皆様こんばんは。
幽玄の間では、DeepZenGoが相変わらず大人気です。
棋士全員が打てるようになってからまだ4日目ですが、既に56局もの対局が行われています。
昨日など、公式戦があった棋士も夜当然のように打っていましたね。
恐ろしいことに一時38連敗を喫していましたが、ここでも芝野虎丸七段が登場、見事連敗を止めました。
最近の芝野七段は、本当にやりたい放題です(笑)。
なお、その後大矢浩一九段も勝って人間側の通算3勝となっています。
ナショナルチームメンバーのみの時と勝率が違うようですが、切り替えのタイミングでバージョンアップが入ったのか、単なる偏りなのか、はたまた他の理由か・・・。
結論を出すにはまだ時期尚早ですね。
さて、本日は昨日の対局を振り返ります。
王座戦予選、大西研也三段との対局です。

1図(テーマ図)
私の白番です。
黒5までの布石は、手順と向きこそ違いますが、いわゆる秀策流ですね。
首を左に90度傾けてご覧頂ければ確認できるでしょう(笑)。
ただ、現在は右上へのカカリは7の小ゲイマではなく、白6の高ガカリが主流です。
あくまで趣向であったこの手が市民権を得たのは、幕末~明治初期の巨匠、本因坊秀和の影響が大きいでしょうね。
黒11の後は白A付近に開くのが定石ですが、黒BやCにゆったり構えられて面白くありません。
白は勢力を作ったので、これを生かして左上黒に迫りたいという感覚があります。

2図(参考図)
そこで、白1と迫ってから白3に開くのが、古くから定番となっている打ち方です。
白3ではAと高く開くこともありますし、開く前に白Bとさらに迫って行く打ち方もあります。
幽玄の間で中継されていた安斎伸彰七段と大竹英雄名誉碁聖の対局では、後者の打ち方が現れました。
私としても、この中のどれかを選ぶつもりで打っていました。
ただ、いくつか想定図を作っているうちに、ふと疑問が・・・。

3図(実戦)
それは、白1、3と両方高く構える打ち方は何故人気が無いのか? というものです。
これは黒Aの滑りや、場合によっては黒Bあたりに打ち込まれる弱点があるので、地を作ることだけ考えるとマイナスです。
その代わり、中央への発言権が強いというプラスがあるので、一長一短と言えます。
しかし、プロの対局では前図の構えは数え切れないほど打たれているのにも関わらず、本図の高い構えは何故かプロの対局ではあまり見たことがありません。
具体的にまずい理由があるのかもしれませんが、思い付かなかったので実際に試してみました。
私は常々、公式戦を楽しむ余裕は無いと言っていますが、考えてみればこのぐらいの段階では結構楽しんでいるかもしれません。
明らかにおかしなことさえしなければどう打っても1局の碁であり、敗着が出ることはまずあり得ないからです。
プレッシャーも少なく、自分の感性を自由に表現することができます。
芝野七段も、碁の良いところに「自由なところ」を挙げていましたね。

4図(実戦)
相手も悩んだ末、裏定石のような黒1以下を採用。
白△の位置を意識してのものでしょう。

5図(実戦)
白5まで、見たことの無い局面になっています。
この後は白Aの切りから戦端が開かれました。
少し位置をずらしただけで、ずいぶん展開が変わったものです。
この碁は少し負けそうでしたが、相手に錯覚があって逆転勝ちとなりました。
対局中は形勢が悪い自覚が無かったのですが、もし気付いていたら無茶をやって自滅したかもしれません。
知らぬが仏ですね。
幽玄の間では、DeepZenGoが相変わらず大人気です。
棋士全員が打てるようになってからまだ4日目ですが、既に56局もの対局が行われています。

昨日など、公式戦があった棋士も夜当然のように打っていましたね。
恐ろしいことに一時38連敗を喫していましたが、ここでも芝野虎丸七段が登場、見事連敗を止めました。
最近の芝野七段は、本当にやりたい放題です(笑)。
なお、その後大矢浩一九段も勝って人間側の通算3勝となっています。
ナショナルチームメンバーのみの時と勝率が違うようですが、切り替えのタイミングでバージョンアップが入ったのか、単なる偏りなのか、はたまた他の理由か・・・。
結論を出すにはまだ時期尚早ですね。
さて、本日は昨日の対局を振り返ります。
王座戦予選、大西研也三段との対局です。

1図(テーマ図)
私の白番です。
黒5までの布石は、手順と向きこそ違いますが、いわゆる秀策流ですね。
首を左に90度傾けてご覧頂ければ確認できるでしょう(笑)。
ただ、現在は右上へのカカリは7の小ゲイマではなく、白6の高ガカリが主流です。
あくまで趣向であったこの手が市民権を得たのは、幕末~明治初期の巨匠、本因坊秀和の影響が大きいでしょうね。
黒11の後は白A付近に開くのが定石ですが、黒BやCにゆったり構えられて面白くありません。
白は勢力を作ったので、これを生かして左上黒に迫りたいという感覚があります。

2図(参考図)
そこで、白1と迫ってから白3に開くのが、古くから定番となっている打ち方です。
白3ではAと高く開くこともありますし、開く前に白Bとさらに迫って行く打ち方もあります。
幽玄の間で中継されていた安斎伸彰七段と大竹英雄名誉碁聖の対局では、後者の打ち方が現れました。
私としても、この中のどれかを選ぶつもりで打っていました。
ただ、いくつか想定図を作っているうちに、ふと疑問が・・・。

3図(実戦)
それは、白1、3と両方高く構える打ち方は何故人気が無いのか? というものです。
これは黒Aの滑りや、場合によっては黒Bあたりに打ち込まれる弱点があるので、地を作ることだけ考えるとマイナスです。
その代わり、中央への発言権が強いというプラスがあるので、一長一短と言えます。
しかし、プロの対局では前図の構えは数え切れないほど打たれているのにも関わらず、本図の高い構えは何故かプロの対局ではあまり見たことがありません。
具体的にまずい理由があるのかもしれませんが、思い付かなかったので実際に試してみました。
私は常々、公式戦を楽しむ余裕は無いと言っていますが、考えてみればこのぐらいの段階では結構楽しんでいるかもしれません。
明らかにおかしなことさえしなければどう打っても1局の碁であり、敗着が出ることはまずあり得ないからです。
プレッシャーも少なく、自分の感性を自由に表現することができます。
芝野七段も、碁の良いところに「自由なところ」を挙げていましたね。

4図(実戦)
相手も悩んだ末、裏定石のような黒1以下を採用。
白△の位置を意識してのものでしょう。

5図(実戦)
白5まで、見たことの無い局面になっています。
この後は白Aの切りから戦端が開かれました。
少し位置をずらしただけで、ずいぶん展開が変わったものです。
この碁は少し負けそうでしたが、相手に錯覚があって逆転勝ちとなりました。
対局中は形勢が悪い自覚が無かったのですが、もし気付いていたら無茶をやって自滅したかもしれません。
知らぬが仏ですね。
