中央競馬徹底研究!

2022年は客観的な予想を心がけます。

エリザベス女王杯(GI)回顧

2007-11-11 22:24:48 | 回顧
【馬場】Bコース。2開催目の後半で内目の馬場は悪くなっている。

12.7 - 11.1 - 12.4 - 12.1 - 12.3 - 12.6 - 12.8 - 11.8 - 11.1 - 11.4 - 11.6=2:11.9

【展開】ダイワスカーレットが好発を決め、ダッシュ力の違いでハナへ。同型のアサヒが出遅れたこともあり、無理に競り合うことなく1角で12秒4と息を入れる。その後も隊列が決したまま、3角手前から12秒6-12秒8と流れが緩む。残り4Fを切った下り坂でペースアップすると、外からフサイチパンドラが動き、連れてキストゥヘヴン、ディラデラノビアが動く。瞬発力勝負の流れで、前々有利の競馬。

 レース当日の午前8時過ぎ。衝撃的な一報が入った。ダービー馬ウオッカの回避。共に万全の状態で迎え、雌雄を決するはずだったが、残念ながら来年以降に持ち越しとなった。レースを制したのはライバル不在で負けられない立場となったダイワスカーレット。秋3戦目を迎え、精神面でのイラつきが懸念されたが、下見どころから貫禄十分の落ち着き。春の桜花賞当時とは雲泥の差だった。好発を決め、ダッシュ力の違いで楽々とハナへ。この辺りは卓越したトモが成せるもの。無理にせられることなく1角で息を入れ、2角から多少行きたがるも鞍上が何とかなだめる。向こう正面からはスムーズな競馬。3角の上り坂でたっぷりと息を入れ、残り4F地点の下り坂で自然とペースアップ。4角では引っ張り切りの手応えのまま11秒1と加速。もの凄い搭載エンジンだ。直線を向き、手綱をグイグイ押して加速。残り300㍍地点で左ステッキが入ると、後続の各馬が詰め寄るも全く危なげない走り。最後は手綱を抑える余裕を見せて貫禄V。春当時より落ち着きが出て、道中の制御が利くようになった。卓越したダッシュ力でハナへ立ち、他馬との競り合いを避け、精神面での成長で道中の息を入れる。そして、直線で見せる切れ味。無敵だ。

 ここ一本に目標を絞り、4週連続で目一杯の調教をやられてきたフサイチパンドラ。攻め強化によるテンションの高さを懸念したが、落ち着き払った姿。道中は無理することなく馬の行く気に任せ、外めの5番手追走。折り合いを欠くことなく気持ち良さそうな走り。残り4F手前の下り坂で手綱を緩めるとグーッと加速。4角で3番手までポディションを上げる。直線を向き、メンバー最速の上がり33秒9の末脚で迫るも、勝ち馬には着差以上の内容で完敗。だが、自身は中距離の上がりの掛かるを得意とするタイプ。それがメンバー最速の切れを使い、瞬発力勝負の流れに対応してきた。成長している。外枠から揉まれずに誘導したルメールの手綱捌きに賞賛。

 わがまま女王のスイープトウショウ。太め残りの前走を叩かれ、この日は増減なし。今回も太かったことは間違いないが、気合い乗りは違っていた。本馬場入場で多少ゴネたものの、すぐに収まった。いつもどおり煽り気味の発馬だったが、これまで短距離戦ばかり使われてきたことで行き脚がつき、楽な手応えのまま中団のインにつける。三分三厘でも手応え十分のまま直線を向く。馬場の悪いインを通る形となったが、グイッと加速して突き抜ける。決して万全のデキとはいえないなかで流石の底力。緩い流れになったのは幸いした。強烈な切れ味でGIを3勝した歴史的女傑がここで引退する。長い間、お疲れ様でした。

 ディラデラノビアは一瞬の爆発力が売りのタイプで、道中に下手に動くことができない。ダイワスカーレットのための流れのなかで、一気に差し切るのは至難の業だった。外からよく差を詰めている。

 

