大塚ゴールドに行くと、ラウンジにはいつもの笑顔が待っていた。
「今日も一緒に頑張りましょう」
彼の笑顔が好きだった。「好き」と言っても恋愛のそれではない。自分は決してノンケを恋愛対象にはしない。
「はい」
素直に返事をしている自分に驚く。実は彼の為にこの曜日だけ大塚ゴールドジムに通っていたのだ。ファンだとか追っかけではない。ただ約束を守りたかっただけだ。
オレは彼が大学生の頃から知っている。ジムで会った時に就職は?と聞いたら、「トレーナーになりたいです」と笑って答えてくれた。「じゃあ、オレがお客さんになってあげるよ」こんな他愛もない約束が2人の人生を変えた
1番目の客はオレだった。トレーナーと客。彼はオレの先生になった。社会人になった彼の顔に以前のあどけなさはもうない。「先生」と一緒にトレーニングすることが自分の人生において、いつしか大きな心の支えとなっていった。
「好きな人が出来ました」
彼女ができたと報告を受けた。いつか直接紹介すると言われたが、オレの知っている人の様でもあった。
「おめでとう」
彼とオレが初めて出会って、彼はトレーナーになって、そんな彼に彼女ができて、その間に5年の月日が流れていた。次に報告を受けた時は「今度結婚します」だった。
「そのTシャツ、自衛隊っぽくてカッコいいですね」
「航空自衛隊のTシャツだよ。」
「え、何でそんなTシャツ持ってるんですか?」
「さあね。」
彼がこの世を去ったのは、それからすぐだった。悲しいとか、そういった感情は湧かなかった。当たり前にいつも会っていた彼ともう会えないんだ、という気持ちと、もうオレは大塚には来ないかもしれないな、とだけうっすらと思っていた。
「あの、これからもずっと通って頂けますか?」
心配してくれた社員に声を掛けられた。退会はしないが他店に通うつもりでいた。大塚ゴールドは思い出が多過ぎて、あまりにもつらかったのだ。でも不思議とこう答えていた。
「分かりました。」、と。
彼と出会えて、本当にいい人生だったと思う。
「今日も一緒に頑張りましょう」
彼の笑顔が好きだった。「好き」と言っても恋愛のそれではない。自分は決してノンケを恋愛対象にはしない。
「はい」
素直に返事をしている自分に驚く。実は彼の為にこの曜日だけ大塚ゴールドジムに通っていたのだ。ファンだとか追っかけではない。ただ約束を守りたかっただけだ。
オレは彼が大学生の頃から知っている。ジムで会った時に就職は?と聞いたら、「トレーナーになりたいです」と笑って答えてくれた。「じゃあ、オレがお客さんになってあげるよ」こんな他愛もない約束が2人の人生を変えた
1番目の客はオレだった。トレーナーと客。彼はオレの先生になった。社会人になった彼の顔に以前のあどけなさはもうない。「先生」と一緒にトレーニングすることが自分の人生において、いつしか大きな心の支えとなっていった。
「好きな人が出来ました」
彼女ができたと報告を受けた。いつか直接紹介すると言われたが、オレの知っている人の様でもあった。
「おめでとう」
彼とオレが初めて出会って、彼はトレーナーになって、そんな彼に彼女ができて、その間に5年の月日が流れていた。次に報告を受けた時は「今度結婚します」だった。
「そのTシャツ、自衛隊っぽくてカッコいいですね」
「航空自衛隊のTシャツだよ。」
「え、何でそんなTシャツ持ってるんですか?」
「さあね。」
彼がこの世を去ったのは、それからすぐだった。悲しいとか、そういった感情は湧かなかった。当たり前にいつも会っていた彼ともう会えないんだ、という気持ちと、もうオレは大塚には来ないかもしれないな、とだけうっすらと思っていた。
「あの、これからもずっと通って頂けますか?」
心配してくれた社員に声を掛けられた。退会はしないが他店に通うつもりでいた。大塚ゴールドは思い出が多過ぎて、あまりにもつらかったのだ。でも不思議とこう答えていた。
「分かりました。」、と。
彼と出会えて、本当にいい人生だったと思う。