この本は確かに面白い。翻訳者の青木悦子氏が原書を読んでほれ込み、自ら企画を持ち込み出版が決
まったというのも頷ける。「平凡すぎる」顔の主人公・ポール、ミステリが大好きでポールを叱咤激
励する美貌の看護師ブリジット、破天荒な部長刑事バニー、映画マニアの叩き上げ警部補ジミー、そ
して大活躍の老婦人ドロシー等々、個性的な登場人物たちが生き生きとして物語を彩る。
馴染みのないアイルランドの首都ダブリンという舞台設定もよく、作者の描写が上手いので想像が膨
らみ没入感がスゴイ!ジミー・スチュアート刑事の映画「リーサルウェポン」に関する話やU2のボ
ノ、ブームタウン・ラッツのボブ・ゲルドフが出現するに至っては思わずニヤリとしてしまう。
ただボランティアとして老人の話を聞きに行っただけで、警察上層部まで絡む大事件に巻き込まれて
しまう展開は思いもよらず、ポール、ブリジットを始め登場人物の会話や行動は読者を思いっきり振
り回してハラハラさせながら、時に笑わせ、一気に読んでしまった。
比喩や凝った表現に慣れるまでちょっとだけ時間がかかるかもしれませんが、それも慣れれば読むの
が快感に変わり、いつの間にかクイーム・マクドネルの世界に入り込んでしまうでしょう。極上のエ
ンターテイメント小説でした。
平凡すぎて殺される クイーム・マクドネル 創元推理文庫
まったというのも頷ける。「平凡すぎる」顔の主人公・ポール、ミステリが大好きでポールを叱咤激
励する美貌の看護師ブリジット、破天荒な部長刑事バニー、映画マニアの叩き上げ警部補ジミー、そ
して大活躍の老婦人ドロシー等々、個性的な登場人物たちが生き生きとして物語を彩る。
馴染みのないアイルランドの首都ダブリンという舞台設定もよく、作者の描写が上手いので想像が膨
らみ没入感がスゴイ!ジミー・スチュアート刑事の映画「リーサルウェポン」に関する話やU2のボ
ノ、ブームタウン・ラッツのボブ・ゲルドフが出現するに至っては思わずニヤリとしてしまう。
ただボランティアとして老人の話を聞きに行っただけで、警察上層部まで絡む大事件に巻き込まれて
しまう展開は思いもよらず、ポール、ブリジットを始め登場人物の会話や行動は読者を思いっきり振
り回してハラハラさせながら、時に笑わせ、一気に読んでしまった。
比喩や凝った表現に慣れるまでちょっとだけ時間がかかるかもしれませんが、それも慣れれば読むの
が快感に変わり、いつの間にかクイーム・マクドネルの世界に入り込んでしまうでしょう。極上のエ
ンターテイメント小説でした。
平凡すぎて殺される クイーム・マクドネル 創元推理文庫