エリザベス女王杯(GI)ほか最終結論

2007-11-10 23:44:46 | 最終結論
◎ウオッカ回避 


先日から始めた次走へのメモ。土曜日の京王杯2歳Sで12番人気で2着に来たドリームシグナルはメモに書き残していた一頭。だが、当初は黄菊賞に登録しており、木曜日の出馬表の時点で名前がなかったので残念に思っていたが、京王杯に出走していた。こちらは全くチェックしていなかった。残念。土曜京都3Rのアドマイヤシックは1800㍍に距離を延ばしても道中の追走に余裕がなく伸び切れなかった。まだ体質がパンとしていないのだろう。成長に期待したい。

京都12R 山科特別(1000万下、牝・ダ・1400㍍)
◎ホワイトペッパー
○ショウナンアクト
▲セフティプラスワン
△セレブラーレ
×タケイチゼット
×テイエムミゴデカ
☆ナリタジューン
【見解】
ここは芦毛のホワイトペッパーが決める!前走の牝馬限定の1000万戦6着は、14番枠から前に壁を作れずモロに掛かった。ペースの速かった3角までに脚を使ってしまった。直線で脚色が鈍ったのは致し方ない。今回も引き続き1400㍍になるが、6番枠で前に壁を作りやすいし、連続騎乗となる川田も心強い。攻めも強化されている。タメての一瞬の脚に期待。

京都2R 2歳未勝利・ダ・1800㍍
◎ニューロザリオ
○キアーロ
▲ウエスタンシーザー
△ケントゥリオ
×マイハートマイラブ
×フジノアリオン
【見解】
ニューロザリオの前走は1400㍍戦。前々走同様、芝のスタート地点で行き脚つかず。しかも、5番枠から道中は砂を被って追走に余裕がない。それでも、三分三厘で最内に進路を取り、最後まで集中した走りで5着まで詰めてきた。今回の舞台は待望の1800㍍。スタート地点はダートで、距離が延びて追走にも余裕が出てくるはずだ。一発ある。

京都3R 2歳牝馬・未勝利・芝・1600㍍
◎メイショウデイジー
【見解】
メイショウデイジーの前走は今回と同じ芝・1600㍍。道中は12番枠から馬群がギュッと凝縮し、終始、外々を通らされるロスの多い競馬。しかも、三分三厘で捲り気味に進出し、4角ではかなりの大外に振られた。それでも、直線でそこそこの脚を使い、2着馬とは僅かの差。鞍上の手綱捌きには多少の不安が残るも、少頭数のここはレースがしやすい。早めに動いてもロスはない。

京都10R ドンカスターS(1600万下・芝・1800㍍)
◎タガノグラマラス
○マイネルポライト
▲ピースオブラヴ
△カイシュウタキオン
×リキッドノーツ
×イースター
【見解】
タガノグラマラスの前走・清水S6着は出負けし、押してハナを奪いに行ったためにハミを取って力みながらの走り。それで4ハロン目まで、12.2-10.8-11.1-11.6というハイラップを刻んでしまった。それでも、ゴール前まで粘り腰を見せたのは立派。今回は1ハロン距離が延びて1800㍍になるが、本来なら前々走のようにリラックスして走られるクチ。1㌔減で鞍上強化は心強い。

京都8R 1000万下・ダ・1800㍍
◎ゴールドスミス
○ネイキッド

京都11R エリザベス女王杯(GI 牝馬・芝・2200㍍)
◎ウオッカ
○フサイチパンドラ
▲ダイワスカーレット
【見解】
秋の大一番。ウオッカダイワスカーレットの決着をつける時がやってきた。今回、ダイワにとっては距離が1ハロン延びて外回りコースになる。しかも、自身より外めの枠にアサヒライジング、フサイチパンドラが入った。特にフサイチパンドラの鞍上はルメールで、自身は上がりの掛かる展開を得意とし、出方次第では外から相当なプレッシャーをかけてくるだろう。楽観はできない。対してウオッカは前走で折り合いを付けることに専念。今週の最終追いでも、我慢に我慢をさせる内容だった。幸いにも一度使われたことによるテンションの高さは見られず落ち着いた姿。これは何より。待望の3番枠を引き、今回は中団から前に壁を作って競馬ができる。一度使われたことでデキは確実に上向いている。左前脚の爆発力には疑問は残るものの、中心視。3連単BOX。

