイア
【見解】
 桜花賞候補リトルアマポーラがビシッと決める。前走の京成杯4着は、テンこそ少し行きたがっていたが、2角から好位で流れに乗る。3角でペースアップした際には、手綱が動き手応えが悪い。しかも、4角では前が詰まり気味になり、直線入り口ではゴチャついて鞍上が立ち上がるほど。結局、坂下で外めに持ち出して追うも、エンジンが掛かったところがゴールだった。完全に脚を余した。府中の長い直線なら2走前の決め手が存分に発揮できる。トモの蹴りが半端なく強い。

 カレイジャスミン の阪神JF7着は、3角で他馬と接触して掛かったし、直線で早め先頭に出る誤算が。先行馬に厳しい流れでもあったし、見せ場を作ったことを考えれば評価できる内容だった。まだ、トモに緩さがある感じで追ってから頼りない。トモに力が付けば相当出世しそうな器。


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京都記念(GⅡ)調教診断

2008-02-22 14:57:20 | 調教診断
京都記念調教ベスト5(ドリームパスポート、シルクフェイマスは除く)
1.アドマイヤオーラ
2.ウオッカ
3.アドマイヤフジ
4.ダークメッセージ
5.トウショウナイト

【アイポッパー】○ 仕上がった
DWで単走。いつものように終い重点。追い出されてからフワッとしたが、脚捌き自体はシャープ。10ヶ月ぶりの実践でも力を発揮できる仕上がりか。

アドマイヤオーラ】◎ 反応抜群
DWで3頭併せの真ん中。例によってラスト1Fから追われる。ゴーサインに対してグンと重心を沈め、シャープな脚捌きで抜群の反応。終い重点だけに過大評価は禁物だが、前走以上の反応でデキは確実に上向いている。

【アドマイヤフジ】◎ 柔らかい身のこなし
坂路で単走。キビキビとした脚捌きで柔らかに身のこなし。最後まで余裕を残した手応えでフィニッシュ。半マイル51秒8-12秒5。今が充実期。

【ヴィータローザ】△
ジョッキー騎乗で坂路を2頭併せ。前捌きが硬く推進力は今ひとつ。動きも緩慢に映った。久々でもあり、仕上がり一息。

ウオッカ】◎ 抜群の脚力
この中間は普段の調教から坂路を2本乗られるようになった。最終追い切りは、四位騎手を背に坂路を単走で。終始、抑えるのに苦労するほどの行きっぷり。完歩の大きいフットワークのため、見た目のスピード感は今ひとつだが、それでいてラスト1F推定12秒4。走る馬に見られる現象だ。文句なしの脚力。久々でも態勢整った。

【エーティーボス】○ 良い動き
坂路で単走。脚が高く上がっていたし、ゴール前で他馬が邪魔になって外へ切れ込んだものの、最後まで力強いフットワークで駆け抜けた。良い動き。

【サンバレンティン】○ 好調
坂路でサッと流す。頭が高く、口向きも悪いが、メリハリのあるフットワークで見た目以上の時計。好調だ。

【センカク】○ 手応え見劣る
南Pで2頭併せの外を5ハロンから追走。ゴール前で僅かに先着したものの、手応えで見劣った。まだ太いか。

【ダークメッセージ】◎ 態勢万全
DWで単走。直線で鞍上のゴーサインに対してキッチリ左手前に替える。四肢を気持ちよく伸ばした雄大なフットワークで、首も上手く使えていた。動きは前走以上だ。2週続けてビッシリ追われ、態勢は万全だ。

【タイキマドレーヌ】△ 動き緩慢
ペリエ騎手を背に坂路で単走。元々攻め駆けしないタイプだが、それにしてもシャープさに欠ける感じで緩慢に映った。

【トウカイエリート】○ 不器用だが
池添騎手を背にCWで単走を6ハロンから。相変わらず大きなストライド。ラスト1Fで左手前に替えてから内へモタれ、それを矯正しているうちに右手前に。相変わらず不器用さが目立つが、全身を使った柔らかい身のこなしは迫力がある。

