13.0 - 11.7 - 12.4 - 12.5 - 12.2 - 12.3 - 12.5 - 11.9 - 11.2 - 11.0 - 11.5 - 12.0=2:24.2
(61秒8-24秒8-57秒6)
1年前の悔しさを同じ舞台で見事に晴らした。女王ブエナビスタが得意の舞台で復活の勝利を挙げた。この中間は大幅に攻めを強化。この日は長距離輸送を挟みながら2㌔増。下見どころでは例によって落ち着きを見せ、馬体もふっくらと見せていた。レースでは2番枠からスーッと馬任せで中団の前めを進む。終始、インの経済コースを完璧な追走姿で立ち回る。3角でレースの流れは緩み、ここで馬群は凝縮しかける。だが、外からウインバリアシオンが捲って先頭に並びかけたことでレースは一気にペースアップする。それでも、ブエナは慌てない。ポディションを少し落としてまで末脚をタメる落ち着いたレース運び。前走は4角でズブさを見せたが、この日は機敏な反応を見せる。直線入口で狙っていた進路は2着馬に締められたが、坂上で右手綱を引いて馬場の3分どころに持ち出す。そこから力強いフットワークで末脚を伸ばす。残り100㍍手前から2着馬に馬体を併せ楽に差し切るかに思えたが、そこで手前を替えてしまう。最後は脚色が一緒になってしまったが、粘りに粘って差し切った。インをロスなく立ち回り、岩田の騎乗も落ち着いていたし、ひと叩きしたことで勝負どころの反応も機敏になっていた。強い競馬だった。
大外16番枠に入ったトーセンジョーダンは、ウィリアムズが内の出方を見ながら少し気合いを付けながらスーッと先団へ。大きなフットワークで、仕掛けたことでスイッチも入ることなく1角でスッと2番手に取り付く。緩い流れにもかかわらず2角では馬群は縦長に広がる。横一線の瞬発力勝負だけは避けたかっただけに、ウィリアムズの狙いどおり。3角で更に流れが緩んだことで馬群は凝縮しかけたが、ウインバリアシオンが一気に捲ったことでレースは一気にペースアップする。緩急ある流れに戸惑いを見せ、4角ではズブさを見せる。直線入口でも決して手応えは良くはなく、鞍上が懸命にステッキを入れて手綱を動かす。大きなフットワークで一完歩毎にジワジワと伸びる。残り300㍍から単独先頭に躍り出るも、すぐに外からブエナビスタに馬体を併せられる。切れ味では分が悪いだけに万事休したかと思われたが、馬体を併せてから抜群の勝負根性で粘りに粘る。ゴール前で僅かに屈したが、素晴らしい勝負根性だった。瞬発力勝負を避ける意味でスッと先行したウィリアムズの手綱捌きは見事だったし、ジョーダン自身も長くいい脚を使って持ち味を発揮した。3角から一気にペースアップする厳しい競馬でも最後まで粘ったように、底力に溢れた素晴らしい走りだった。天皇賞制覇はフロックではなかったし、逆に距離が伸びたことでレース運びが楽になった。
3着には最内枠のジャガーメイルが入った。休み明けを2度叩き、最終追い切りでは南Pで豪快な動きを披露。仕上りは良かった。レースでは最内枠発走からスッと中団へ。前走は激流の2000㍍で追走に骨を折ったが、400㍍の距離延長とスローペースで道中は手綱を持ったままで脚をタメる。3角からウインバリアシオンが一気に動いたことでレースの流れは速くなるが、四位は慌てずじっくりと運び、4角では後方までポディションを落とす。4角で手綱をしごいてスパートし、直線もインぴったりを立ち回ってコーナーワークで坂上では一気に先頭から3馬身差のところまで詰める。少し待たされるところはあったが、坂を上り切ってからは一完歩毎にジリジリと伸びる。スパッとは切れなかったが、長くいい脚を使って追い込んだ。ロスなく立ち回った恩恵は想像以上に大きかったし、4角の判断も良かった。
4着のトレイルブレイザーはスッと3番手のインに取り付く。終始、インの経済コースを立ち回るロスのない競馬。道中の折り合いもスムーズで3角からウインバリアシオンが動いた時も無理に追いかけない。直線もインを突き、少し待たされるところはあったが、前が開いてからは伸びずバテずといった感じで4着に入線した。スパッとは切れないが、首を水平に使った重心の低い走りでバテないスタミナはある。本来は4角で早めに動いて粘り込みを図りたかった。