土曜日の予想

2007-11-09 20:39:52 | 最終結論
京都3R 2歳未勝利・芝・1800㍍
◎アドマイヤシック
○オースミターゲット
▲シーシャトー
△タガノヴァレオ
×ミラクルシャトー
×ビギンマーニューマー
【見解】
アドマイヤシックの前走はテンにモタつき、追走に精一杯。4角でも後方の位置取りだったが、直線でエンジンが掛かると鋭い脚を使った。一度使われたことで行きっぷりが良化しているし、間違いなく距離延長はプラスに出る。

エリザベス女王杯(GI)調教診断

2007-11-09 06:43:19 | 調教診断
エリザベス女王杯展望はこちら

ウオッカ、戴冠へ落ち着き十分


アサヒライジング】◎ 前脚をピンと張り出し、柔らかい首使い
柴田善を背に南Wで3頭併せの中。終始、引っ張り切りの手応えで5ハロン66秒8-12秒6。前脚をピンと張り出し、気持ち良さそうに走っていた。柔らかい首の使いも目立った。31日、4日にも速いところやられており、態勢は万全だ。

【アドマイヤキッス】△ 追って反応今ひとつ
高田(レースは岩田)を背にDWで2頭併せを追走。前半はキャンター程度の楽走から終い重点の調教。ラスト1ハロンで気合いを付けられ、併走馬をあっさりと交わす。だが、抜け出してからフワフワとした走りで重心が高かった。物足りない。

ウオッカ】◎ テンション上がらず、充実一途
四位を背にCWで3頭併せの最内追走。終始、引っ張りきりの手応えだが、鞍上との呼吸はピタリ。直線で前2頭が抜け出してもムキになることなく抑えが利いていた。一度使われたことで行きっぷりが良くなり過ぎることを懸念したが、これなら大丈夫だ。1週前にはCWで抜群の動きを披露し、普段も坂路で順調に乗られている。文句なしだろう。

【キストゥヘヴン】○ 久々も乗り込み入念
坂路の大外を馬なりでサッと。ピッチの利いたシャープな動き。集中力を感じさせた。9月27日から時計を出し始め、入念に乗り込まれてきた。久々でも仕上がっている。

コスモマーベラス】◎ 抜群のフットワーク、文句なし
坂路で一杯に。ハロー前の馬場の悪い時間帯だったが、回転の速い抜群のフットワークで一気に登坂。最後はステッキを2発注入され、12秒5と踏ん張った。元々、攻め駆けするタイプではあるが、文句なし。

【スイープトウショウ】○ 坂路でビシッと
今回も馬場入りをゴネたが、坂路で半マイルから51秒5-13秒6の速い時計を出せた。独特の左前脚の使いで、お世辞にも良い動きとはいえないが、いつもこんな感じ。それよりも中一週で速い攻め馬ができたことを重視。

【スプリングドリュー】○ 追走先着も少し素軽さに欠ける
南Wで2頭併せの外を5ハロンから追走。楽な手応えのまま直線で軽く気合いを付けられて先着。四肢もよく伸びていたが、少し素軽さに欠ける動き。3,4角の行きっぷりは良かった。

【タイキマドレーヌ】○ 左に寄れるも、脚捌きシャープ
坂路で終い重点。ラスト1ハロンで見せムチが入ると左に寄れたが、脚捌き自体は実にシャープ。元々が攻め駆けしないタイプ。これで十分だ。

【ダイワスカーレット】○ 硬さもなく順調
安藤勝を背に坂路で2頭併せをサッと。ムキに行きたがることもなくリラックスした走り。秋3戦目になるが、硬さもなく柔軟なフットワーク。軽めの調教に終始しているため上積みは望めないが、ブックのPHOTOを見る限り、前走より馬体はフックラしている。

【デアリングハート】○ 回転の速いフットワークで乱れなし
藤田を背に坂路で単走。ピッチの利いた回転の速いフットワークで一寸の乱れもなかった。府中牝馬Sを快勝した前走時と遜色ない動き。好調キープ。

