皆様こんばんは。
王座戦挑戦者決定戦、一力遼七段と芝野虎丸七段の対局は序盤から大変な戦いになりました。
どちらかが潰れて終わってもおかしくないと思いましたが、流石碁界トップクラスに手の読める両者、見事に分かれましたね。
中盤が終わる頃には一力七段の勝勢がはっきりしたと思いましたが、そこからの芝野七段の粘りには鬼気迫るものを感じました。
秒読みの中あれだけ粘れるのですから、高勝率を維持できるのも当然ですね。
しかし、一力七段も計算能力には定評があります。
最後はがっちり1目半を残し、井山裕太王座への挑戦権を獲得しました。
なお、解説付きの棋譜は幽玄の間でご覧頂けます。
井山裕太王座は、番碁では村川大介八段以外には年下に負けていません。
一力七段は鋼鉄の壁を突き破ることができるでしょうか?
楽しみな五番勝負になりますね。
また、阿含桐山杯決勝は、高尾紳路名人と六浦雄太三段の顔合わせとなりました。
六浦三段は若手の成長株と言われていましたが、こんなに早く出て来るとは思わなかったですね。
何しろまだ18歳・・・また10代か、と呆れてしまいます(笑)。
決勝戦は確か10/7(土)だったと思います。
こちらも楽しみに待ちましょう。
最近の若手棋士は本当に強いです。
それが明確に分かるのが新初段シリーズです。
入段の決まっている若手が一流棋士と対局する企画ですが、長い間2子で良い勝負ぐらいのイメージでした。
しかし、近年は定先に固定されており、しかも結構健闘しています。
先で良い勝負ができるということは、互先で勝つ可能性もあることを示しています。
実際、多くの一流棋士が被害に遭っています(笑)。
今回は、最近の若手が何故そんなに強いのかを考えてみましょう。
<1>情報化社会の恩恵
インターネットの普及等により、教材となる棋譜が素早く、いくらでも入手できるようになりました。
また、国や地域を越えて対局できるようになったことも大きいですね。
この恩恵は地方で特に大きいです。
地方では同年代のライバルを探したり、棋士の指導を受けることは難しかったですが、インターネットの普及により状況は大きく変わりました。
その結果、レベルは大きく上がり、ひいては都市部のレベルアップにもつながっているでしょう。
インターネット自体は昔からあるとは言え、ネット対局が広く行われるまでには時間がかかりました。
私は中学2年生頃から始めましたが、まだネット対局をやっていて当たり前という時代ではなかったと思います。
何しろ、常時接続が当たり前ではなく、うっかりすると電話代が酷いことになるような時代でした。
私はそれで親に怒られたこともあります(笑)。
しかし、現在の若手は子供の頃からインターネットを活用して来ています。
この差はかなり大きいですね。
<2>上に上がりやすいシステム
これは私が入段する以前からですが、大手合の撤廃を含む予選システムの改革により、段位による棋戦への影響がほぼ無くなりました。
以前は、四段以下の若手はまず低段者予選を打たなければいけませんでした。
その結果、有望な若手同士で潰し合い、中々上に行けないということがよくありました。
しかし、現在は入段直後こそ全て一番下からのスタートですが、以降は基本的に前年の成績のみで決まります。
初年度に活躍すれば、翌年は本戦やリーグ戦に非常に近いところからスタートすることも可能です。
この結果、低段者でも本戦入り、リーグ入りを果たしやすくなり、自信と経験が積みやすくなりました。
最近の若手は一流棋士と対局しても、自然体で実力を発揮できているように見えます。
<3>競争の激化
強い子供、院生、若手棋士が増え、同年代での競った勝負の機会が増えています。
そして、これがまた全体のレベルアップにつながっているのです。
何しろ、楽に勝ってばかりではなかなか自分の課題を見付けることができません。
また、細かい終盤勝負もなかなか経験できないでしょう。
終盤に強くなくては、プロの世界で活躍することは不可能です。
<4>ナショナルチームの設立
最近はナショナルチームというものもでき、若手棋士のレベルアップに一役買っています。
ナショナルチーム内での強化対局はもちろん、海外遠征の機会が増えたことも大きいです。
世界の同年代のライバルやトップ棋士との対局は、勉強にもなりますし刺激にもなるでしょう。
他にも様々な要因が考えられるでしょうが、パッと思い付くものを挙げてみました。
中国や韓国の棋士も同様にレベルアップしており、追い付くことは簡単ではありません。
しかし、差は確実に縮まって来ています。
日本の若手が層の厚さで中国、韓国に追いつくことは、社会の違いもあり、5年や10年ではまず不可能です。
しかし、個人レベルで勝負できる若手は出て来ているので、まずは彼らの成長に期待したいと思っています。
王座戦挑戦者決定戦、一力遼七段と芝野虎丸七段の対局は序盤から大変な戦いになりました。
どちらかが潰れて終わってもおかしくないと思いましたが、流石碁界トップクラスに手の読める両者、見事に分かれましたね。
中盤が終わる頃には一力七段の勝勢がはっきりしたと思いましたが、そこからの芝野七段の粘りには鬼気迫るものを感じました。
秒読みの中あれだけ粘れるのですから、高勝率を維持できるのも当然ですね。
しかし、一力七段も計算能力には定評があります。
最後はがっちり1目半を残し、井山裕太王座への挑戦権を獲得しました。
なお、解説付きの棋譜は幽玄の間でご覧頂けます。
井山裕太王座は、番碁では村川大介八段以外には年下に負けていません。
一力七段は鋼鉄の壁を突き破ることができるでしょうか?
