白石勇一の囲碁日記

囲碁棋士白石勇一です。
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新たな挑戦者たち

2017年08月01日 23時59分59秒 | 幽玄の間
皆様こんばんは。
本日は横浜の宇宙棋院にて、級位者教室の講師を務めました。
最初は生徒さん4、5人で始まった教室ですが、だいぶ賑やかになって来ました。
やりがいも増してありがたい限りですね。

さて、お知らせが2つあります。
まず、本日から第38回文部科学大臣杯少年少女囲碁大会全国大会行われています。
明日の決勝は日本棋院ネット対局幽玄の間で中継されますので、ぜひご覧ください。

また、幽玄の間ではナショナルチーム参加棋士とDeepZenGoの対局が行われてきましたが、本日から全棋士が対局できるようになりました!
早速申し込みが殺到して11人と対局、現在は12人目です。
流石、体力無限大のDeepZenGoです(笑)。

なお、11人との対局結果は10勝1敗でした。
相変わらず強さを見せつけていますね。
では、唯一棋士が勝った安藤和繁五段との対局をご紹介しましょう。



1図(実戦)
DeepZenGoの黒番です。
序盤早々、突っ込みどころがありました。
黒1、白2の交換は百害あって一利無しです。
これが原因で、後に隅の黒が本コウのような形になってしまいました。
やはりこういう所がDeepZenGoの大きな弱点ですね。





2図(実戦)
黒1~5も違和感のある打ち方です。
右辺白への攻めを捨てた上、右下を堅く囲って白6の絶好の消しを許しました。
とても最善の打ち方とは思えません。
こんなもので十分と、店仕舞いに入っているように見えます。

DeepZenGoが形勢黒良しと判断しているとすれば、その原因として考えるのは左上隅の黒です。
ひょっとしたら、セキか何かと勘違いしていたのでは・・・。





3図(実戦)
この後突如暴走を始め、黒△などの大悪手を打ち始めました。
中央でポン抜きを許し、形勢不利との判断に変わったのでしょうか?

また、暴走を始めてからも、DeepZenGoはなかなか投了しませんでした。
左上でコウ絡みの特殊な形ができたことと、関係があるのでしょうか。

色々と不可解なことが多い1局でしたが、ともあれ1局は勝てて良かったですね。
ちなみに、この記事を書いている間にDeepZenGoが11勝目を挙げました