【トウカイトリック】○ 好調キープ
幸騎手を背に坂路で単走。回転の速いキビキビとしたフットワークで、半マイル52秒6-12秒9。いつもどおりの動きで好調キープだ。

【トウショウナイト】○ 完全復調
武士沢騎手を背に南Pで単走を6ハロンから。ゴール前で少し気合いを付けられた程度だったが、首を水平に使い弾むようなフットワークで前向きさを感じさせた。完全復調だ。

【フサイチホウオー】○ 迫力の併せ馬
ジョッキー騎乗で坂路をフサイチリシャールと2頭併せ。ゴール前で馬体をぶつける迫力の併せ馬。ゴール前は筒一杯だったが、最後まで踏ん張ったのは評価できる。動きは決して悪くないが…

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フェブラリーS(GI)調教診断

2008-02-21 22:30:35 | 調教診断
ブルーコンコルド8歳と思えない動き

【アンパサンド】△ フットワーク硬い
川崎の本馬場で単走を5ハロンから。直線でビシビシとステッキが入ると、右手前に替える。だが、前走同様に前捌きが硬い。そのために完歩が小さく迫力を感じない。

【ヴァーミリアン】○ 態勢整う
最終追いは坂路で単走。直線で僚馬が邪魔になり、進路を切り替えるアクシデントはあったものの、ラスト1Fで右ステッキが入ると渋太く伸びた。脚は高く上がっていたし満足のいく内容。時計の出る馬場とはいえ、攻め駆けしないタイプが半マイル52秒1-13秒6。右飛節炎で川崎記念を自重。その後は6日、11日(2本)に坂路、13日、17日にはコースで大きめを乗られ、14日と20日に坂路でビッシリやられてきた。厳寒期だけに順調さを欠いたハンデは想像以上に大きい。太め残りには注意したい。

【ヴィクトリー】△ 動き案外
DWで2頭併せの外を6ハロンから追走。ラスト1Fでビッシリ追われるも、重心が高くモッサリとした動き。逆手前のままだった。追走していたとはいえ、馬なりの併走馬に煽られた。いかにも不満で、昨秋のシャープな脚捌きまで至っていない。太めが残っているか。2月5日に帰厩。Gウッドで乗り込まれていたとはいえ、急仕上げは否めない。

【クワイエットデイ】○ 意欲的
角田騎手を背にCWで単走を6ハロンから。首を水平に使い、四肢を目一杯伸ばした柔らかいストライド。豪快な前捌きに比べると、トモの送りは甘い。この馬なりに順調に来ている。1週前にDWで長めをビッシリ追われ、この中間も意欲的。

【デアリングハート】○ 行きっぷりよし
最終追いはBで単走。3,4角は抑えるのに苦労するほどの行きっぷり。ラスト1Fで追われると、逆手前のままシャープな脚捌きで余力を残してフィニッシュ。機敏だった。一戦毎に馬体が減り続け、1ヶ月以上実践から遠ざかっていながらコースで時計を出したのは16日と20日だけ。この中間は馬体回復を念頭に置かれて調整された。当日、プラス体重で出走できれば。

【ドラゴンファイヤー】○ ひと叩きして上昇
南Pで3頭併せの外を5ハロンから追走。直線で少し内へモタれるのを矯正されながらだったが、グンと重心を沈めて迫力のアクション。1週前にも絶好の動きを見せ、ひと叩きされて確実に上積みを望める。

【ノボトゥルー】○ 順調
坂路で単走。ワンペースの走りでメリハリは感じられなかったし、最後は脚が上がっていた。ただ、12歳馬ということを考えれば凄い。この馬なりに順調。

【ビッググラス】△ 動きモッサリ
大井の本馬場でフジノウェーブと併せ馬。ゴール前は筒一杯で完全に突き放された。モッサリとした動きで強調材料が見当たらない。前走で他馬と接触した際に外傷を負った。

