草庵の記

弓部大動脈、腹部大動脈、腸骨動脈、冠動脈にステント11本。
私の体はサイボーグ

もしあなたが大動脈瘤と言われたら

2023-01-20 14:57:42 | 病のこと

もし、あなたが大動脈瘤と言われたら…
参考になればと記します。



 ↑ 弓部大動脈瘤

 ↑ 血管の外側にもコレステロールや脂肪が付着の写真(=_=)

 


執刀主治医からのインフォームドコンセント


弓部大動脈瘤の位置が非常に悪い。
そして性質も悪い。

女性の危険域は5cmであるが私の場合は6cmを超えている。
手術を待っている間にも破裂しかねない。
(前年12月30日破裂の前兆で入院)

血管は年齢の割にコレステロール、脂肪、ヘドロ、血の塊が多すぎる。
60才前半でこの例は非常に珍しいというか見たことない。

腹部 左足に狭窄があり、あり、瘤になりかけも複数個所ある。
これらは動脈硬化が原因で狭窄、瘤ができる。

右冠動脈他左2本にも血管に狭窄がある。
検査自体に脳梗塞の確率が高いので検査できない。

一番大事な左冠動脈にカテーテル検査が必要。
50%だとまだ処置の必要はないが、75%の狭窄であれば治療が必要。

狭窄の方法として
①薬
②カテーテル治療
③バイパス手術
  手術時間は20~40分 (2本治療では)
  リスクは傷が残る。
  自分の脚の静脈の血管を使う。

MRIの検査結果では脳の血管の狭窄は無い。

弓部大動脈瘤に関しては人工血管置換術を重視する。
術後の心臓治療を目的とする。

人工血管
 頸動脈を切って3分岐点から全部を置換する。

脳障害を避けるため
 心肺を停止する。そのため低体温(25℃)とする。
 その間、チューブで脳に血流を送る。

体温を下げるのに30分、体温を戻すのに1時間半かかる。

それにしても私の血管の状態が非常に悪い。
血管の中がデコボコ、コレステロール、脂肪等のヘドロが
手術中にいろんな臓器に飛ぶ危険が大きい。

足の血管もひどく手の打ちようがなくて模索している。
最終案として左足(膝下)からバイパス血管を抜く予定だが、

血管が細すぎる。

さらに1分に4リットルを体内に戻すのだが、血管があまりに
ボロなので一挙に返すと血管が破れるだろう。
そこで2か所に分けて半分ずつ戻す分散送血をやることにしました。

9時半に手術室に入り点滴をしてゆき、10時半から手術実施。

手術は両足の鼠径部からやり、人工血管置換に要する時間は1時間半、
その後あちこちの出血を止血してゆく。

瘤の手術は16時まで、バイパス術終了は18時と予定している。

その後ICUに入る。
麻酔から覚醒するのに6時間掛かる。
麻酔から覚めるまで脳の状態は把握できない。

ICU 2泊3日で一般病棟に移れます。

動脈瘤は79才80才以降の年配者の病気である。若いのに…。

今回の救命確率は50%。


リスク
 動脈硬化がひどい血管の状態のリスクは
  トラウルを起こしやすい。
  ・出血
  ・余病がたくさんある内臓には食道に孔をあけてしまうことがある。
   食道に孔があくと死に至る。
  ・感染症、人工血管に黴菌がつくと手の施しようがない。1/200の確率。
  ・心臓に水が溜まることがある。
  ・反回神経に触らなければならないので嗄声になる可能性がある
   水をのむときに孔が空いてむせることがある。上手に飲む練習をする。
  ・腎梗塞、肺梗塞、他いろいろの梗塞の危険がある。
  ・運動しないとエコノミー症候群で血流が悪くなる。
  ・バイパス術の成功率は98%だが、2%の人は詰まることがある。
    私はその2%に該当してしまった。


と以上が外科医Y先生の説明であった。



ぼこぼこ、ボロボロの静脈をバイパスに使ったので

速い段階で右冠動脈は詰まってしまいました。

医療はどんどん研究が進み術式も変わります。

これは13年前、63才のときの写真や術内容です。

 

今はカテーテル治療が多いのですが、場所的に

弓部は開胸手術しか方法がないようです。

殊に私の瘤は場所も形も最悪だったようです。

13年息苦しさを初め、全身の痛みや空咳他、

眩暈、失神など不整脈の連続で相当に苦痛の

13年を送りました。

結局は薬害(副作用)でもあったようです。

血液サラサラ(抗凝結剤)のお薬は体への

負担が大きかった。

 

今は冬、心臓や血管関係の病気を発見される

時期と言えます。

参考になさってください。

 

12月に術(右冠動脈閉塞の開通)半年後検診の

予約を入れていましたが家族感染で濃厚接触者、

病院に迷惑をかけるので一旦お断りして

新たに3月予約ができました。

 


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