白石勇一の囲碁日記

囲碁棋士白石勇一です。
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サマー碁キャンプ

2018年08月30日 23時59分59秒 | 仕事・指導碁・講座
<本日の一言>
時々財布を忘れて出かけることがあります。
キーホルダーに予備のお金を入れているので電車には乗れますが、何度も切符を買ったり、料金を調べたりと色々面倒です。
でも、一昔前まではそれが普通だったのですが・・・。
便利さに慣れてしまうと、元の生活に戻るのは難しいですね。


皆様こんばんは。
本日は「サマー碁キャンプ」で講師を務めました。
サマー碁キャンプとは、各国から囲碁を学びたい、文化を体験したいという方々が集まるセミナーです。
内容としては講座はもちろん、施設やタイトル戦の見学、大会参加などもあるようです。
期間は2週間ぐらいということで、参加者の皆様はやる気に満ち溢れているようでした。

私が行ったのは、大盤解説と指導碁、受講者の方が持ち寄った棋譜の講評です。
通訳の担当者は付いていましたが、やはりある程度は英語を交えながら喋りたいものです。
解説にはパターンがありますから、次の機会には少し覚えておくとしましょう。

それでは、今回は指導碁を題材にしましょう。
大盤解説のテーマが「石の強弱」だったこともあり、局後の解説でもそこに注目して頂くように心がけました。



1図(テーマ図)
5子局、黒番です。
黒AとBのどちらかを選ぶとしたら、正解は?





2図(石の強弱を確認)
大場の大きさを判断するには、まず周囲の石の強弱を確認しなければいけません。
その上で、なるべく自分や相手の弱い石の近くに打ちましょう。





3図(正解)
ということで、正解は黒1です。
下辺白は上辺白よりも弱く、また右下黒は左上黒より弱いからです。
白2と三々に入られても、黒AやBの余地があるので攻められる心配はありません。
白8の後、すぐにどちらかに打っても構いませんが・・・。





4図(正解続き)
黒1の打ち込みも積極的で良いですね。
右下隅を守った手が、白への攻めに役立っています。





5図(実戦)
また、白1と打ち込まれた際にも、黒△は役に立ちます。
黒6まで隅の黒は安泰で、白を一方的に攻めることができるでしょう。


ちなみに、図に英語が付いているのはちょっとしたサービスです。
受講された方の中には、当ブログの読者の方もいらっしゃったので・・・(笑)。