【フィールドルージュ】○ 順調
坂路で単走。時計の出る馬場状態で半マイル53秒7-13秒1はいかにも物足りないが、攻め駆けしないタイプ。前脚を高く突き上げていたし、時計以上にシャープさを感じた。中2週で2本時計を出していれば言うことなし。

【フジノウェーブ】○ 不気味
大井の本馬場でビッググラスと併せ馬。ハミを取る集中力を見せ、掻き込みのフットワークで併走馬を突き放した。脚も高く突き上げ、まだまだ余力は残っていた。不気味。

ブルーコンコルド】◎ 動き絶好
幸騎手を背にDWで単走を5ハロンから。500㌔を越す雄大な馬体から繰り出す四肢を目一杯に使ったダイナミックなアクション。グンと重心を沈め、集中力を感じさせる絶好の動き。1週前同様、ゴール後も伸ばされた。いつもは坂路追いだが、この中間は2週連続してコースでやられてきた。いつもと違うパターンの攻め馬は逆効果になることが多いが、そこは歴戦の8歳馬。動じることはないし、良い意味で気分転換になったはず。衰えは皆無。

【メイショウトウコン】○ 順調
坂路で単走。時計こそ半マイル54秒2-13秒4と平凡だが、元々は攻め駆けしないタイプ。シャープな脚捌きだったし、毛ヅヤの良さが目立った。中3週で順調に乗り込まれているのは何より。長距離輸送で馬体が絞れれば。

【メイショウバトラー】○ 元気一杯
ジョッキー騎乗で坂路を単走。8歳馬だが、抑えるのに苦労するほどの行きっぷりで元気一杯。ワンペースの走りで切れは感じなかったが、半マイル51秒0-13秒2なら良い。苦手の冬場なりに良いデキ。

【リミットレスビッド】○ 脚捌きシャープ
坂路で単走。いつものように首を左へグイッと曲げる癖を見せるが、追われると真っ直ぐ走った。脚捌きはシャープだし、トモの送りも十分。時計は平凡もこの馬なりに良い動き。

【ロングプライド】○ サッと流す
ペリエ騎手を背にBで単走。終いをサッと流されると、四肢を気持ちよく伸ばしたストライドで、上手く首も使えていた。だが、スパッと切れる印象はなかった。

ワイルドワンダー】◎ 豪快
坂路で単走。全くの馬なりだが、ハミをグッと噛み抜群の行きっぷり。パワフルなフットワークでグングン加速。凄い伸び脚だった。調教の動きとしては文句なし。休み明けで8㌔減だった前走を勝ったことで反動が出たそうだが、この動きなら疲れの心配は皆無。ただ、実践に行ってもハミに頼りすぎる面があり、それが力みに繋がっている。この日の追い切りでもそれが伺えた。それが最後の案外な伸び脚に繋がっている。

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フェブラリーS(GI)展望

2008-02-20 14:51:49 | Weblog
ヴァーミリアン】 〝世界を狙う王者の走り〟
飛節炎のため予定していた川崎記念を自重。暮れの東京大賞典以来の実践となる。その前走は不良馬場の平均ペースの流れを、四肢を気持ちよく伸ばし余裕十分の手応えで好位の外め追走。終始、前のフリオーソを射程圏内に入れながら。3角から除々に気合いを付けながら仕掛けを開始。先に動いたフリオーソに4角で馬体を併せ、直線半ばで脚力の違いを見せ付け抜き去り、グングン加速。最後まで脚色鈍ることなく圧勝した。前々走のジャパンCダート1着は、エイシンロンバートが作る縦長の淀みない流れを中団追走。終始、抜群の手応えで鞍上と一体となって追走。3角で自らハミを取るやる気を見せ、満を持して進出を開始させる4角で大外に回すも、ロスのない誘導。直線の残り300㍍地点で左ステッキが入り、一完歩毎にグングン加速。最後まで脚色乱れることなく着差以上の内容で圧勝した。3走前のJBCクラシック1着は、JBCクラシック1着は、好発から引っ張り切りの手応えで好位の中を追走。終始、折り合いもスムーズで鞍上と一体となる。三分三厘で他馬が手綱を押して仕掛けるなか、武豊の手綱は全く動かない。それで位置取りを少し後ろに下げたが、4角から直線入り口にかけて内側にできた僅かな隙間を突く。鞍上のゴーサインに対してグイッと反応。抜群の脚力でグングン突き抜けた。蹄の病で万全の状態には程遠いなかでの圧勝。恐れ入った。2年前のこのレースではマイルの速い流れに戸惑い、脚をタメられずに惨敗している。今回も流れに対応できるかがポイントに。当時から劇的に力を付けているのは確かだが、ゆったり追走したいクチであるのも確か。死角はある。中途半端に前へ行くより、差しに徹するほうが良い。鞍上も心得ている。攻め駆けしないタイプで調子は掴みづらいが、調教量には注意。1週前の動きは上々。ブックのフォトパドックにてJCダート時と今回を見比べてみると、アバラがうっすら浮いた前者に対し、後者はトモはどっしりしていても腹や腰回りに明らかな太め残りの跡が…。厳寒期に順調さを欠いたハンデは想像以上に重いのかも。底力、実績は断然の存在!

