四分音符の規則をはみ出した、幻滅じみた気分の羅列が
半端な外殻の様な部屋の
間取りの中心で渦を巻いた
そのとき生まれたファルセットがなにを歌おうとしていたのか
きっとお前にだって想像がつくだろう
時を食らう肥満気味のバク、嘔吐の予感に苛まれながらそれでも宿命からは逃れようとしない
俺たちはみんな時代錯誤な足枷をはめて
気紛れがなにかを構築するのを渋々眺めている
しょぼくれた街の
音の無い夜には余計にそんな感触が足首を騒がせるのさ
夜更かしが過ぎると
切り取られた場所で限られた酸素を吸ってるみたいな気分になぜ
それは根源的な孤独を浮き彫りにして
なおかつ妙に心を落ち着かせたりもする
へその尾を処置された瞬間の記憶が
きっと俺をそんなところへこっそり引きずり込むのだ
選ぶも選ばないも、俺たちはひどく欲が深くて
後戻りは出来ないと分かっていても奇妙な横道に足を踏み入れるのだ
胃袋に余計な物をたくさん詰め込まなければ
なにを理解した気になることもない
もっと喰わせてくれ、もっと喰わせてくれ、さながら餓鬼の様に意識の淵をうろつき
美味そうだと思えたならとうに死んだものにまでかぶりつく
喉を通過する感触なしに
なにを理解することが出来るというのだろう?
四分音符の規則をはみ出した、幻滅じみた気分の羅列
渦巻きはひどく速度を増して
術のない俺の頬を傷つける
もっと血を流して、もっとここを濡らして、本物の欲望はどこか官能的で
淡い痛みにうっとりと
俺は目を閉じかける
切り取られた場所で限られた酸素を吸って、ああ、ひとりなんだと
そんなことがえらく幸せなことに思えたんだ
旋律に貪欲な餓鬼は能力を持ち
その上でこの上なく飢えて徘徊する
寝惚けた俺の爪が
そいつらの差し出した掌と奇妙にリンクするとき
俺は奇妙なほど
渦巻きの中心に向けて疲弊した眼を凝らすだろう
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