土曜日に百分で名著特番 カミュのペストの一挙再放送をしていた。
気が進まないの半分、この状況に役立つ知見があるかもという期待半分で視ることにした。
アルジェの何とかいう町でペストが流行って、そこの街が封鎖されることになるらしいのだけど。
いろいろな反応をする人がいるという描写を聴いているなかに、街の外に恋人がいる登場人物が何とかして出ようとして、医師も説得されてしまうくだりで、
おいおい、そこはなんとか止めないと!とフィクションながらも焦ってしまって、そこからあらぬ方向へ頭が行ってしまった。
その街を出ようとしている人が、出る手はずを整えるまでの間、看病の手伝いを志願して始めることになって、人間から人間にはペストは感染せんのか??…ペストというおそろしい疫病が流行った時代があるということは聞いたが、詳しい症状は知らんけど、だいじょうぶなんか?ともやついているあいだに、
人を殺さない英雄などというものは存在しないのですと言ったような、なんだか、考えさせられはするのだけど、とりあえず、この状況が収束してからそういう議論はしようか?と思うようなことを言いはじめ(…今は、現状を追うだけなのもいかんのかなとも思うけれども)
そうこうしているうちにペストが収束して、街は元通りになるのだけど、お医者さんは今までの様にはおれませんでした。と言う話らしいのだけど、
うーん、社会全体で闘病するという点ではあまり見るものはなかったなあ、人たちも実際こう動くだろか?と思うところも多いし…
などと思いながらまとめを聴いていると
このペストというのは第二次世界大戦という不条理とそれに対する人間を描いた作品なのです。ペストはいわば比喩です。といわれて、肩透かしを食らったような気がしながらも納得する。
また、1947年の作品と知って、防疫知識はどれくらい進んでいて、どれくらい作者は参考にしたものなのだろうと関心を持つ。
欧州の人にはペストといったら、いまだに冷静でおられないくらいのインパクトのある歴史上の出来事なのかもしれないね。…私らにもたぶんそういう出来事はあるし、他の国々の人にもあるだろね。とも、ふと思う。
番組を見ないと、あ、名作ですけどちょっと怖そうですね。と流し見して、よくわからないと印象には残らなかったかも知れない。原作読んで、考えがかわるか試してみようかな。と思うくらいには関心を持てた。