皆様こんばんは。
四谷大塚での囲碁入門教室は、無事3日間の日程を終えました。
大きなトラブルも無く、子供たちに囲碁のルールを覚えてもらうことができました。
四谷大塚のスタッフの皆様にもしっかりとした気配りをして頂き、大変感謝しております。
横浜校舎では1コマ1時間半の教室が1日2回、3日間で計6回行われました。
定員が1コマ50人ほどなので、300人近い子供たちが囲碁に触れたことになります。
囲碁を楽しいと思って、今後も続けてくれたら嬉しいですね。
さて、子供たちからパワーを貰って3日間頑張りましたが、流石に疲れました。
本日はブログだけ書いたら、休養に専念しようと思います。
そんな時、ネタ探ししなくて良いMaster対棋士シリーズは便利ですね(笑)。
今回登場するのは趙漢乗九段(韓国)です。
世界戦で何度も決勝まで進んでいる実力者です。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/7a/de/0eeb6e97c430197cac953b458737fbc8.jpg)
1図(テーマ図)
Masterの黒番です。
白1と打った場面ですが、白△に注目してみましょう。
この石は今のところはシチョウに取られていますが、白Aあたりに石が来ると逃げ出しが可能になります。
また、白BやCなどの当たりの強い手を打って来る可能性もあります。
それに対して、黒が逃げ出されないように白△を取っているようだと、黒△が痛んでしまいます。
そこで、後で困ったことにならないよう、予め白△の逃げ出しを防いでおくのが本手というものです。
具体的には、黒Dと抜いてしまうのが最も後腐れのない手です。
石をポン抜けるときはポン抜いてしまうのが基本ですし、まず悪手になることはありません。
ただ、近年のプロの対局では、ポン抜かずに黒Eと打つことが多くなって来ました。
将来白Dと逃げられても、黒Fから右下に追いかけるシチョウにすれば大丈夫ということですね。
白△が盤上に残るので、多少の心配も残ってしまうのですが、下方に対して影響力が強いというメリットがあります。
黒DとE、どちらが良いかは一長一短で難しいのですが、いずれにしてもどちらかを選ぶしかないと思われていました。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/28/ab/bd6399b0ea56852f6636b80aa2a94b3d.jpg)
2図(実戦)
ところが、Masterは黒1!![](https://blogimg.goo.ne.jp/img_emoji/face2_shock_s.gif)
これには驚きました。
たった1路の違いですが、Aのハザマが空いており、形が良くありません。
ですから、この手はまず棋士の発想には浮かばないのです。
しかし、考えてみれば白Aと来られたとしても黒Bと抜いておき、何も怖いことがありません。
仮に白C、黒D、白E、黒Fという進行になったとして、右上の黒が攻められる心配はありません。
むしろ、黒の勢力が黒Fまで伸びて得をしていることが分かります。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/7a/2e/4dc9a09c89516d2d7611fd6a66a98b6e.jpg)
3図(実戦)
後に、右下に入って来た白を黒1、3と攻めることになりましたが、この時に黒△が白石に近く、プレッシャーをかけています。
これが隙のありそうな黒△のメリットです。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/4b/b9/6016edfeb11c44bc1f38bbd10d708429.jpg)
4図(実戦)
その後、白△までと進みました。
右下の白は脱出しましたが、地はあまり増えていません。
いわゆる、ダメをつながらされた格好ですね。
一方黒は×の所の白石を抜いて強力な厚みを得ていますし、右辺にもかなりの黒地ができそうです。
しかも、黒Aという強烈な狙いが残っています。
後にその狙いは実現し・・・。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/2e/c1/404ba2d2c50539f89f1e2091491768ad.jpg)
5図(実戦)
黒1、3となり、白△を取り込んでしまいました。
しかも、黒5とハネられてみると、白×の一団の眼がはっきりしません。
一方的な流れになりました。
この流れは、黒1の一手だけによってもたらされたものではありません。
ですから、実際に人間が黒1と打って上手く行くとは限らないでしょう。
しかし、人間には盲点となる所にも手はあるものだな、と感心した一手でした。
