不定形な文字が空を這う路地裏

執拗ナ稼動ノ元ニ死ス





壊れた自動ドアの
絶間無い開閉の向こうで
淫らな髪形をした
お前が笑っていた

可笑しいことなど何も無いのに
嬉しいことなどもっと無いのに
下手な死後硬直の様に
強く釣り上がったお前の口元

ストロボフラッシュの様な
自動ドアのシャッタード
それを前にして
俺は泣いていたんだ
叩き壊そうとして
奇妙な音を立てて割れた人差し指の骨

痛みの為に流れた涙じゃ無かった

俺達はどうすれば
個体を超えられるのだろう
電気系統の異常など
本当は大したことではないんだ

瞳は交錯していたけれど
そこにラブソングは無かった
希望と呼ぶほど楽観的では無く
絶望と呼ぶほど情熱的では無かった
お前の肉体と俺の肉体
違う形をしていることにどんな意味があると言うんだ?

誰もやって来なかった
見事な程に誰も
統率力に欠けたシステムの前で
俺達はヒトラーの様な
閃きを見たんだ

そうさ
銃口を舐めまわしながら逝った
あの
ヒトラーの閃きさ
俺達は決してファシストじゃ無かった

なのに
引鉄は引かれたんだ
銃よりも確実に
弾丸よりも緩慢に

長く
長く
弓を引いては
当ても無く手放す様に
続く自動ドアのシャッタード

ずっと同じ
スチュピッドな雰囲気で
笑ったままフリーズしたお前

ああ
滅茶苦茶に


壊してやりたいよ

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