楽しみな五番勝負になりますね。
また、阿含桐山杯決勝は、高尾紳路名人と六浦雄太三段の顔合わせとなりました。
六浦三段は若手の成長株と言われていましたが、こんなに早く出て来るとは思わなかったですね。
何しろまだ18歳・・・また10代か、と呆れてしまいます(笑)。
決勝戦は確か10/7(土)だったと思います。
こちらも楽しみに待ちましょう。
最近の若手棋士は本当に強いです。
それが明確に分かるのが新初段シリーズです。
入段の決まっている若手が一流棋士と対局する企画ですが、長い間2子で良い勝負ぐらいのイメージでした。
しかし、近年は定先に固定されており、しかも結構健闘しています。
先で良い勝負ができるということは、互先で勝つ可能性もあることを示しています。
実際、多くの一流棋士が被害に遭っています(笑)。
今回は、最近の若手が何故そんなに強いのかを考えてみましょう。
<1>情報化社会の恩恵
インターネットの普及等により、教材となる棋譜が素早く、いくらでも入手できるようになりました。
また、国や地域を越えて対局できるようになったことも大きいですね。
この恩恵は地方で特に大きいです。
地方では同年代のライバルを探したり、棋士の指導を受けることは難しかったですが、インターネットの普及により状況は大きく変わりました。
その結果、レベルは大きく上がり、ひいては都市部のレベルアップにもつながっているでしょう。
インターネット自体は昔からあるとは言え、ネット対局が広く行われるまでには時間がかかりました。
私は中学2年生頃から始めましたが、まだネット対局をやっていて当たり前という時代ではなかったと思います。
何しろ、常時接続が当たり前ではなく、うっかりすると電話代が酷いことになるような時代でした。
私はそれで親に怒られたこともあります(笑)。
しかし、現在の若手は子供の頃からインターネットを活用して来ています。
この差はかなり大きいですね。
<2>上に上がりやすいシステム
これは私が入段する以前からですが、大手合の撤廃を含む予選システムの改革により、段位による棋戦への影響がほぼ無くなりました。
以前は、四段以下の若手はまず低段者予選を打たなければいけませんでした。
その結果、有望な若手同士で潰し合い、中々上に行けないということがよくありました。
しかし、現在は入段直後こそ全て一番下からのスタートですが、以降は基本的に前年の成績のみで決まります。
初年度に活躍すれば、翌年は本戦やリーグ戦に非常に近いところからスタートすることも可能です。
この結果、低段者でも本戦入り、リーグ入りを果たしやすくなり、自信と経験が積みやすくなりました。
最近の若手は一流棋士と対局しても、自然体で実力を発揮できているように見えます。
<3>競争の激化
強い子供、院生、若手棋士が増え、同年代での競った勝負の機会が増えています。
そして、これがまた全体のレベルアップにつながっているのです。
何しろ、楽に勝ってばかりではなかなか自分の課題を見付けることができません。
また、細かい終盤勝負もなかなか経験できないでしょう。
終盤に強くなくては、プロの世界で活躍することは不可能です。
<4>ナショナルチームの設立
最近はナショナルチームというものもでき、若手棋士のレベルアップに一役買っています。
ナショナルチーム内での強化対局はもちろん、海外遠征の機会が増えたことも大きいです。
世界の同年代のライバルやトップ棋士との対局は、勉強にもなりますし刺激にもなるでしょう。
他にも様々な要因が考えられるでしょうが、パッと思い付くものを挙げてみました。
中国や韓国の棋士も同様にレベルアップしており、追い付くことは簡単ではありません。
しかし、差は確実に縮まって来ています。
日本の若手が層の厚さで中国、韓国に追いつくことは、社会の違いもあり、5年や10年ではまず不可能です。
しかし、個人レベルで勝負できる若手は出て来ているので、まずは彼らの成長に期待したいと思っています。