不定形な文字が空を這う路地裏

とるに、たらない











黙って
虫の様に


時々
震えて



瞬きの度に
何かを見落としたような気がする
呼吸の度に


理由を忘れた気がする
2時間前から降り出した雨は



大人しいが意固地な女の様に

街に張り付いて



パソコンのプレイヤーでは
鈴木祥子が流れてる

本当にいいものはこっそりと生まれて



いつはたと気づいても
必ず生き残っている


サヴァイバルや
ポエジーを

大上段から振りかざすのは辞めようや
もっと呼吸の様でいい
もっと


無意識に呟く言葉みたいに



革命なんか起こらない
魂なんか伝わらない
倒れた人は起こせない




言葉をいったいなんだと思っているの?




俺はそこまで行かないよ
だけどこれに嘘は無いよ

間奏の弦楽はスキャットを拒否する


チッ、チッ…と、舌で湿ったカウントを取って

次のメロディーの頭を掴んだ、そんなことをしながら書いているからいつもより行間を多用する



行間だの韻だのって

ひとつの
思わせぶりみたいなもんだよな
言いたいことがあるのに黙ってみせる



本当の旋律は隠してみせる
俺は何もしていない




駆け引きの無いものが本当だって
昔から

教えられてきたもんでね



だいたいのもんは勝手に作られる
俺のこの身体だってそう




言葉が
そうであっていけない理由は無い
もちろん
これも




ひとつの与太話みたいなもんさ

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