今年のお祭りはずっと雨だった。
竜神さまありがとう、今年も豊作・豊漁です。といったくらいの意味のお祭りだけど、だからといってそんなに近くに来られたらちょっと困るかも。と思っていた。
…山車を担ぎ上げるにも、足元がじゅるじゅるだし、担ぐにも持ち上げるにも雨ですべってしまいそうなし、なによりみんな風邪ひかんかったらいいのだけど…と心配しながらも観客の出足が悪いおかげでいつもではありえないくらい見晴らしがよく、近い、いい場所で見られたのは非常によかった。
初日はそわそわしながらも、雨でおっくう~と思って出なかったら、
中日は朝からそわそわそわそわして、カッパを着たまま見物に行くことにした。ご祝儀を今年は地元が出れないから、ゆかりのある地区のたいこに渡して、
街中の神社の社殿が新しくなったからお参りに行くと、お団子の炭火焼きをしている屋台があり、今日はここにはあまり客が来ないのに…とかわいそうな気がして一本買って、500円払って、(三連のうち)一個ここで食べて二つは持って帰る。と言って、珍しいね。とか、大阪からわざわざ、へ~。などと話していると、もう一人のあんちゃんが二つ包み始めて、1500円と言ってきた。へ(・・?この串の中の一つを食べて残り二つを持って帰る。ということだけど???と言って、…売りつけるつもりなら、残り千円と言えばええものを、惜しかったね。て、あほか、絶対買うかい!…と思いながらも、だいじょうぶ、誤解させてごめんなさいね~と言い捨てて山手のグラウンドへ…ところで屋台にわざわざ遠方から来て儲けが出るの?とか、時そばみたいなこと言うのだね。などと思いながら向かう。
なじみのない地区なので何もかもが新鮮だった。近くの禅寺からお坊さんが来ていて牛串の屋台に並んでいる。ぼんさ~ん、ぎゅ~く~しかうをみ~た♪と自動的に脳内に替え歌がながれて、やはり元歌のかんざしには勝てないと思う。
ひょっとこのお面をかぶった女の子が通る。車椅子の人も何人か見かける。来る人も押す人もえらいと思う。ドローンを始めて見る。四角の角にライトがついていて音もなく浮くものがあったので、あれはなんだろと思ったら、防犯上ドローンはご遠慮くださいとアナウンスが流れて、ああ、あれが。とわかる。あれを駆使したら、お祭りドキュメントビデオの映像が画期的なものになるのではと、ふと思う。
お好み焼きを棒に巻きつけたはしまきというものを久しぶりに食べる。上にねぎ、ソース、マヨネーズをかけているけれど、なかは生地だけなので、せめてキャベツ…とがっかりする。
華やかで楽しいのだけどグラウンドでしているためか、体育祭的な連想をしてしまう。
どこかのたいこは昔ながらに山からカズラを採ってきて、それを水につけたものを使ってたいこを組み立てるそうで、なんという手間!と思わず尊敬する。
最終日、昼まで仕事だったので、急いで帰ってまずは近くの神社へ、隣の地区のたいこが雨に負けない盛り上がりを見せていて好感を持つ。今のたいこはぴかぴかの金糸を使うから紺の法被が似つかわしいな。と思う。
イカ焼きのおばちゃんがやたらと迫力がある。前の日で懲りたので、見極めて買ったので、おいしかった。
ある地区のたいこが金糸の刺繍の飾りを除けて既定のルートを外れていった。あ、他のたいこにぶつけにいく(=けんか)ね。と思いながら、街中の神社に行くべく戻る。上品でこぎれいな小母さんがふらふらとけんかを観に向かっていて、人は見かけによらないもの。と思いながら、この、ちょっと不穏な雰囲気、私も嫌いじゃないわね、観ないけど。と思いながら参道の端に戻ると、頭をけがした男の人がいた。けんかのあおりかな、気の毒に。と思いながら街中の神社へ向かう。
街中の神社の近くの穴場駐輪スポットに雨宿りしながらヒット焼き(どらやき形をした今川焼みたいなもの。白あんもある)を食べている家族連れがいた。寄ってもらって、話をしてみると隣の県から来たらしい。白あんもおいしいでと伝えてみる。
境内にまだ、たいこが入っていなかったので、屋台を眺めて歩く、改めて観てみるとここはあんまり…と思う所もあれば、ちょっと食べたいかなと思う所もある。唐揚げ、フライドポテト、肉串が多くなって、かき氷シロップを炭酸に入れたハワイアンソーダと、どんぐりあめはなくなった、色鮮やかでよかったのに。アイスクリン100円から300円…すごいインフレ!
と、分析(?)しながら、ハツ串、いちごあめ、焼きそば、と食べていき、レモネード珍しい。飲もうかなと思ったけれど並んでいたのでやめた。今日ははずれなし!
この地区のかきあげ放り投げるように荒っぽく、暴風雨を連想させる。
これを観るのが好きでできるだけ出向くのだけど、雨の中ではハラハラしてしまう。
今年も楽しかったね。問答無用で楽しくなるものがあるのはええわね。と思いながら帰る。
…ちらしずしを作ってみたけれど、めんつゆで具を炊いたためか、炊き込みご飯ともお寿司ともつかない珍妙な味になってしまった。