ディアチャンス】○ 四肢を目一杯伸ばしたストライド
DWで単走。ラスト1ハロンで追われると重心が低く、四肢を目一杯伸ばしたストライド。時計自体は平凡も、動きは良かった。久々で週一本しか時計を出されていないが、仕上がりは良好だ。

ディアデラノビア】◎ 抜群の行きっぷり、併走馬を圧倒
武豊を背にCWで3頭併せの真ん中。抑え切れない抜群の行きっぷり。例によって頭は高いが、ゴール前で軽く手綱が放たれると楽々と先着。手応えで圧倒した。前走後はウオッカ同様、1週前にCWで5ハロンから時計を出し、普段も坂路で入念に乗られている。

フサイチパンドラ】◎ 攻め強化、長めを意欲的に
DWで単走をビシッと。テンから意欲的に行き、ラスト1Fも力強いフットワークで12秒4と踏ん張った。全体も6ハロンから79秒7とやや重の馬場を考えれば文句なし。1週前には長めを意欲的に追われ、気迫のこもった攻め過程。女王復活へ必死だ。

【ローブデコルテ】○ 迫力今ひとつも、キビキビしとした身のこなし
福永を背にCWを単走でサッと。迫力を感じる動きではなかったが、キビキビとした身のこなし。鼻出血明けの前走を叩かれ、上積みは望めるか。

エリザベス女王杯(GI)展望

2007-11-08 23:30:37 | 見解
ウオッカ
ダービー馬が、復権をかけて女王統一を目指す。前走の秋華賞3着は、宝塚記念8着以来の実践。普段から掛かり気味に時計を出す気性で、好仕上がりだった。16番枠から中団を伺うも、首を左右に振り行きたがる。仕方なく後方にポディションを下げ、折り合いに専念する道中。その甲斐あって向こう正面ではピタリと折り合う。流れの落ち着いた残り700㍍あたりで外めを引っ張り切りの手応えで進出。4角で満を持して手綱が放たれるも、内回りでコーナーワークにぎこちなさを見せる。鞍上が右手綱を引いて必死に内へ誘導する。直線を向いて右手前のままグンと加速し、一気に差し切ろうかの勢い。だが、残り1F地点で左手前に替えると上位馬と同じ脚色になり、伸びあぐねてしまった。久々の影響も多分にあったろう。休養前の宝塚記念8着は、下見どころでは耳をキョロキョロと動かし、少し集中力を欠く面が見られた。2番枠からダービーと同じように前に馬を置きたかったが、雨馬場で他馬が外めに持ち出したために、ポッカリ前が開いてしまう。スタンド前でモロに掛かり、更にインティライミと接触するアクシデントが。本来なら息を入れるはずの1角でも前に壁を置けず。3角手前までずっと折り合いを欠いていた。そして、先行馬のバテた3角で積極的に押し上げる競馬。直線でインを突くも、そこから抵抗するスタミナは残っていなかった。雨馬場で1000㍍通過57秒5の乱ペースを、道中であれだけ掛かっては勝負にならなかった。ダービーのように壁を作りたかった。3走前mの東京優駿1着は、下見どころから17頭の牡馬に臆することなく落ち着き払った姿。フサイチホウオーが発汗でテンションが上がっていたのとは対照的。発馬直後は中団のインで我慢。初距離だけにスタンド前は口を割って行きたがる。だが、1角で平静を取り戻す。その後は至極順調に運び、3角では痺れるほどの手応え。ここで勝利を確信するほどだった。直線で前残りを図るアサクサキングスを一完歩毎に力強い末脚で迫り、ガァーッと伸びる伸びる。最後は3馬身の差を付ける圧勝。上がり3ハロンは驚異の33秒0。決め手を生かせる流れで存分に力を発揮した。64年ぶりの牝馬によりダービー制覇。ポテンシャルの高さは疑いようがない。しかし、前向き過ぎる気性で折り合いに難点がある。前走で抑える競馬をしたことで折り合いは付きやすいはずだが、一度叩かれてデキが上向いたことで行きっぷりが良過ぎる危険性もある。大トビで内回りの前走は4角でコーナーワークにぎこちなさを見せ、スピードに乗り切れなかった。広い外回りは大歓迎だ。折り合った時の爆発力はダービーで証明済み。あとは右手前の時に最高のパフォーマンスを見せる。右回りだと多少の割引きが必要。

