不定形な文字が空を這う路地裏

連なるボーダーライン



言葉が通じる様になったら俺達はお終いだ、君は俺の襟元を掴んで
「お前の言ってることは何一つ分からない」と叫び続けろ、俺は腹を立てたりしない
お前に答える用意なら何時だってあるさ、理解の前に誤解があることを
俺達は常に心に留めておかなければならないよ
俺は君と共通言語で話しをする様な
なあなあな仲には決してなりたくはないんだ
容易く理解し合ってはならない
真実のすべては騙し討ちの様にやって来るよ、そうして
やって来た時には往々にして事態は手遅れなんだ
向かいの空っぽの椅子を見ながら、誰か居るみたいに話をする様な真似は二度とやりたくないんだよ
オウムの様な詩人にはなりたくない、常に
新しい領域を探し続けなければ俺はきっと死んでしまう
理解なんて求めないよ、いっそのこと
誤解されたままでも構わないし、俺がふるいにかけるのか、君がふるいにかけるのか
どっちでも好きな方を選んで
悦に入ってりゃいいだけの話だ
付き合いなんて所詮そんなようなもんさ
俺は新しく言葉を始めるよ、同じ言葉じゃ同じ満腹しか得られないもの
そうすれば、君は
もしかしたら俺の心を突然知るのかもしれないな
そしたら指笛を鳴らせ
新しい盾を持って君を守りにゆくから

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