今日の日経新聞・社会面に“「希望の大学に入りたい」日本の高校生、最低の29%”という見出しの記事がありました。
日米中韓の高校生に対して、日本青少年研究所がアンケート調査した結果についての記事でした。
※記事の一部は日経のホームページにも掲載されています↓
http://www.nikkei.co.jp/news/shakai/20060302AT1G0102401032006.html
見出しの内容は・・・
「あなたは現在、大事にしていることは何ですか?」という質問で、「希望の大学に入学すること」を選んだ割合が、日本が29.3%に対して、米国53.8、中国76.4、韓国78.0だったというもの。また、「成績がよくなること」を選んだ割合も、日本が33.2%に対して、米国74.3、中国75.8、韓国73.8という結果だったようです。
みなさん、ハローです。ホディです。
面白いアンケート調査ですよね。
これを見ると、「やはり日本の最近の高校生は勉強しない」という根拠とされてしまうんでしょうね・・・
日本青少年研究所のホームページを見ると、アンケートの表題は『高校生の友人関係と生活意識-日本・アメリカ・中国・韓国の4ヶ国比較ー』となっていました。日本の都道府県別でも面白い結果が出そうですけど、国が分かれるとさらに面白いですね~
さて、少しアンケート結果について・・・
日経新聞の記事の見出しにも使われた「あなたは現在、大事にしていることは何ですか?」という質問ですけど、興味深い特徴があるんですよね。
国別に一番大切にしている項目をピックアップしますと、日本は「友人関係がうまくいくこと」が最高で39.8%、米国は「成績がよくなること」が最高で74.3%、中国と韓国は「希望の大学に入学すること」が最高でそれぞれ76.4%、78.0%です。
項目ではなくて、最高の割合に注目してみてください。日本は39.8であるのに対して、米国は74.3、中国76.4、韓国78.0なんです。
また、50%以上の項目は米国と韓国が4つ、中国が3つ、に対して日本は0。
どう思われますか?
ボクは「大事にしている」という重みが違うような気がします。
英語、中国語、韓国語、それぞれ「大事にしている」をどう訳したのか?分かりませんけど、コトバの問題なのか?それとも、日常使っている「大事」という重みがそもそも違うのか??回答の仕方の“国民性”なのか???
単なるボクの想像ですけど、どうなんでしょう?
そんなボクの想像もありかな?と感じさせてくれたのは、
「あなたの学校での成績は、自分で評価するとどのくらいですか。」という質問。
上・中の上 中 中の下・下
日本 24.8 41.4 32.9
米国 41.9 50.5 6.9
中国 45.0 41.5 12.7
韓国 24.3 43.7 31.3
成績の分布はそんなに大きな違いはないと思うんですけど、上中下の認識はここまで違うんですね。(日本と韓国は似ていますけど。)
そして、このアンケート結果を「どう記事に表すか?」も新聞社によって大きく違うんですね~
yahooのニュース(朝日以外)から検索してみました。
(産経)
日本の高校生、覇気なし 学習意欲・目的…日米中韓で調査
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20060302-00000001-san-soci
(読売)
日本は「できる生徒」より「人気者」…高校生意識調査
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20060301-00000014-yom-soci
(毎日)
<高校生意識調査>中韓の4分の1が「日本好き」
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20060301-00000108-mai-soci
(共同)
訪日で「日本好き」が倍増 中韓、高校生の意識調査
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20060301-00000179-kyodo-soci
(時事)
日本の高校生は希望無く、悩みも無く…=成績や異性交遊、米中韓と比較-青少年研
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20060301-00000074-jij-soci
(朝日)
日本の高校生は意欲足りない 日米中韓で意識調査
http://www.asahi.com/life/update/0302/001.html
記者によって価値の置き方が違うんでしょうね。
最後にボクがこのアンケートで日本の特徴的だと思った結果を一部引用します。
Q:勉強や成績にどのくらい関心がありますか。
あまり関心がない 関心がない
日本 19.1 6.9
米国 11.2 0.9
中国 5.6 0.9
韓国 10.2 1.6Q:アルバイトにどのくらい関心がありますか。
非常に関心がある まあ関心がある
日本 32.3 38.2
米国 18.8 43.5
中国 14.6 30.8
韓国 16.1 36.1
アンケートが実態を表しているかは別として、また実態が良いか悪いかも別として、
子どもが勝手に育ったわけではなく、大人が育てた、大人の背中を見て育ったわけです。最近よく思うんですけど、高校生や大学生ばかりではなく、同じようなアンケートを大人にとってみればいいと思うんですよね。
ボクら大人は「大事に思うこと」は何でしょう?
「キャリアアップ、仕事の評価、趣味、特技、友人関係、自分の道、異性、社内の人気、親、上司、遊び、家族、社会貢献、スポーツ、その他、特にない」
子どもと大人で比較してみたらどうでしょうかね。
とにかく、まずは大人が意欲と希望を持って、がんばりましょう!