ローブデコルテ
前走の秋華賞10着は、久々だが、乗り込み十分だった。18番枠からスムーズに中団を伺うも、若干ハミを噛んで力んでしまう。向こう正面の走りを見せても、どうもムキになっている。4角で追い出してからの反応も悪く、外から一気にウオッカに被される。直線で内にモタれ、鞍上がハミをかけ直して反応を待つも、そのまま馬群に沈んでしまった。久々が応えたか。前々走のアメリカンオークス5着はレース中に鼻出血を発症した。度外視。3走前の優駿牝馬1着は、課題の発馬を決めて前へ。だが、鞍上は手綱をグッと抑えて中団まで位置取りを下げる。緩みない流れで結果的には好判断だった。直線で外めの位置取りをするも、ミンティエアーに進路を阻まれ、残り2Fを切った坂上で大外に進路を切り替える。そこから力強い末脚でグイグイ伸びる。ゴール前で僅かに差し切り、ヴィクトリー。前走の内容がいかにも地味。中距離で上がりの掛かる展開を差す競馬を得意としているが、このメンバーでは強気になれない。

スイープトウショウ
久々で予定していた京都大賞典を追い切りが行えずに回避。ここまで復帰戦がずれ込んだ。18㌔増で明らかな太目残りだった。それでも、スプリント寄りの速い流れに戸惑うことなく中団を追走できたのはさすが。2番枠で終始、馬場の悪いところを通らされるも、直線で馬場の良い大外へスムーズに持ち出す。ゴール100㍍手前までは突き抜けるかの脚を見せた。最後は失速したものの、久々でこれだけやれれば十分。昨年のこのレースは休み明けの京都大賞典激走の反動で万全の状態ではなく、道中は縦長の速い流れを後方でカワカミをマークする形。終始、いい形で進められ、フサイチ→カワカミが動いた3角の下りから4角で、同馬も外を通ってポディションを上げる。直線で馬場のいい大外へ持ち出し、差し切りも狙える圏内にいたが、思ったほど弾けず、伸び切れなかった。ゼンノロブロイ、ハーツクライといった超一流牡馬を粉砕した宝塚記念、33秒台の抜群の脚力で一蹴した一昨年のエリザベス女王杯に04年の秋華賞。とにかくペースの緩急問わず一線級の牡馬相手にも通用する決め手を持っている。相変わらず馬場入りを嫌がっているが、実践を一度使われ、最終追いも坂路でビッシリやれた。態勢は整ったと見たい。

キストゥヘヴン
2走前の安田記念8着は、好発から抑え切れない手応えで好位へ。道中はなだめるのに精一杯。流れを考えれば位置取りは正解。直線入り口、外のジョリーダンスに寄られ、内のダイワに進路を阻まれる。だが、仕掛け開始前だったし、何ら問題ない程度。いざ、追い出しを開始させてからはジリジリとバテずに懸命に脚を伸ばすも、今ひとつスパッとは切れなかった。やはり、この馬はタメての切れ味勝負が持ち味と思っている。今回の馬場で後方から競馬していては、どちらにしても厳しかったのは確か。3走前のヴィクトリアM4着は発馬直後から抑え切れない手応えで3番手へ。終始、抜群の行きっぷりで3角で早めに2番手へ。直線で馬群に飲み込まれそうになったが、渋太い脚で粘りに粘り、勝ち馬からコンマ3秒差だった。4走前の中山牝馬S5着は1角でゴチャつき、最後方からの競馬。腹を括って最後方から直線でインを突く。だが、狭いところに入ってしまい、なかなか抜け出せなかった。マイルの速い流れで一瞬の爆発力を生かすのがベスト。2200㍍はいかにも長いし、最後の切れ味が鈍る。

ディアデラノビア
前走の府中牝馬S4着は、緩い流れを中団から引っ張り切りの手応えで追走。終始、経済コースを通ってロスのない競馬。直線を向き、楽な手応えのまま3番手まで押し上げ残り2Fを切ったところで追い出しを開始。だが、一瞬は伸びかけたもののゴール前で脚色が鈍ってしまった。一瞬の爆発力は今冬の京都牝馬Sで証明済み。だが、それが長続きしないのがネック。いかにも府中は乗り難しい。今回は得意の京都コースに舞台を移し、鞍上に武豊を迎える。怖い。