フィールドルージュ】 〝初タイトル手にリベンジへ〟
前走の川崎記念1着で悲願のGI制覇。ヴァーミリアン、サンライズバッカスといった強豪の回避で、相手はフリオーソ一頭だけ。1番枠からテンは手綱を押して前へ。決して行きっぷり自体は良くないが、追い込み脚質のこの馬にとっては積極策。一周目の4角では、フリオーソの1馬身半の、3番手のインをガッチリキープ。スタンド前で極端に流れが落ち着き、抑えるのに苦労する感じ。向こう正面でオーソが動き出す。自身も手綱を押して付いて行こうとするも、ズブさを見せる。3,4角で馬体を併せることができたものの、依然として手応えは悪い。ようやく直線半ばから行き脚がつき、グンとひと伸び。逆手前のまま押し切った。ゴール直後に手前を替えていたように、まだまだ余力を残していた。着差以上の強さだ。前々走の名古屋グランプリ1着は、道中は無理することなく中団からの追走。2周目の向こう正面でロングが先に動く。この馬も手綱を押していくも、やはりズブさを見せる。ようやく4角あたりで行き脚がつき、直線で左手前に替えてグイッと突き放した。3走前のジャパンCダート2着は、縦長のHペース。これを後方よりのポディションから追走。縦長で馬群がバラけたお陰で、向こう正面ではインがガラッと開く。そこをスイスイと通って進出。4角では先頭から0秒7差まで詰める。手応えも十分のまま直線を向き、馬場の内めの狭いところを割って伸びる。直線半ばでは単独先頭に踊り出る。最後は勝ち馬の底力に屈したものの、レコード決着で力を出し切っている。府中は勝ち星こそないものの、ズブさがある同馬にとっては間違いなくベストコース。前走も直線がもっとあれば突き放していた。ここ3走は、2100、2500、2100㍍を使われている。ただでさえズブいのに、マイルへの距離短縮で道中の追走や勝負どころでの反応が悪化する可能性がある。内枠を引いて馬込みに包まれると苦しいだろう。

ドラゴンファイヤー】 〝若さで強豪撃破〟
前走の平安S9着は発馬で行き脚つかず手綱を押しても前に進まず後方からの競馬。前のメイショウトウコンを見ながらの競馬。3角でトウコンが進出を開始するも、この馬はズブさを見せて置かれてしまう。4角では3馬身ほど水を明けられ、直線を大外へ持ち出さざるを得ず。直線入り口では内へモタれて立て直すロスもあった。減速した影響もあっただろうが、ゴール前は完全に脚が止まっていた。不満。前々走のジャパンCダート6着は煽り気味の発馬で後方から。前のヴァーミリアンをマークする形。3角で連れて動きを開始させるも、ズブさを見せて手応えで圧倒される。直線を向き、バテてはいないものの、ジリ脚。レコード決着の流れで力差が出た。東京マイルは3戦2勝だが、近走の内容を見る限りはズブくて時計の掛かる馬場でこそ。マイル向きではない。いかにもパワータイプ。ひと叩きされて1週前の動きは絶好。上積みは相当望める。

