考える葦のブログ

さわやかに さりげなく

美しい国、美しい人、美しい・・・

2007-01-27 23:36:10 | 徒然なるままに

世界の人々が憧れと尊敬を抱き、
子どもたちの世代が自信と誇りを持つことが出来るように、
活力とチャンスと優しさに満ちあふれ、
自律の精神を大事にする、
世界に開かれた
「美しい国、日本」

安倍首相の施政方針演説の冒頭の部分です。(昨日の日経夕刊4面から転載させていただいています。)
その演説を読み進むと・・・
二十一世紀の国際社会において新たな規範となる国」だとか、
戦後レジームを、原点にさかのぼって大胆に見直し、新たな船出をすべき」だとか、
何となくスッキリしない言葉が続きます。

特に「戦後レジーム」とは何なのか???

レジームとは「régime」。
フランス語で「体制」を意味する言葉なのでしょうか?
直訳すれば、「戦後体制」。わざわざ「レジーム」と言う一般的にはあまり使われない外来語を使う意味がよく分かりません。これこそが「美しくない国、日本」を代表する例のような気がしますが、ここではこれ以上は触れません。

ボクの感じる違和感が何なのか?少し考えてみました。

文脈で解釈すると、「戦後レジーム」とは、「終戦後の焼け跡から出発して、先輩方が築き上げてきた、輝かしい戦後の日本の成功モデル」。
そんな戦後レジーム、「憲法を頂点とした、行政システム、教育、経済、雇用、国と地方の関係、外交・安全保障などの基本的な枠組みの多くが、二十一世紀の時代の大きな変化についていけなくなっていること」が問題だと、そんな問題提起を安倍首相はされています。

この問題認識はボクもおおむね同感です。おそらく、みなさんもそうではないでしょうか。
ボクの違和感は問題認識ではなく、そのことに対する意思表明・・・
演説の言葉では、「原点にさかのぼって大胆に見直す」という、意思。
ここなんですよね。

「原点」とはどこなのか?

「戦後レジーム」の原点とは、終戦のまさにそのとき。
「堪ヘ難キヲ堪ヘ忍ヒ難キヲ忍ヒ」はじめたそのときですよね。

仮にも戦後の日本が成功と言うのであれば、原点にさかのぼるのはナンセンスですし、成功云々は別として、戦後の枠組みはある程度は試行錯誤されて、今、ここにあるわけですから、原点にさかのぼるというのは安倍首相にとっても、日本にとっても、あまりにも自虐的過ぎるような気がします。
「現在の枠組みを一旦ゼロにするような心構えで、新しい枠組みを築き上げる」という意味で言いたかったのかも知れませんけど・・・

そして、もうひとつ・・・

「新たな規範」「新たな船出」

ここなんですよね。
規範も船出も方向が見えていない。「国際社会においての規範」であり、「時代の荒波に耐えうる国家の船出」なんでしょうけど。
文脈で判断すると、ここが、「美しい」という方向なんだと思いますが、これが非常に怖いですよね。

「美しい」と思うことは、人それぞれ。同じ日本人でも、なかなか「美しさ」の基準を統一することは難しいですし、
それ以上に「国際社会においての規範」として「美しさ」を打ち出すとしたら、ますます困難だと思います。アメリカの美と、中国の美、イラクの美、ロシアの美、フランスの美、カタールの美・・・
どの国にも受け入れられる「美しい国」を求めれば、求めるほど、結果的には「戦後レジーム」に戻ってくるような気がしますね。

そして、ボクが一番怖いと思うのは・・・
安倍首相の打ち出す「美しい国」が「美しさの基準」なんだ、とそんな力が働くこと。
「『美しい国、日本』を目指す」という言葉の裏に秘められた、「美しさ」を強要しようとする力、全般的に言葉は確かに美しいですけど、ボクには大きな違和感と不安を感じています。

みなさん、ハローです。ホディです。

昨日は変な夕立(?)。今日は、さくらが咲きそうな陽気でしたね。
過ごしやすいのは良いですけど、こちらも何となく違和感と不安を感じています。

さて、ボクも戦後の典型的日本人を原点から大胆に見直し、新しい船出をして、
国際社会の規範となるような、
「美しい人、ホディ」を目指そうかと。


コメント (3)    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 不払い・未払い、負の連鎖 | トップ | のんきな・・・ »
最新の画像もっと見る

3 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
がんがれ! (のん)
2007-01-29 18:51:17
美しい人、ホディへの道、がんばってください。ホディさんなら行ける!!応援してます。
私はすっかりケガれてしまっているので、(外面のゴマカシならまだしも内面的には)もう美しい人にはなれません。シクシクシク....
返信する
総理!総理!総理! (fall)
2007-01-29 22:10:50
対中外交で良いスタートをきったのも今はむかし。
青木参院会長、片山参院幹事長コンビの呆れるばかりの集票工作、中川総務会長、麻生外務大臣、久間防衛大臣の三役・閣僚らしからぬ勝手放言、何の意味があったかわからない山崎元総理の訪朝、佐田担当大臣にはじまる経費不正処理おまけにお粗末な武部前幹事長の夕張訪問。安倍内閣を追い込むニュースに暇がありません。
総理はどうも青木・片山両氏に翻弄されているイメージが拭いきれません。輪をかけて哀しいのが塩崎官房長官の影の薄さ。彼の仕切りの甘さが迷走に拍車をかけているように思います。
孤軍奮闘、中川幹事長が睨みを利かせていますが、所詮ひとり相撲。
安晋会副会長の元谷会長の耐震偽装疑惑がこの時期に出てくるのもタイミングが良すぎるように思いますね。

国としての尊厳を説く前に、強者に媚びず、身内に厳しい姿勢を示し、胸襟を正して欲しいものです。
返信する
(^v^) (hoddy)
2007-01-30 01:10:39
のんさん、コメントありがとうございます。

美しい人、ボクにもなれますかね?(笑)
まずはやはり安倍首相と同様、「出来難き好んで之を勤るの心」からですね!
がんがります!!!



fallさん、コメントありがとうございます。

安倍首相がババをひいたのか?
安倍首相自身がババだったのか??
ホント、いろいろなことが溢れるように起きていますね。この参院選挙の年に、いよいよ政治不信極まれり・・・という感じでしょう。

このままでは、参院選挙は自民党は惨敗不可避?
そうなると、衆参のバランスが大きく崩れて、参議院の要否まで議論になりそうな気がします。
そうなる前に先手を打って・・・
思い切って、憲法見直しの手始めに、政治&国会改革を大きく打ち出していけば、結果的には安倍政権安泰となる気もしますが。。。
政権安定のために避けられないのは、結局、小泉さんと同じフレーズ、「自民党をぶっ壊す」という言葉ではないかと、そんなことを思っています。

返信する

コメントを投稿

徒然なるままに」カテゴリの最新記事