ディアチャンス
前走の札幌記念4着は、4番枠から前半は気合いを付けながら中団へ。インを通るも、道中の手綱のアクションに余裕がない。常に気合いを付けながらだった。しかも、スローで馬群が固まったために三分三厘で動けず位置取りを落とす。ようやく4角で仕掛けて、直線で狭いところを鋭い脚で迫るも、僅かに届かなかった。前々走のクイーンS3着は、発馬直後にスッと最後方に下げる。一頭ポツンと置かれる形。他馬が仕掛けを開始させた三分三厘でも動かず。ようやく4角で馬群のなかに突っ込むと、直線で左手綱を引いて外へ誘導。ラスト1Fで外から猛然とスパートするも、小回りコースで前が楽をしていては捕らえられなかった。3走前のマーメイドS1着は、下見どころで鞍の下の発汗が目立った。だが、レースへ行けばシェルズレイの作る速い流れを5番手でスムーズに流れに乗る。併走していたライラプスが動き出した残り4~3F地点でも慌てずジックリ。インで我慢する。仕掛けを開始させたのは直線に入ってから。先行馬が膨らんでできたインを突く。鞍上の右ステッキに応えてグンと加速。残り1F地点で逃げ馬の外めへ持ち出し、左ステッキが放たれる。この時、内へ寄れてヒヤリとしたが、すぐに左手綱を引いて修正。そこから、もうひと伸びして後続の追撃を封印させた。レース運びに安定感がある。2000㍍も全く問題なかった。ここ2走は小回りの札幌で脚を余す結果になっている。テンに行けなくなっているし、ズブくなっている。三分三厘に下り坂があり、広い京都に替わるのは多いにプラス材料。最後の決め手はここでも通用する。展開さえ向けば一発も。

フサイチパンドラ
前走のエルムS11着はダート戦で度外視。前々走の札幌記念1着は、馬インフルエンザの影響で中間に2度の熱発に見舞われ、万全には程遠いデキだった。それでも、1番枠から単騎逃げに持ち込み、直線で天皇賞2着のアグネスアークに寄られながら振り切った。3走前のクイーンS5着は、イレ込みがきつく、小回り札幌で中団から立ち回るもスムーズさを欠き、ゴチャついて全く力を発揮できなかった。今春のマイル2戦は距離不足で決め手の差が出た。度外視。昨年のこのレースは、道中、縦長の速い流れのなか、後方で末脚を温存。前走時から下を縛り、ハミを替えたことと、激流のおかげで折り合いは完璧。3角の下り坂で外目をジワリと進出。残り3ハロン地点で一気に仕掛け、先団へ取り付く。直線も馬場のいい大外へ持ち出すと力強いフットワークで駆け抜け、カワカミに末脚には屈したものの、2位入線を果たした。終始、目標にされる苦しい展開で自ら動く横綱相撲。内容は文句なし。速い流れで持続力を生かせた。中距離の上がりの掛かる展開を理想とし、昨年はまさに理想の条件だった。スローなら自らハナへ立って平均ペースの流れを刻めば良い。

アドマイヤキッス
前走の府中牝馬S3着は、緩い流れをジッと中団のインで我慢する。終始、経済コースを通って脚をタメる。直線で追い出しを開始するも、ずっと逆手前のまま。ジワジワと伸びてはいるものの、爆発しなかった。手前を替えていればもうひとつ上のギアが使えた。前々走のクイーンS4着は、発馬で行き脚つかず後方からの競馬。ジッと折り合いに専念し、馬群の固まった4角で引っ張りきりの手応えのまま馬群に突っ込む。だが、追い出してから脚色は案外で、フワフワして手応えほど伸び切れなかった。昨年のこのレースは、Hペースを3角から攻めて直線でバテた。控えても行ってもあと一歩が足りない。今春の安田記念同様、インをロスなく立ち回ってどこまで。