ワイルドワンダー】 〝得意舞台で末脚炸裂〟
前走の根岸S1着は、発馬で行き脚が今ひとつで半馬身ほどの出負け。だが、4番枠からバックストレッチで前がパカッと開き、後方で閉じ込められることなく三分三厘では先頭からコンマ8秒差まで迫る。抑え切れないくらいの行きっぷり。道中をロスなく回り、直線も内から馬3頭分のところを突く。慌てることなくジョッキーがゴーグルを変える余裕ぶり。残り1ハロン地点手前からスパートを開始させるも、前が詰まって右手綱を引いて立て直す。この時に右手前から左手前に替えて一旦は減速。すぐさま右手前に替えてエンジンが掛かる。スパッとは切れなかったが、ジワジワ詰め寄り差し切った。久々で貫禄勝ち。休養前のジャパンCダート5着は、発馬でそれほど行き脚がつかず。少し気合いを付けて後方のインに潜り込む。だが、縦長の速い流れになったために2角から前がパカッと開き、ハミにモタれて力みながら一気に離れた4番手までポディションを上げる。このために3,4角で他馬がスパートを開始させるなかで、ただ一頭手綱を抑えて懸命に脚をタメる。直線でもインを突き、坂上で一瞬は先頭に踊り出るも脚が上がってしまった。3走前の武蔵野S2着や前走を見ると、手応えほど伸び切れない面がある。ハミにモタれる面があるのが影響している のかも。出負け癖があるので馬群がギュッと凝縮した時に前が壁にならないといいが。

クワイエットデイ】 〝自在性の強み生かし〟
前走の平安S1着は、4番枠から手綱を押して好位のインへ。終始、スムーズな追走で経済コースを立ち回る。直線でロスなく馬場の3分どころへ誘導すると、ジワジワ伸びて僅かに先着した。先行馬有利の流れを好位のインでぴったりと回り、直線もスムーズに出せた。これ以上ない完璧な競馬だった。今回は初のマイル戦になるし、相手も強化される。


メイショウトウコン】 〝流れを味方につける〟
前走の平安S2着は道中、例によって後方に控える。落ち着いた流れで3角からは4着馬に競られ、動かざるを得ず。しかし、4角手前からの反応が悪く、右ステッキが一発入って被される。並みの馬なら馬群に沈んでおかしくないケースだが、直線で狭いところを力強い脚力で伸びる。勝ち馬には僅かに及ばなかったものの、58㌔を背負い底力を見せ付けた。前々走の東京大賞典3着は、縦長の緩みない流れを後方の外め追走。コーナーでの口向きの悪さが目立った。かなり馬群の外めを通り、ロスの多い競馬。加えて3角から大外を捲って勝ち馬に競りかける。4角では加速力の違いで突き放され、直線は3着を死守するのが精一杯だった。圧巻だったのは4走前の札幌のエルムS。フサイチパンドラの作るスローペースを後方3番手から追走。3角で大外からジワッと詰め寄り、4角手前で一気に捲る。直線入り口で楽々先頭に並びかけると、直線でグングン加速。後続を一気に突き放した。早めに動きながらラスト1Fを11秒8でまとめる脚力は凄まじかった。2000㍍以上でもそれなりに善戦してきたが、武器である切れる脚を生かすにはマイルあたりがベストなのは間違いない。昨年のこのレースは惨敗しているが、430㌔台の小柄な馬体で、精神的にも不安定で初の東京遠征でイレ込んだ。今は関東圏での競馬でも馬体減りしなくなったし、460㌔前後まで成長した。充実度が違う。手薄なメンバーのここなら一気の戴冠がある。

