考える葦のブログ

さわやかに さりげなく

インサイダー、見方はいろいろ

2006-06-05 21:28:11 | 徒然なるままに

「マスコミ各紙の既報通り」村上世彰さんが逮捕されましたね。

<インサイダー取引>村上氏が容疑認める 株取引の引退宣言
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20060605-00000030-mai-soci

「皆様にご迷惑をおかけしたことをおわびします」。証券取引法違反疑惑に揺れる「村上ファンド」の村上世彰(よしあき)代表(46)は5日、記者会見を開き、謝罪した。「インサイダー情報を聞いてしまった」などと経緯に触れ、特捜部の事情聴取に容疑を認めたことも明らかにした。株主の利益を前面に押し出し、経営者を震撼(しんかん)させた「もの言う株主」は、「この世界の憲法(証取法)を破ってしまった。私は(業界から)身を引きたい」と引退宣言で締めくくった。(毎日新聞)

テレビのニュースでは早速、村上さんの生い立ちからここまで儲けた軌跡など多くの時間を割いて説明しています。罪は罪ですけど、何だか偏った報道ではないでしょうか。
というのは、いかにも今回の疑惑の取引が「村上さんとライブドア」というヒール役だけで進んだかのように説明していますけど、忘れちゃいけないのは「きっかけはフジテレビ」だったこと。「ライブドアの買占め」行為の前に「フジテレビのTOB」があったわけで、これこそが村上さんの「想定内」だったはすですよね。ライブドアこそ「想定外」であって、ある程度の株を買い集めれば、フジテレビが「5%以上買い集める」手段に出てくることが村上さんの投資根拠だったようにボクは想像しています。
まぁ、「プロ中のプロ」が罪を認めていることを云々言っても仕方がありませんけど。

みなさん、ハローです。ホディです。

さて、何となくキーが重いんですけど・・・

村上さん引退後の株式市場はどうなるんでしょうね?
村上さんが投資する株は、最近では「村上銘柄」と呼ばれるくらいのステータスというか、位置づけとなっています。ある意味、村上さんの投資行動自体が「インサイダー情報」であって、多くの「村上銘柄」は大量保有報告書に村上ファンドの名前が出るのと前後して株価が高騰していきます。
そんな投資現象を引き起こすまでに存在感があったわけですから・・・

また、週末にボーっと見ていた「ワッツ!?ニッポン」という番組では、村上さんの言動が変わったと以下の発言を元に説明していました。

<当初の村上さん>
・会社は株主のためにがんばるべきだ。経営者は株主価値を上げるために努力して欲しい。

<最近の村上さん>
・僕は投資家のために1円でも多く還元したい。

どう思いますか?
これだけでは、村上さんが変わったのかどうかはこの言葉では判断できないですよね。片や「株主」としての意見ですし、片や「投資ファンドの代表」としての意見ですから。見ている方向が全く違うので、言っていることが違って見えるのは仕方がないことのように感じます。
逆にボクは、村上さんはほとんど変わっていないんじゃないかな・・・と思っています。

閉鎖的だった日本の株式市場に、突如「株主に還元しろ」と、議決権という武器を持って「得体の知れぬ」村上さんが表舞台に現れたのが約5年前。その当時は、ほとんどの人がこういう問題には無関係で、外から眺めていたと思うんです。実際にボクもそうでした。
その後、疑惑のニッポン放送株問題で、多くの人がテレビカメラから村上さんたちを見るようになり、最近は阪神電鉄株で甲子園のグラウンドから村上さんを見るようになってきたわけです。
実は、村上さんも会社の経営者もあまり変わっていなかった・・・
でも、村上さんを見るボクらの視線が変わった・・・
こんな風に感じています。

株式市場や株主還元がどうあるべきかについては、ボクには明確に答えることはできませんし、今なお正しい答えなんてないような気さえします。
少なくとも稀代の投資家(ギャンブラー?)が危険球で退場させられたことが事実として残りました。次の幕は誰によって、どのように開けられるのか?
梅雨入り間近なのは天気だけにして欲しいと心から願う今日この頃です。

最後に、もう少し。
いよいよ今週末からW杯ですね。昨日はMALTA、MALTAと、鳥取県出身のサックス奏者を思い出しながらサッカーを見ていました。
いろいろ厳しい意見が多いようですけど、本番前ですからこれでOK!でしょう。
開幕戦は9(金)のドイツ対コスタリカ。日本戦は12(月)オーストラリア戦、18(日)クロアチア戦、22(木)ブラジル戦。22だけ実際は23(金)の早朝ですか。
ワクワクしますね!


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4 コメント

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出る杭は・・・ (fall)
2006-06-06 00:53:46
東京地検のヒルズ狩りはヒドいですねぇ。70年後半~80年代にかけての田中派狩りを彷彿させます。以前の地検は真の巨悪に立ち向かう果敢さがありましたが、最近の地検は権力を振りかざして異端を狩るだけ。法曹界と放送界がタッグを組んで悪乗りしているように思えて仕方ありません。ITの寵児たちの逮捕によって日本経済もシラけたムードになるでしょうね。
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re:出る杭は (hoddy)
2006-06-06 10:23:38
fallさん、コメントありがとうございます。



法曹界と放送界のタッグですか。上手いですね~

ホットなのはテレビと新聞くらいで、確かにシラけたムードのような気がします。

個人投資家を騙した云々と偉い人は話していますけど、実際に個人投資家を転落させたのは手段を選ばない「ヒルズ狩り」ですよね。



そして、真の巨悪・・・おっしゃるとおりですね。

日本も再び梅雨入りでしょうか?季節は巡りますね。



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気にかかるのは… (yuyu)
2006-07-05 13:03:29
生い立ち、幼少の頃の発言、文集…

プライバシーって検察に捉まっちゃったらお国に献上しないといけなかった?

村上さんは変われないのかも知れません。

その必要はないと。

hoddyさんの仰る私達の視線が変わった。

その通りですね。時代だったり、感覚だったり…

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re:気にかかるのは (hoddy)
2006-07-05 20:56:42
yuyuさん、コメントありがとうございます。



有名人が犯罪を犯すと、その人の生き方から犯罪にしてしまうのは、怖いですよね。。。

一方、日経の社員のインサイダー取引についての多くは報道されぬままです。



ボクらが変わっていくように、マスコミや会社も変わっていかないといけませんよね。



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