今週末、都内には「超低気圧による暴風雨に注意!」という天気予報が出されていて、皆さんどんな天気になるのかと恐る恐る外出されていたのではないかと思います。
さて、そんな悪天候の中でしたが、4月6日(土曜日)、都内でNTT労組東日本本社総支部主催の「ユースコース 政治学習会」が開催されて、私も講師として参加してきました。
参加者は都内だけでなく、全国から集まっていて、年齢も職種も多様な皆さん。なかなか共通のテーマで話するのは難しいのですが、伝えたかったことはただ一つ ---- 「政治は大事だ!」ってこと。さてさて、どこまでタメになったと感じていただけたでしょうか?
ところで、今日の質疑の中で、消費税引き上げに伴う低所得者対策についての質問がありました。質問者の方は「今、ギリギリで生活している人たちにとって、全ての物品・サービスに一律に消費税10%がかけられるのは厳しく、生活必需品などについては軽減税率を適用すべきではないか」と問題提起をしてくれたのです。
消費税の逆進性の問題とその問題への対処方法については、皆さんもご承知の通り、この数年間の消費税論議の最大の焦点の一つでした。民主党内でもさまざまな議論がありましたが、主として、「軽減税率」と「給付付き税額控除」のいずれがより適切な政策か、という論議だったわけですね。
いずれの政策にも長所と短所があります。が、民主党は結局、消費税の逆進性対策(つまり、消費税は低所得層に負担割合が重くなるとうい問題への対応)という観点から言って、「給付付き税額控除が望ましい」という結論を出しました。給付付き税額控除によって、対象となる低所得層の方々にターゲットを絞って、消費税相当分の税額を給付(還付)することが出来るからです。所得の正確な把握が難しい、資産をたくさん持つ人の扱いはどうするのか、などの課題はありますが、それはマイ・ナンバー制度の導入や、資産への課税措置等で対応可能だからです。
軽減税率の最大の問題は、軽減税率によって富裕層も恩恵を受けるということと、軽減税率の対象を広くすればするほど税収に穴が空くことですね。
仮に、食料品全てを5%据え置き、もしくは0%や3%に軽減した場合、むしろ、食料品を大量に購入出来る世帯、またはより高級な食料品を購入できる世帯がより恩恵を受けてしまいます。全てを対象にしたときの減税額はかなり大きくなるので、結局それを別の税金で穴埋めしなければいけないという話になってしまいます。
「じゃあ食料品を贅沢品とそうでない品に分ければいいじゃないか?」と言われるかも知れませんが、その場合、何が贅沢品に該当するのかということが問題になります。キャビアは? フォアグラは? イクラは? 外食はどうします? お肉は? 和牛は高級? でも和牛にも等級(ランク)があるので、A4ランク以上にしておきます?
当然そうなれば、業界団体からは猛烈なロビー攻勢が始まるでしょうね。税率が0~5%になるか、10%になるかは相当に影響の大きな話でしょうから、「うちの商品は軽減税率の対象になるべきだ!」とあらゆる団体が主張するのではないでしょうか。もちろん、食料品に留まらずそういう声が出てくる可能性も・・・。
しかも、同じ売り場に税率が違う商品が複数存在することになるわけですから、事業者さんの労力やコストも大きく跳ね上がります。私などはそもそも、10%に上げるのであれば一気に引き上げた方が、事業者さんの労力は少なくて済むと思っていたぐらいですが、軽減税率で複数税率に対応する事業者さんの手間とそれにかかるコストは、特に中小事業者さんほど厳しいものになるでしょうね。
先ほど述べた通り、民主党政権では「給付付き税額控除」を志向していたわけですが、自公政権になって、特に公明党が軽減税率を主張しているため、自民党もそちらに引っ張られていて流れは「軽減税率」に向かっています。私たちは今なお「給付付き税額控除」の方が望ましいと思っていますので、今後の議論の中でもしっかりと訴えていきたいと思います ----
というような議論をさせていただいたので、皆さんにもご紹介させていただきました。この辺はいろいろとご意見のあるところだと思いますので、また自由にコメントをお寄せ下さい!