考える葦のブログ

さわやかに さりげなく

介護サポーターと自転車への赤切符

2007-05-11 00:03:36 | 徒然なるままに

昨日の日経夕刊に興味深い記事がありました。

『団塊世代、介護の担い手に』
http://www.nikkei.co.jp/news/main/20070509AT3S2703Z09052007.html

厚生労働省は介護分野のボランティア活動に高齢者が参加しやすくなる新制度をつくる。食事や掃除などを手伝う「介護サポーター」と呼ぶ資格制度を創設。ボランティアの実績に応じて自分の介護保険料の支払いに充てられるポイント制も導入する。主に退職した団塊世代の利用を想定しており、高齢化で不足する介護サービスの担い手になってもらう。
新制度の創設は安倍内閣の重要施策である「再チャレンジ支援」の一環。介護ボランティアを増やすとともに、退職後に介護の分野で再チャレンジする団塊世代らを公的資格などで後押しする。

介護のボランティアに団塊の世代を取り込もうという動き。
名づけて「介護サポーター」だとか。

どうなんでしょうね。

「介護サポーター」という肩書きを持ったボランティア集団を構成して、
介護の現場を少しでも支えてもらう。
ただボランティアと言いつつも、労働量にあわせてポイントが付与され、
そのポイントを自分たちの介護保険料にあてることが出来る、と。
そんな制度のようですね。

基本的には、介護に関しては、将来の人材不足・施設不足はほぼ確定的です。
現状の介護に携わる人の人件費、そして職務の発展性などを考慮するとなかなか労働力を増やすことは難しい。逆に現状維持すら大変かもしれませんね。
そんな中、フィリピンなどからの労働力招致も具体的に進みつつありますけど、勤務条件や待遇、そして永住権などの働くメリットが諸外国に比べると日本は劣っているようですので、過度な期待は出来ないような感じです。
また、老後は特別養護老人ホームなどをはじめとするいわゆる「老人ホーム」などの施設に入ることが核家族化された社会では一般的になりつつあるんですけど、
お金のかかる箱物の一種である老人ホームをこれ以上増設する、つまり団塊の世代の高齢化により高齢者数がピークを迎える十数年後からの数十年(おそらく将来の日本史でも二度とこれだけの高齢者数を抱える時代はないでしょう。)だけにあわせて整備するような余裕は国にも自治体にもないわけです。

と言うことは、全員を引き取れるほど十分な施設はないわけですから、自宅で老後を過ごしてもらうしかない、と。
でも、介護ビジネスの世界は人材不足ですから、面倒を見る人は十分に手当てできるわけではないでしょう、
だから、その老人夫婦の家、あるいは独居老人の家を地域で支えるしかない、と。
ここ数年の国の政策から見えているのはそんな近未来ですね。

そこで、地域を支えるヒーローとして注目したのが、
リタイアしつつある団塊の世代というわけですか。。。
確かに上手くいけば数年は機能しますけど、本当に大変なのは団塊の世代が介護を必要とするその後なんですよね。
この話はきりがないので、今日はここまでにしておきますけど・・・

でも、本当に必要とされているのはこんな「介護サポーター」ではない、

とボクは思います。
団塊の世代が自分たちの両親をしっかりと介護すれば、それこそあと数年は問題ないのではないでしょうか。
介護サポーターではなく、家族を取り戻すほうが先決でしょう。

そもそも、「社会保険」なんて言って、年金だけでなく親介護まで社会(国)の仕事に押し付けて、本当にそれで良かったんでしょうか?
本来的には、親の老後の生活も介護も、本当は子の仕事、子の責任なんじゃないか。それが経済的にままならない場合に、セーフティネットとして公的な年金としての金銭補助や介護の現物給付があるべきなんじゃないか。
何となくそんなことを考えていました。
前回に引き続き、反応しにくいであろう内容でスミマセン。

みなさん、ハローです。ホディです。

こういう風に書くと、ボクは「介護サポーター」に反対のように見えますね。
でも、違いますよ。
「家族の復活」をまず第一に意識すべきだと思っていますけど、「介護サポーター」などで介護への認識を高めながら、高齢者を支えることは決して国だけの仕事(責務)ではなく、多くの人が関わるべき問題なんだという方向に進めていく一手としては良いと思っています。
でも、それを「再チャレンジ」だとか、「団塊の世代」だとか、「ポイント制」だとか、
何だか格好つける余計な話は嫌なんですよね。
そんな言い方をしなくても、官やマスコミが思うほど世間は馬鹿じゃないと思うので、「介護サポーター」の重要性をしっかりと訴えかけていけば十分に成果は得られるとボクは思います。

さて、最後に気になるニュースをもうひとつ。

『悪質自転車、一発レッド 都内初、きょう一斉取り締まり』
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20070510-00000003-san-soci

歩行者をはねて死亡させるなど、自転車の歩行者に対する事故の増加を受け、警視庁は10日、都内全域で自転車に限定した初の一斉取り締まりに乗り出す。自転車の対歩行者事故の増加は全国的な傾向で警察庁も今春、取り締まりの徹底を通達した。警視庁は「全国でも初めての試みではないか」としており、悪質なケースには、即「赤切符」を切る方針だ。

自転車は車両である、
使い方によっては人を傷つけ、あるいは殺す凶器ともなる、
そんな認識の乏しい人が多いですよね。

無灯火だったり、携帯しながらだったり、傘差しながらだったり、
歩道を暴走したり、一時停止を怠ったり・・・
自動車の速度違反や駐車違反を取り締まるのも大事でしょうけど、
こういうように、もっと身近な危険に対して監視することも大事ですよね。

でも、「赤切符」とか、いきなりそこまで行かなくても・・・と思いますね。
「注意」をしっかりしたら、それで良いじゃないですか。
そういう「注意」を日常的に繰り返すことが、「赤切符」で強制することよりも良いとボクは思います。加えて、イベントのように一斉にやるのではなく、交番に立っている、あるいはミニパトカーで見回っている警官が、もっと積極的に注意するようにすべきではないでしょうか。

それにしても、何件くらい「取り締まった」んでしょうかね?
件数と違反の内容・・・警視庁の発表には興味があります。


コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 保険金不払い問題について考... | トップ | 故郷で「ふるさと納税」を考える »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

徒然なるままに」カテゴリの最新記事