気まぐれ日記

気ままに、また、思い出に

大塚国際美術館 受胎告知

2018-10-02 | 美術館(キルト展を含む)
B2 ルネサンス
まずは、「受胎告知」の部屋から。
「受胎告知」は、画家が色々と趣向を凝らしているので、観るのが楽しいですね。

ティントレット 

受胎告知というより、「受胎告知に現れた大天使カブリエルに驚く聖母マリア」と、タイトルを変えたい。

天使たちを引き連れ、マリアの部屋に飛びこんで来た、カブリエルの脚はまだ、扉の外だし、マリアは、驚いて身を引いています。
なぜか、農家風の部屋。

さらに左手、家の外では、婚約者のヨゼフが何も気づかす仕事中。



ボッティチェリ

外の景色が美しく眺めらる部屋に突然舞い降りて来た、カブリエル。その衣は、まだ風を はらんでいます。少し身を引くマリアは、彼女を象徴する赤と青のコスチュームとなっています。



ボッティチェリの師匠のフィリッポ・リッピ

柱廊に二人の天使とともに降りて来た、カブリエル。その横手前には、ユリを挿すために水が入ったガラスの壜が置かれいます。地味な衣装のマリアより、赤いマントの天使たちが目立っています。
遠近法を使った奥行きを感じさせる風景になっています。



シモーネ・マルディーニ
「受胎告知と二聖人」

金箔を使った大変美しい作品です。
カブリエルの言葉は、マリアの耳に届き、それを聞いたマリアは、少し納得がいかない表情となっています。



フラ・アンジェリコ

カブリエルの説得を受け入れた同意を表す胸に手を充てたマリア。



1F本館のアンジェリコの「受胎告知」をもう一度。
やはり、受け入れてます。



カルロ・クリヴェッリ

孔雀等の鳥がいる、荘厳な街中に降りたカブリエル。右の室内のマリアは、告知を受け入れています。



ジョヴァンニ・ベッリーニ

こちらは、歩いて部屋に入って来た、カブリエル。
天井まで凝った造りのとても美しいマリアの部屋が描かれています。
このマリアも胸に手を充て受け入れを表しています。



ピエロ・デッラ・フランチェスカ

堂々と立っているマリアで、表情は、読み取りにくいです。全てを受け入れる肝っ玉母さんみたいにも見えます。



レオナルド・ダ・ヴィンチ

受胎告知の場面を網羅しているのは、さすがです。

柱廊に置かれた椅子で読書をしていたマリアの前に現れたユリの花を持つ大天使カブリエル。

まだ少女の面影を残す、若く、美しく、賢いマリアは、真っ直ぐにカブリエルを視て、告知の内容を理解します。
遠方の景色、足元に咲く花、凝った調度品、マリア定番の赤と青のコスチューム。
さすがはダヴィデ、まだ20代でこれだけの絵を描いたのですから。