マルクス・ガブリエル関係の本は沢山出ていますが、本書は読みやすい方だと思います。勿論語って
いる内容は深く、私たちの考察に影響を与えることは間違いないでしょう。マルクス・ガブリエルは
過去の自然科学で判断していく事に疑念を持っており、新型コロナウィルスの問題も医学だけでは解
決出来ないと言います。「疫学的なリスクに関するアドバイスにのみに従うなら誰とも会わないのが
賢明」だが、それには無理がある、だから多角的に捉えて対応することを考える必要がある。
そして「コロナ危機」から私たちの倫理的な感覚が変わった今の現実ー「衛生主義=人種差別に近い
概念(例、国内で他の州、地域に移動する時に理不尽な思いをした経験)」ーから民主社会では法に
従わない人たちがいることも認めなければならないと結論します。
今、コロナ禍を経て終章では「分断を越える最後のチャンス」としてマルクスは語っています。必要
なのはロシア、中国、アメリカなどの大国にコントロールされることがない、悪い意味での政治的な
ものとは一線を画すプラットフォームで、民主的な問題を議論する場だと。人類の存続のために、私
たちが道徳的にまっとうな経済を作り出せるかどうかが重要だと言う。「私たちは、根底においては、
基本的に全人類に対して、愛情、つながりを育む官女を抱いているはずなのです。私たちは地球市民
であり、コスモポリタンでもあります」と結んでいます。
マルクス・ガブリエル 新時代に生きる「道徳哲学」 丸山俊一 NHK出版新書
いる内容は深く、私たちの考察に影響を与えることは間違いないでしょう。マルクス・ガブリエルは
過去の自然科学で判断していく事に疑念を持っており、新型コロナウィルスの問題も医学だけでは解
決出来ないと言います。「疫学的なリスクに関するアドバイスにのみに従うなら誰とも会わないのが
賢明」だが、それには無理がある、だから多角的に捉えて対応することを考える必要がある。
そして「コロナ危機」から私たちの倫理的な感覚が変わった今の現実ー「衛生主義=人種差別に近い
概念(例、国内で他の州、地域に移動する時に理不尽な思いをした経験)」ーから民主社会では法に
従わない人たちがいることも認めなければならないと結論します。
今、コロナ禍を経て終章では「分断を越える最後のチャンス」としてマルクスは語っています。必要
なのはロシア、中国、アメリカなどの大国にコントロールされることがない、悪い意味での政治的な
ものとは一線を画すプラットフォームで、民主的な問題を議論する場だと。人類の存続のために、私
たちが道徳的にまっとうな経済を作り出せるかどうかが重要だと言う。「私たちは、根底においては、
基本的に全人類に対して、愛情、つながりを育む官女を抱いているはずなのです。私たちは地球市民
であり、コスモポリタンでもあります」と結んでいます。
マルクス・ガブリエル 新時代に生きる「道徳哲学」 丸山俊一 NHK出版新書