アサヒライジング
前走の府中牝馬S2着は、15番枠から無理することなく3番手の外を追走。終始、引っ張りきりの手応えで、4角では抑えるのに苦労するほど。直線でスッと左手前に替え、楽な手応えのまま先頭へ躍り出る。だが、坂を上った残り300㍍地点で右ステッキが入ると、左手前に替えて伸びを欠く。鞍上も懸命に追って粘るも、勝ち馬に差されてしまった。前々走のクイーンS1着は、1番枠からコーナーワークを利してハナへ。他馬に競られることなく楽な逃げ。三分三厘で除々に気合いを付けて直線で二の脚で突き放した。3走前のVマイル2着は、道中は3番枠からスッとハナへ。前走で1400㍍の速い流れを経験しているだけ2ハロン目から10秒8-11秒7-11秒8のラップを楽に刻む。4角手前からペースアップし、直線は馬場の良い4分どころへ。そこから11秒2-11秒2と一気にスパート。本来なら押し切っても不思議でないが、勝ち馬の決め手にやられてしまった。それでも、テン3ハロンを34秒8で入り、直線入り口で11秒2-11秒2の脚を使ったのは立派だった。決め手はそんなに鋭くないが、平均ペースの走りを得意とし、持続性がある。逃げ馬不在のここ、ハナを切って淀みない流れを刻めれば。

ダイワスカーレット
下見どころからヒ腹に汗をかき、若干テンションが高かった。レースでも13番枠からハナを主張するも、内のヒシアスペンも引き下がらず、掛かり気味になる。だが、2角でスッと2番手に下がると、その後はスムーズに折り合いに専念する。逃げ馬がペースを落とした向こう正面でも馬群は縮まらず。2番手のダイワにとって絶好の展開。逃げ馬がバテた三分三厘の残り3F地点で抑え切れない手応えで先頭へ。そこから得意の2段ギアを屈指し、突き放す。後続の追撃も余裕綽々で退けて快勝した。展開が向いたことは確かだが、1角でムキになりながら、スッと鞍上の指示に従順で控えられた。成長している。前々走のローズS1着は下見どころから落ち着き十分で、好仕上がり。好発を決め、外2頭を見ながら押し出されるようにハナへ。一瞬は行きたがる素振りを見せるも、すぐに鞍上の指示に従い、ペースを落とす。1000㍍通過60秒4の超スローでもスムーズな折り合い。4角まで他馬に競りかけられることなくジックリと脚をタメる。直線を向いて持ったまま、迫るレインダンスを振り返る余裕ぶりを見せる。ようやくラスト1ハロン手前で追い出しを開始。坂上で迫るレインを二の脚で突き放す。最後は手綱を抑える余裕ぶりで完勝した。3走前の桜花賞1着は、大外枠発走から前のアストンマーチャンを追いかけて3角でモロに掛かってしまう。その後は3番手の外めで折り合い、直線へ。外からウオッカが寄ってくると、左手綱を引いてプレッシャーをかける。坂下で並びかけられると、もう一度右ステッキで馬体を併せる。相手が怯んだところを一気に突き放して戴冠。天性のスピード性能に加え、鞍上に従順で折り合いも付く。加えて6戦連続して上がり3F33秒台の切れ味。自分でレースを作れる強みがあり、不発はない。今回、初の2200㍍で今までで一番厳しい競馬になるかもしれない。だが、すっと好位に控えることは可能だし、流れによってレースを組み立てられる。真ん中より外枠がほしい。

次走へのメモ

2007-11-06 09:30:16 | 次走へのメモ
11月3日(土)京都
ラヴファンタジスタ(牡・2歳・未)…芝1400㍍、道中は折り合いに苦労、直線で勝ち馬に被され、一旦遅れて仕掛けて良い脚。