コメントありがとうございます。
主夫ですか。ボクは書生に近い状態かもしれません。
「生きる道」、簡単なようで難しいですよね。
お互いがんばりましょう。
こちらこそ、これからもよろしくお願いします。
『僕の生きる道』の記事をよみました。
私も、現在主夫をしながら生きる道を探しています。
まずボクら大人ががんばりましょう。
私も「子どもは親の鏡」だと思います。
確かに厳しい時代で、大人はくたびれることもありますが、時代を言い訳にせずに「一生勉強 一生青春」と心して、「とーちゃんカッコイイ、かーちゃんステキ。自分も負けてられへん」と子どもが思えるよう、がんばっていきたいと思っています。
面白いアンケート調査でしたね。
ゆとり教育の効果・弊害ですか。。。
確かにそうかも知れません。
「学歴」に執着しない子どもの育成は、望んでいた結果でもあるんですよね。志向の多様化と向学心をどのように並存させるか、難しいですね。
いま、日本が進めている「ゆとり教育」に正直に反応しているといえるかもしれません。
でもね~~、という感じを持っています。
とても素晴らしいブログを書かれていますね。朝から感心しながらいくつか記事を読ませていただきました。
そしてコメントありがとうございます。おっしゃるとおりですね。
こういう場合はどちらかが一方的に悪いということはないですね。
これからよろしくお願いします。
私は大学院生で若者論の研究をしています。(まだまだ勉強不足ですが・・・)
「大人と子どもどちらが悪い」といった点について、少しご意見させていただきますと、私は現在、27歳で社会人経験はあるものの(少し特殊な職でしたが・・・)学生ですし、経済的にも親に負担をかけ大人とも言えないような生活をしています。そんなモラトリアムな私から子どもを見ると、一概に大人が悪いから子どもも悪いとは言えないような気がします。例えば、子ども側の悪い点は、自分の仲間たち(自分の所属するグループ)以外には無関心であることであったり、楽しさばかりを追求するノリ重視社会であったりと決して大人が悪いから影響を受けこのようになっているとも思えない行動も多々あると思います。もちろん今あげた2点、無関心とノリ重視も考えようによっては、大人が悪いといったところに帰結するのも分からなくはないのですが、こういった側面は子どもたちが独自に作り上げた社会の可能性もありますし、子どもたちなりの意味の喪失した大人への反抗とも思えます。そんなわけで大人もがんばらないといけないのかもしれませんが、子どもも、もっと色々なところに関心を持ったり、辛いことも経験するべきだと思います。
コメントはこれくらいにしまして、ブログ拝見しましたが、私も内田樹先生は非常に好きで、まだ4-5冊くらいですが、読んでいます。また拝見させていただきます。
珍しく遅い時間ですね。
ほめていただいて嬉しいです。ありがとうございます。
ホント、問題はボクら大人だと思うんですよね。高校生を分析するのもいいですけど、自分自身を振り返ることも大切だと思います。
「勉強」は大切ですけど、「大学」とか「成績」とか、そういう本質的ではないものについて否定してきたのは大人なんですよね。それに社会がついてきているだけだと感じています。
さて、「大事にしていること」の質問。
複数回答OKのようです。大人はずるいので?意外と考え込むと思うんですよね~
ボクも考え込んでしまいました。
skogさんの「人生そのもの」に近いと思うんですけど、ボクは“その他”を選んで「自分」と書き込むかもしれません。
fallさん、コメントありがとうございます。
さすが見事な分析です。4カ国を並べてみると、やはり特徴が出て面白いですね。勉強になります。
>"無気力"にさせる社会をつくっている大人が己の胸襟を正し・・・
そうですよね!
子どもは大人の鑑。教育制度は社会の一部。制度の形にこだわるばかりでは本質的な解決にはなりません。やはり大人ががんばらないといけませんよね。
日本⇒個性や実績(本質)が尊重されつつあるも、一方で学歴や資格(体裁)が求められることも多い。人生を成功させるために「体裁」と「本質」どちらを大切にするべきか判断しきれないでいる。
アメリカ⇒個性や実績(本質)を重視されることが多いため、興味は"世間がどう見るか(体裁)"ではなく、"自分自身の価値(本質)をどう向上させるか"に集中している。
中国・韓国⇒高学歴であることで人生の成功が保障されることが多いため、興味が"世間がどう見るか(体裁)"に集中している。
また、アメリカ人や中国人が自分の評価が高いのは、パックス・アメリカーナや中華思想に象徴される自尊心の強さが影響しているように感じます。
韓国人も自尊心は強いように思いますが、儒教思想の影響から"謙遜"の傾向が出たのではないでしょうか?
最近の若者を"無気力"だと批判したり、教育制度が間違いだったとする論調がありますが、まずは"無気力"にさせる社会をつくっている大人が己の胸襟を正し、努力が公平に評価される社会をつくるべきですね。
まず、大人がしっかりしないといけませんね。大事にしている事という問いかけでは漠然として十人十色で収集がつきませんが、はて、弱ったな。私はなんだろう。家族?これも漠然ですね。かっこつけると、普通にある日常でしょうか。悲喜こもごもの人生そのものが大事ですね。