ブルーコンコルド】 〝マイルで古豪復活へ〟
前走の東京大賞典5着は、2番枠からテンに好位を伺うも、行きたがって折り合いに四苦八苦。向こう正面は少しポディションを下げて懸命になだめる。しかし、ペースの上がる勝負どころでのズブさは相変わらずで、置かれてしまう。直線入り口では加速力の差でかなりの差があったが、直線で渋太く伸びた。前々走のジャパンCダート7着も積極策が裏目に出てハイペースに巻き込まれた。それでも、大崩れしなかったあたりが底力。中距離もこなせないことはないが、折り合いに難があって競馬がしづらい。その点、マイルは交流GI4勝をしていて、昨年のこのレースも2着。3,4角で内へモタれ、従来のズブさをも加わって前に進まない。直線入り口では絶望的な位置にいたが、残り2ハロンから怒涛の追い込みを見せ、グイグイと加速。最後は勝ち馬を凌ぐ脚色だった。ズブさはあるが、直線の長い府中ならそれをカバーできる決め手を持っている。近走は先行しての競馬が目立つが、本来は後ろから行ってこそ。8歳馬でも衰えはない。

ヴィクトリー】 〝マイルで替わるスピード性能〟
ダートで新境地を開こうとしている。掛かり癖は相変わらずで、菊花賞ではモロに掛かり前走のジャパンCでも力んでいた。中距離以上では力を出し切れない。出負け癖もあり、それでテンに仕掛けて前に行くために余計そうなっている。今回は関東の後藤をヤネに迎え、積極策が予想される。芝スタートで行き脚がつけばハナへ行けるだろか。コロンとした体型からワンペースの走りをするタイプ。ダートは合うかも。マイルへの距離延長はプラスだろうが、気難しさを出せば楽ではない。追い不足。

ロングプライド】 〝若さで一戦毎に台頭〟
前走の平安S4着は、発馬で行き脚つかず最後方からの競馬。前のメイショウトウコンをマークする形。3角から大外を通って競りかけていき、4角で被せる。自身も緩い流れで外々を通らされる苦しい形だったが、直線も大きくバテることなく差してきた。及第点。雨の高速馬場だと極端に末脚が鈍り、パサパサのダートでこそのタイプ。それでも、上位陣とは決め手に差がある。定量の57㌔になり、ペリエの腕が加わってどこまで。

メイショウバトラー】 〝スピード生かし〟
明け8歳馬。暖かい季節に良績が集中。冬場は良くない。前走の根岸S6着は、テンに掛かり、3角でバッチン食らった。ワンペースで中央場所では決め手不足。スピードを生かしてどこまで。ハナを切れれば。

アンパサンド】 〝能力高い〟
前走の川崎記念4着は、テンに追っつけて前へ。逃げるフリオーソを徹底マークする積極的な競馬。だが、ペースの上がった3角で付いていけず3番手まで後退。直線もバテる一方で3着馬に交わされた。フットワークに硬さが目立っていたし、ペースを考えてもあれだけ負けるのは久々を叩いた反動があったのか。休み明けで22㌔増えていた前々走から2㌔しか減っておらず太目残りでもあった。休養前の東京ダービーでは、正攻法の競馬から直線でフリオーソに迫られながらも押し切る強い競馬だった。昨年7月のジャパンDD2着後に骨片の除去手術を行ったが、聞けば東京ダービー優勝時から骨片を気にして歩様がスムーズではなかったそうだ。それでフリオーソと好勝負を演じるのだから能力の高さは疑いようがない。血統的にはマイル向き。叩き3走目で馬体が絞れれば。調教でフットワークに注意したい。

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きさらぎ賞(GⅢ)回顧

2008-02-20 14:42:53 | 回顧
【馬場】天候:晴、芝:良。

12.8 - 11.0 - 12.3 - 12.5 - 12.2 - 12.1 - 12.1 - 11.8 - 12.0=1:48.8

【展開】メジロガストンがハナ。番手馬が手綱をガッチリ抑えて控えたし、有力どころに差しタイプが多く、前のレッツゴーも折り合いに専念。緩い流れで直線の追い比べ。馬場を考えれば外目に持ち出した馬有利。時計平凡。