四谷大塚での囲碁入門教室は、無事3日間の日程を終えました。
大きなトラブルも無く、子供たちに囲碁のルールを覚えてもらうことができました。
四谷大塚のスタッフの皆様にもしっかりとした気配りをして頂き、大変感謝しております。
横浜校舎では1コマ1時間半の教室が1日2回、3日間で計6回行われました。
定員が1コマ50人ほどなので、300人近い子供たちが囲碁に触れたことになります。
囲碁を楽しいと思って、今後も続けてくれたら嬉しいですね。
さて、子供たちからパワーを貰って3日間頑張りましたが、流石に疲れました。
本日はブログだけ書いたら、休養に専念しようと思います。
そんな時、ネタ探ししなくて良いMaster対棋士シリーズは便利ですね(笑)。
今回登場するのは趙漢乗九段(韓国)です。
世界戦で何度も決勝まで進んでいる実力者です。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/7a/de/0eeb6e97c430197cac953b458737fbc8.jpg)
1図(テーマ図)
Masterの黒番です。
白1と打った場面ですが、白△に注目してみましょう。
この石は今のところはシチョウに取られていますが、白Aあたりに石が来ると逃げ出しが可能になります。
また、白BやCなどの当たりの強い手を打って来る可能性もあります。
それに対して、黒が逃げ出されないように白△を取っているようだと、黒△が痛んでしまいます。
そこで、後で困ったことにならないよう、予め白△の逃げ出しを防いでおくのが本手というものです。
具体的には、黒Dと抜いてしまうのが最も後腐れのない手です。
石をポン抜けるときはポン抜いてしまうのが基本ですし、まず悪手になることはありません。
ただ、近年のプロの対局では、ポン抜かずに黒Eと打つことが多くなって来ました。
将来白Dと逃げられても、黒Fから右下に追いかけるシチョウにすれば大丈夫ということですね。
白△が盤上に残るので、多少の心配も残ってしまうのですが、下方に対して影響力が強いというメリットがあります。
黒DとE、どちらが良いかは一長一短で難しいのですが、いずれにしてもどちらかを選ぶしかないと思われていました。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/28/ab/bd6399b0ea56852f6636b80aa2a94b3d.jpg)
2図(実戦)
ところが、Masterは黒1!
![](https://blogimg.goo.ne.jp/img_emoji/face2_shock_s.gif)
これには驚きました。
たった1路の違いですが、Aのハザマが空いており、形が良くありません。
ですから、この手はまず棋士の発想には浮かばないのです。
しかし、考えてみれば白Aと来られたとしても黒Bと抜いておき、何も怖いことがありません。
仮に白C、黒D、白E、黒Fという進行になったとして、右上の黒が攻められる心配はありません。
むしろ、黒の勢力が黒Fまで伸びて得をしていることが分かります。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/7a/2e/4dc9a09c89516d2d7611fd6a66a98b6e.jpg)
3図(実戦)
後に、右下に入って来た白を黒1、3と攻めることになりましたが、この時に黒△が白石に近く、プレッシャーをかけています。
これが隙のありそうな黒△のメリットです。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/4b/b9/6016edfeb11c44bc1f38bbd10d708429.jpg)
4図(実戦)
その後、白△までと進みました。
右下の白は脱出しましたが、地はあまり増えていません。
いわゆる、ダメをつながらされた格好ですね。
一方黒は×の所の白石を抜いて強力な厚みを得ていますし、右辺にもかなりの黒地ができそうです。
しかも、黒Aという強烈な狙いが残っています。
後にその狙いは実現し・・・。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/2e/c1/404ba2d2c50539f89f1e2091491768ad.jpg)
5図(実戦)
黒1、3となり、白△を取り込んでしまいました。
しかも、黒5とハネられてみると、白×の一団の眼がはっきりしません。
一方的な流れになりました。
この流れは、黒1の一手だけによってもたらされたものではありません。
ですから、実際に人間が黒1と打って上手く行くとは限らないでしょう。
しかし、人間には盲点となる所にも手はあるものだな、と感心した一手でした。