友人が新しい彼氏を連れて、職場に遊びに来てくれた。同僚達の目には、仲のいい2人がオレと話している、そんな自然な風景が映っていただろう。
「こんにちは。」
「はじめまして。」
別のフロアへ向かっていた2人を後から追って、冷たいミネラル・ウォーターを差し出す。以前も、同じような事をしたっけ。新しい相手ができる度、オレを訪ねて、顔を出してくれる。
いつも完璧な男を連れて来るその友人が、正直羨ましかった。でも嫉妬はしない。オレを信じて紹介してくれているから。大切な人を大切な人に紹介したい、といった主旨のコメントを何かでふいに聞かされて、凄い嬉しかったから。
「今、トレーニングで忙しいんだ。」
そんな話をすると大抵の人間は、トレーニングもほどほどにね、と呆れるものだ。でも彼はこう言った。
「じゃあ、早くカッコよくなってね。」
反射的に少しムっとした顔をすると、友人は慌てて付け足した。
「いや、今でもカッコいいけど(笑)。」
いい男はいい男と付き合って、よりいい男へと磨かれていく。それを羨ましいと思っていたのが過去の自分だとしたら、今は、羨ましいけど頑張ろう、と思える自分だろう。羨ましい程に、悔しいと思った数だけ、自分を磨いて昇華させていく。いいよね、そういうの。