 ペリエの渾身の右ステッキ。それに応えてレインボーペガサスが一気に差し切り勝ちを収めた。15番枠から道中は中団の外め。だが、口を割って行きたがり、折り合いを欠く。何とか前に馬を置いてなだめられる。終始、馬場のマシな外めを通る。3角の上り坂でも押さえるのに苦労するほどの行きっぷり。下り坂を慎重に下り、4角で2着馬が動いたのに連れて進出開始。直線で馬場の大外へ持ち出し、右ステッキが数発。始めは反応が鈍かったが、ラスト1F地点からようやくエンジンが掛かる。そこからは渋太く伸びた。勝ち時計へ平凡も馬場の影響もある。反応が鈍い面があり、時計勝負は辛いそう。リングハミ着用。

 スマイルジャックは12番枠からスッと好位の外めに取り付くも、持って行かれるような感じ。十分に脚をタメられているとは言えない。3角の下り坂でガツンとハミを取ってしまい、一気に進出。直線で早めに先頭へ立つ形となり、ラスト150㍍付近で勝ち馬に並ばれる。アッサリ交わされてもおかしくなかったが、そこから粘りを見せ、3着馬には差されなかった。ハミにモタれる若さがあり、距離延長は有利とはいえない。エッグハミ着用。

 ヤマニンキングリーは16㌔増でフックラ。もう少しトモに力が付いてほしい。テンは中団馬群のなかからの追走。向こう正面で手綱を引っ張る不利があり、後退。その後は後方で折り合いに専念する形。4角で勝ち馬を目標に馬場の良い大外へ持ち出す。そこからジワジワと伸び、ラスト1F付近では差し切ろうかの勢い。だが、ゴール前で脚色が鈍り2着馬も差せなかった。テンに折り合いを欠いたのもあるが、追われてから頭が高い。決め手勝負では分が悪いのかも。

 レッツゴーキリシマは11番枠からスッと先行策。スピードの違いで3番手に取り付くも、口を割って頭を上げてモロに掛かる。向こう正面はずっとこんな感じで相当なスタミナをロス。3角の下り坂でも鞍上との呼吸が取れない。4角で手応えは良くなかったが、直線で2着馬と馬体を併せる形で伸びる。ラスト300㍍付近で右手前に替え、もうひと踏ん張り。苦しいながらも大崩れしなかったのは評価できる。折り合い次第では1800㍍は克服可能。馬群を苦にしないだけに、内枠がほしい。

 ダイシンプランは良化途上。例によって後方に控える形。向こう正面は良かったが、3角で手綱が動き始め、4角では左ステッキが入るほど手応えが悪い。直線入り口で手綱が激しく動くと、直線半ばでは左ステッキに反応して内へモタれる。ラスト1F地点から重心を沈めて伸びようとするも、ガツンと来るものがなかった。本来はもっと切れるタイプ。走る方向に気が向いていないのだろう。良化待ち。

 アルカザンは道中、中団馬群の中からの追走だったが、フワフワして集中力を欠く。ペースの上がった4角ではズブさを見せて手綱のアクションに余裕がない。こうなると進路が限定されてしまう。スローなら尚更。仕方なく、直線は馬場の真ん中に出し、頭の高い走法でジリジリ伸びるも勝ち負けには加われず。外へ持ち出したかっただけにズブさが余計に応えた。叩いて変わり身に期待。

 ブラックシェルはプラス10㌔。厳寒期ということもあり、腹回りに余裕があったのは確か。レース前からテンションが高く、レースでも出負け。2番枠から馬場のいい外めに進路を切り替える。4角で狙っていた進路(ヤマニンとダイシンの間)を塞がれ、一旦手綱を引っ張るシーン。減速して直線は超大外へ。直線で右ステッキが入ると、外へ膨らんでしまう。追ってからはジリ脚だった。前脚のフットワークが小さく、馬体ほどフットワークに迫力を感じない。