ウインバリアシオンは下見どころで例によって落ち着き十分の周回。12番枠から例によって手綱をがっちりと抑えて後方に控える。折り合いが付き、外めを通りながら脚をタメる。3角で流れは緩み、馬群がギュッと凝縮したところで外めを通って一気に捲る。残り900㍍付近から先頭に並びかけると、4角から11秒2-11秒0と一気にレースのピッチは上がる。坂上で逃げ馬を突き放して単独先頭に躍り出たが、最後はさすがに脚が上がってしまった。3角から一気の脚を使い、さらに4角からは11秒2-11秒0-11秒6(推定33秒8)の脚を使っている。それでいてラスト1ハロンも大きくバテずに粘ったのだから強いのひと言。長く脚を使っている。安藤勝としては強豪馬相手に何か仕掛けなければと思ったのだろうが、普通に走っていたら勝ち負けになっていた。勿体ない。
エイシンフラッシュは15番枠から馬任せで中団へ。発馬後から池添は手綱をグッと抑えてなだめるが、1角手前では頭を上げてかなり行きたがる。1角ではうまく前に壁を作って後方に控える。道中は鞍上がなだめるのに必死で力みながらの追走。終始、引っ張り切りの手応え。4角でも手応え十分で、直線では馬場の5分どころへ加速しながら持ち出す素晴らしい誘導を見せる。だが、追われてから弾けない。ラスト1ハロンから左手前に替えてしまい、重心も高くなって伸びない。最後は前とも差を広げられ、デインドリームにも差されてしまった。いつも以上に重心が高くフワッとして伸びがなかった。4角までの手応えを考えれば伸びなさすぎだ。道中で必要以上に力んで目に見えないところで体力を消耗したのか?久々の前走を激走したことで目に見えない疲れがあったのか?よく分からない。
ローズキングダムは前走で減った馬体が2㌔戻っていたし、落ち着いていた。レースでも馬任せで中団に取り付き、力むことなく道中は折り合っていた。中団馬群のなかを理想的に追走できたし、直線でブエナビスタとトゥザグローリーに寄られて一瞬怯むところはあったが、それにしても伸びなさすぎた。
トゥザグローリーは6番枠からスーッと馬なりで先団へ。1角で少し行きたがるところを見せたが、許容範囲。その後も前と少し間隔を開けて追走し、収縮のある走りでタメは利いていた。引っ張り切りのいい手応えだったが、3角から外のウインバリアシオンが一気に捲ってきたときに嫌がる素振りを見せた。更にレースは11秒2-11秒0と一気に加速。一瞬の脚を持ち味にするタイプだけに、出し抜けを食らった感は否めない。直線で一瞬は抜ける脚力は示したが、最後は重心が高くなって伸び負けしてしまった。4角手前から流れが速くなったのは誤算だったが、府中の長い直線では力不足の印象も抱いた。
(61秒8-24秒8-57秒6)
1年前の悔しさを同じ舞台で見事に晴らした。女王ブエナビスタが得意の舞台で復活の勝利を挙げた。この中間は大幅に攻めを強化。この日は長距離輸送を挟みながら2㌔増。下見どころでは例によって落ち着きを見せ、馬体もふっくらと見せていた。レースでは2番枠からスーッと馬任せで中団の前めを進む。終始、インの経済コースを完璧な追走姿で立ち回る。3角でレースの流れは緩み、ここで馬群は凝縮しかける。だが、外からウインバリアシオンが捲って先頭に並びかけたことでレースは一気にペースアップする。それでも、ブエナは慌てない。ポディションを少し落としてまで末脚をタメる落ち着いたレース運び。前走は4角でズブさを見せたが、この日は機敏な反応を見せる。直線入口で狙っていた進路は2着馬に締められたが、坂上で右手綱を引いて馬場の3分どころに持ち出す。そこから力強いフットワークで末脚を伸ばす。残り100㍍手前から2着馬に馬体を併せ楽に差し切るかに思えたが、そこで手前を替えてしまう。最後は脚色が一緒になってしまったが、粘りに粘って差し切った。インをロスなく立ち回り、岩田の騎乗も落ち着いていたし、ひと叩きしたことで勝負どころの反応も機敏になっていた。強い競馬だった。
大外16番枠に入ったトーセンジョーダンは、ウィリアムズが内の出方を見ながら少し気合いを付けながらスーッと先団へ。大きなフットワークで、仕掛けたことでスイッチも入ることなく1角でスッと2番手に取り付く。緩い流れにもかかわらず2角では馬群は縦長に広がる。横一線の瞬発力勝負だけは避けたかっただけに、ウィリアムズの狙いどおり。3角で更に流れが緩んだことで馬群は凝縮しかけたが、ウインバリアシオンが一気に捲ったことでレースは一気にペースアップする。緩急ある流れに戸惑いを見せ、4角ではズブさを見せる。直線入口でも決して手応えは良くはなく、鞍上が懸命にステッキを入れて手綱を動かす。大きなフットワークで一完歩毎にジワジワと伸びる。残り300㍍から単独先頭に躍り出るも、すぐに外からブエナビスタに馬体を併せられる。切れ味では分が悪いだけに万事休したかと思われたが、馬体を併せてから抜群の勝負根性で粘りに粘る。ゴール前で僅かに屈したが、素晴らしい勝負根性だった。瞬発力勝負を避ける意味でスッと先行したウィリアムズの手綱捌きは見事だったし、ジョーダン自身も長くいい脚を使って持ち味を発揮した。3角から一気にペースアップする厳しい競馬でも最後まで粘ったように、底力に溢れた素晴らしい走りだった。天皇賞制覇はフロックではなかったし、逆に距離が伸びたことでレース運びが楽になった。
