諸葛菜草叢記

 "窓前の草を除かず“ 草深き(草叢)中で過ごす日々の記

行く秋や vol.1

2012-11-01 21:30:12 | 日記・エッセイ・コラム

行く秋や 抱けば身に添う膝がしら -太 祇  “秋 寒”の候です。 公園を歩いております時に、日の当たる側のベンチに腰をおろしたりいたします。 暑い暑いのお噂は何時の事やら、まさに“光陰矢の如し”であります。

 堰堤に 鷺集いたる 小春日は 沼面穏(おだ)しく 鴨漂える ー夢蔡ー

20121013_019嘴ー黄色 【チュウサギ】 黒-【コサギ】 * この鷺たちは、沼中央の弁天小島を本拠にする“生活者”です。今年生まれもまじっております。朝に南東方向に(多分、利根川のザラ瀬)、群れなして飛んでゆきます。午後に戻って、しばし憩います。

鴨の水尾 光り長々 秋行かむ ー夢蔡ー

20111104_003 ▲ 午後も3時を回ると、“秋の陽”は、早くも傾き始めます。“立冬”まであとわずか。北の方から、寒冷前線 が下りてくる。寒冷適応形のカモ達だが、冬の食生活はきびしい。

 この沼に 生きる宿命(さだめ)や 白鷺を はつかに染めて秋の陽は落つ ー夢蔡ー 

20111003_010 ▲ 「秋の日は釣瓶落とし」 ほんの数分前は、シラサギは、ほんのりと薄紅色に染っておりました。西の山の端に、陽が隠れ始めると、沼面は赤く静まります。サギの姿は、影絵となります。

 「 気は澄みて /  天象(てんしょう)明らかなり ・・・/  来雁(らいがん)余声あり 」 (大気は澄んで空はくっきり晴れ上がる。飛び来たった雁の声が辺りに響く)ー陶 淵明ー

 もう日が暮れました。サギたちは、弁天小島の木の上で眠ります。カモは、漂いつつ“浮き寝”です。時々モノの気配を感じてか、警戒音の甲高い声を立てます。安眠の妨げでしょうかーー

    ーーもう帰りますーー<了>ーー


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