先日お伝えしていた、来年度の診療報酬と介護報酬のダブル改定論議、今晩、決着しました!
いや、実は、先週の党内論議の状況や、その後の政府内議論の様子を聞きながら、診療報酬改定については「プラスマイナス・ゼロ」で行かざるを得ないだろうが、最後は民主党マニフェストに配慮した形で「ゼロ・コンマいくら」にして決着するのではないかと周囲につぶやいていました。
そしたら本当にそうなったわけですが、でもまさか0.004とは・・・。これでも一応、ネットプラス・・・ですが、まあ実質は据え置きですね。
でも、ブログで解説したように、大事なのは中身なんです。本体部分の配分をどうするか、組み替えをどうするか、それによっていかに地域医療の再生、診療科偏在の解消、従事者の労働条件の改善を確実に実現するかが問われているわけです。
なお、介護報酬については1.2%のプラス改定になりました。こちらは、とにかく介護従事者の労働条件の改善をしっかりと確保することです。それによって従事者の皆さんに安心して介護を担っていただかなくてはなりません。
今後とも、政府の対応と実際の効果をしっかりモニターしていきたいと思います。
なお、厚生労働省の発表を下記に添付しておきますのでご参照下さい。
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診療報酬・介護報酬改定等について(厚生労働省 2011年12月21日)
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平成24年度の診療報酬・介護報酬の同時改定は、「社会保障・税一体 改革成案」の確実な実現に向けた最初の第一歩であり、「2025年のある べき医療・介護の姿」を念頭に置いて、以下の取組を行う。
1.診療報酬改定
我が国の医療はいまだ極めて厳しい状況に置かれている。国民・患者が望む安心・安全で質の高い医療が受けられる環境を整えていくため、厳しい経済環境や保険財政の下、平成24年度改定においては、概 ね5,500億円の診療報酬本体の引上げを行うこととし、その増加分を下記の3項目に重点的に配分する。
(1)診療報酬改定(本体)
改定率 +1.38%
各科改定率
-
- 医科 +1.55%
- 歯科 +1.70%
- 調剤 +0.46%
(重点項目)
- 救急、産科、小児、外科等の急性期医療を適切に提供し続けることができるよう、病院勤務医等の負担の大きな医療従事者の負担軽減・処遇改善の一層の推進を図る。
- 地域医療の再生を図る観点から、早期の在宅療養への移行や地域生活の復帰に向けた取組の推進など医療と介護等との機能分化や円滑な連携を強化するとともに、地域生活を支える在 宅医療の充実を図る。
- がん治療、認知症治療などの推進のため、これらの領域における医療技術の進歩の促進と導入を図ることができるよう、その評価の充実を図る。
(2)薬価改定等
改定率 ▲1.38%
-
- 薬価改定率 ▲1.26%(薬価ベース ▲6.00%)
- 材料改定率 ▲0.12%
(注)診療報酬本体と薬価改定等を併せた全体(ネット)の改定率は、+0.00%。なお、別途、後発品の置き換え効果の精算を行うとともに、 後発医薬品の推進策については、新たなロードマップを作成して強力に進める。併せて、長期収載品の薬価の在り方について検討を進める。
2.介護報酬改定等
平成24年度介護報酬改定においては、介護職員の処遇改善の確保、物価の下落傾向、介護事業者の経営状況、地域包括ケアの推進等を踏まえ、以下の改定率とする。
介護報酬改定
改定率 +1.2%
(改定の方向)
- 介護サービス提供の効率化・重点化と機能強化を図る観点から、各サービス間の効果的な配分を行い、施設から在宅介護への移行を図る。
- 24時間定期巡回・随時対応サービスなどの在宅サービスや、リハビリテーションなど自立支援型サービスの強化を図る。
- 介護予防・重度化予防については、真に利用者の自立を支援するものとなっているかという観点から、効率化・重点化する方向で見直しを行う。
- 介護職員の処遇改善については、これを確実に行うため、これ まで講じてきた処遇改善の措置と同様の措置を講ずることを要件 として、事業者が人件費に充当するための加算を行うなど、必要な対応を講じることとする。
なお、介護報酬改定の考え方と整合を取り、平成24年度障害福祉サ ービス等報酬改定は、福祉・介護職員の処遇改善の確保、物価の下落傾向等を踏まえ、改定率+2.0%とする。
改定に当たっては、経営実態等も踏まえた効率化・重点化を進めつつ、障害者の地域移行や地域生活の支援を推進する方向で対応する。
財務大臣
厚生労働大臣
大臣折衝の結果、上記のとおり合意したことを確認する。
民主党政策調査会長