メジロドリゼラ(牝・2歳・未)…芝・2000㍍、スローを中団追走、上がり3Fの流れを3角からズブさ見せながらスパート。直線良い脚。

シークレットハート(牡・2歳・未)…デビュー戦はダ・1800㍍、ハナ切るも、ビッシリ競られ厳しい競馬。最後バテるも、粘る。

ダノンゴーゴー(牡・2歳・500万)…デビュー戦は芝・1200㍍、出負け、行き脚つかず直線入り口9番手。そこから逆手前のまま33秒3の豪脚で一気差し。強い。

デビルズコーナー(牝・2歳・未)…デビュー戦は、芝1200㍍、スピード◎

フェイムロバリー(牡・2歳・500万)…芝・1400㍍、スローを出負け、最後方、4角外回り、直線で内へモタれながら良い脚。

テイエムヒスイ(牝・4歳・500万)…ダ1400㍍、久々、2番手で直線早め先頭もバテる。スピード力見せ、1200㍍で。

アドマイヤプルート(牝・3歳・1000万)…久々でハナ。ハミに頼った走り。隊列の決まった2ハロン目から競られて力む。厳しい流れだった。ピッチ走法で1200㍍がベスト。

タガノサイクロン(牡・4歳・1600万)…ダ・1800㍍、58㌔、馬群塊を後方のイン追走。ペースアップした4角でズブさ見せるも、最後良い脚。

ゴッドセンド(牡・5歳・1600万)…ダ・1800㍍、ゴチャついて直線捌けず、脚余す。

ワールドハンター(牡・3歳1600万)…ダ・1400㍍、Hペースを楽々と3番手追走。直線で力強いフットワーク。桁違いの強さ。走る。

アドマイヤプルート、ワールドハンターの両3歳馬に将来性感じる

次走へのメモ

2007-11-01 11:15:58 | 次走へのメモ
10月20日(土) 京都

ニューロザリオ(牡・2歳・未)…ダ1400㍍、砂被って道中の追走に余裕ないも、直線で良い脚使う。距離延ばして。

コスモランゲル(牝・2歳・500万)…芝・1400㍍、抜群の行きっぷりの道中、最後は内へモタれながら切れる脚で差し切る。

アドマイヤシック(牡・2歳・未)…デビュー戦は芝・1400㍍、テンにモタつくも、エンジンが掛かってからは良い脚。走る。

ゴールドスミス(牡・3歳・1000万)…ダ・1800㍍、気合い付けて好位、早め先頭で押し切る。強い、時計速い。

レンデフルール(牝・3歳・1000万)…ダ・1200㍍、出負け、掛かってスムーズさ欠くも、最後は良い脚。

トーセンイマジゲン(牡・3歳・1000万)…芝・1800㍍、スローで外々通らされるも、良い脚を使う。内へモタれた分。


10月21日(日) 京都

ノワールシチー(牡3歳・1000万)…ダ1800㍍、最内枠で行き脚つかず、後方からの競馬。最後は大外から良い脚。ロス多かった。

ドリームシグナル(牡・2歳・500万)…芝・1600㍍、最後モタれながら押し切る。

10月27日(土) 京都

ナムラハーン(牡・2歳・未)…ダ1800㍍、好位のイン追走も、直線で前がモロに壁になり、脚余す。次は。

レインボーペガサス(牡・2歳・500万)…出負け、道中はハミに頼って力むも、アッサリ差し切る。奥が深い。

マックスバリバイ(牡・2歳・未)…芝・1400㍍、掛かり気味にハナ。スピード◎。ラスト1Fまで粘る。スプリントで。

ホワイトペッパー(牝・5歳・1000万)…ダ・1400㍍、Hペースを外枠から掛かり気味に先行して末なくす。タメて。

10月28日(日) 京都

プレサンティール(牝・2歳・500万)…芝・1600㍍、後方追走から4角でズブさ見せるも、最後は大外から凄い脚。走る。

ナムラウィッシュ(牝・2歳・未)…芝1600㍍、道中は中団のインをスムーズに追走。直線も馬場の悪いイン突き、直線で前が壁になって脚余す。

プティマカロン(牝・2歳・未)…芝・1600㍍、後方から終始、大外から被される。直線も行き場なく脚余す。

メイショウテイジー(牝・2歳・未)…芝・1600㍍、馬群が固まり、向こう正面で大外を通って掛かり気味に進出。ロス多く、小差の競馬。

レソナル(牡・4歳・1000万)…ダ1200㍍、久々、Hペースを先行して直線入り口まで粘るも、最後失速。見直し。

ご参考にしてください