TENNIS COACH DIARY

ハンサム木全のたわごとです

試合でのドラマ(2665)

2013-07-14 00:06:39 | tennis
フランスでのお話。遠征記の中でも簡単に書きました。

OUATTキッズテニスカップの11歳男子の部のセミファイナルのお話を詳しく。

メキシコ代表のNavarro Aguilar , Diegoくん


VS
オランダ代表のHendriks Daanくん


の試合。


1stセットは6-4でDaanくん。
2ndセットは6-3でDiegoくんが取りました。

両国の応援団は子供大人あわせて30~40人はいたように思います。
応援にも気合いが入っています。自分の応援する側の選手がポイントすると、けたたましい声の雄叫びが、応援する人々から。

そして迎えたファイナルセットDaanくん6-5リードの40-40。
この試合はノーアドです。

すごい、お互いに攻撃的だけど、ミスしない、見応えのあるラリーが続きます。観客も息をのんで見守ります。

ディエゴくんが、目の覚めるようなバックハンドクロスショットを放ち、そのボールのスピードとコースから、
Daanくんは返球できないだろうという状況でした。

ところが、Daanくんは素早い反応とフットワークでボールに追いつき、スライスショットで深く逃げ球をストレートへ返球。

そのDaanくんの返球のほんの一瞬前、ディエゴくんのボールが決まって、相手のマッチポイントを逃れてタイブレークに持ち込んだと勘違いした、メキシコ応援団の
ひとりの少年が、Diegoくんの真後ろで、大きな声で歓喜の雄叫びをあげました。

Daanくんは、対戦相手のDiegoくんが叫んだものと勘違いして、ポイント中の声は反則行為で、自分のポイントになると思い、Diegoくんががら空きのフォア側へ打ったクロスショットを追いかけもしませんでした。



ところが…。

叫んだのは相手の選手ではなかったわけですから、レフェリーの判定はDiegoくんのポイント。

これでタイブレーク突入となりました。


Daanくんは、この状況で、全く集中力を崩さずタイブレークに入り、みごと7-4で勝利を手中におさめました。
そして、そのあとドラマは起こったのでした。


















助け起こすのもすごいですが、Diegoくんの負けた時のショックの受け方に感動しました。
これだけの倒れ方をする裏に、どれだけこの勝負に、この大会に勝ちたいという強い気持ちがあったのでしょうか?
どれだけこの試合に向けて、厳しい練習をしてきたのでしょうか?
どれだけ、ふだんテニスに対して真剣に取り組んでいるのでしょうか?
全身全霊をかけて戦わなければ、この写真の倒れ方はおこりえません。
そしてそれを助け起こす方も、同じくらいの厳しい努力をしてきているから、その気持ちがわかるのでしょう。

みなさんは、試合に負けて、こんな倒れ方ができるような、テニスの取り組みができていますか?

ほんとうにどちらもかっこ良かった。

11歳の少年ですよ。


ヨーロッパには、こんな選手たちがたくさんいる…だから世界をリードしているのでしょう。

心に刻み付けたいです。

コメント (2)
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