3着には最内枠のジャガーメイルが入った。休み明けを2度叩き、最終追い切りでは南Pで豪快な動きを披露。仕上りは良かった。レースでは最内枠発走からスッと中団へ。前走は激流の2000㍍で追走に骨を折ったが、400㍍の距離延長とスローペースで道中は手綱を持ったままで脚をタメる。3角からウインバリアシオンが一気に動いたことでレースの流れは速くなるが、四位は慌てずじっくりと運び、4角では後方までポディションを落とす。4角で手綱をしごいてスパートし、直線もインぴったりを立ち回ってコーナーワークで坂上では一気に先頭から3馬身差のところまで詰める。少し待たされるところはあったが、坂を上り切ってからは一完歩毎にジリジリと伸びる。スパッとは切れなかったが、長くいい脚を使って追い込んだ。ロスなく立ち回った恩恵は想像以上に大きかったし、4角の判断も良かった。
4着のトレイルブレイザーはスッと3番手のインに取り付く。終始、インの経済コースを立ち回るロスのない競馬。道中の折り合いもスムーズで3角からウインバリアシオンが動いた時も無理に追いかけない。直線もインを突き、少し待たされるところはあったが、前が開いてからは伸びずバテずといった感じで4着に入線した。スパッとは切れないが、首を水平に使った重心の低い走りでバテないスタミナはある。本来は4角で早めに動いて粘り込みを図りたかった。
ウインバリアシオンは下見どころで例によって落ち着き十分の周回。12番枠から例によって手綱をがっちりと抑えて後方に控える。折り合いが付き、外めを通りながら脚をタメる。3角で流れは緩み、馬群がギュッと凝縮したところで外めを通って一気に捲る。残り900㍍付近から先頭に並びかけると、4角から11秒2-11秒0と一気にレースのピッチは上がる。坂上で逃げ馬を突き放して単独先頭に躍り出たが、最後はさすがに脚が上がってしまった。3角から一気の脚を使い、さらに4角からは11秒2-11秒0-11秒6(推定33秒8)の脚を使っている。それでいてラスト1ハロンも大きくバテずに粘ったのだから強いのひと言。長く脚を使っている。安藤勝としては強豪馬相手に何か仕掛けなければと思ったのだろうが、普通に走っていたら勝ち負けになっていた。勿体ない。
エイシンフラッシュは15番枠から馬任せで中団へ。発馬後から池添は手綱をグッと抑えてなだめるが、1角手前では頭を上げてかなり行きたがる。1角ではうまく前に壁を作って後方に控える。道中は鞍上がなだめるのに必死で力みながらの追走。終始、引っ張り切りの手応え。4角でも手応え十分で、直線では馬場の5分どころへ加速しながら持ち出す素晴らしい誘導を見せる。だが、追われてから弾けない。ラスト1ハロンから左手前に替えてしまい、重心も高くなって伸びない。最後は前とも差を広げられ、デインドリームにも差されてしまった。いつも以上に重心が高くフワッとして伸びがなかった。4角までの手応えを考えれば伸びなさすぎだ。道中で必要以上に力んで目に見えないところで体力を消耗したのか?久々の前走を激走したことで目に見えない疲れがあったのか?よく分からない。
ローズキングダムは前走で減った馬体が2㌔戻っていたし、落ち着いていた。レースでも馬任せで中団に取り付き、力むことなく道中は折り合っていた。中団馬群のなかを理想的に追走できたし、直線でブエナビスタとトゥザグローリーに寄られて一瞬怯むところはあったが、それにしても伸びなさすぎた。
トゥザグローリーは6番枠からスーッと馬なりで先団へ。1角で少し行きたがるところを見せたが、許容範囲。その後も前と少し間隔を開けて追走し、収縮のある走りでタメは利いていた。引っ張り切りのいい手応えだったが、3角から外のウインバリアシオンが一気に捲ってきたときに嫌がる素振りを見せた。更にレースは11秒2-11秒0と一気に加速。一瞬の脚を持ち味にするタイプだけに、出し抜けを食らった感は否めない。直線で一瞬は抜ける脚力は示したが、最後は重心が高くなって伸び負けしてしまった。4角手前から流れが速くなったのは誤算だったが、府中の長い直線では力不足の印象も抱いた。