情けない話ですが、ケガしました。
キーボードのスタンドをロックする部分に
手の皮をはさみました。痛かった。
右手中指の付け根の腹の部分でカチッと押したら、
そのまま皮が挟まり、いててて!と慌てて手を
引っ込めたら、そのまま挟まった部分の皮が
スタンド側に残り、血が出ました。
血がじわっと出て、ひどく痛みました。
ケガをした場所は長岡医療と福祉の里の中だったので、
すぐに見てもらえば良かったようなものですが、
診察してもらいに行っていたのではないので、
とても言い出せる状況ではありません。
すぐに保育園の救急バッグの薬品で応急処置を
してもらいましたが、ジクジク痛みます。
それにしても、傷の大きさと来たら3mm×10mmくらい
なんだから、そんなに痛まなくたってもいいだろうと
思うのですが、これっぽっちの傷でも、理屈でなく
痛むのですから仕方がない。
ジワジワ絆創膏に血が滲むのを見ながら、痛みが
少しずつ薄れていくのを待ちました。
このまま我慢すれば治るのか?それとも、縫わなくては
いけないのか?それにしても、縫うっていったって、
皮膚はスタンドに挟まってるし。
気が遠くなり、眠くなっていきました。
あ…、こうやって意識がなくなるのか…。
いや、それは単に部屋の空調が効いていて気持ちよかった
からですけどね。
---
先週のことですが、新潟市で開催中の
「人体の不思議展」を見に行ってきました。
昨年だか、一昨年だか、東京で開催されていると聞いて
とても行きたかったのですが、それが新潟に来たのです。
『プラストミック』という技術で、本物の人間の遺体を
樹脂で固めて、臭いもしないし、触ることも出来る状態に
したものです。
「触れる」って言っても、どうなんだろう?だって生きていた
もんでしょう?樹脂で固めてあったって、人間の遺体でしょう?
倫理的にはどうなんだろうね?……でも、すごく見たいし、
評価もなかなか高いようだし、という複雑な感情が入り交じって
いました。
もうすぐ3歳になるムスメも一緒に行きましたが、
予想に反して、気持ち悪いとか怖いと言うこともありません。
それどころか、標本の男性の下半身を見て「オチンチン!」と
言って笑っている始末。
……オイオイ。
---
一体どんな態度で見たら良いんだろうと言うのが、入る前の
率直な関心事でした。
だって、ずっと神妙な顔ってのも疲れるからどうかと思うし、
ヘラヘラしてたり、冗談言ってるのもおかしいし、
医学生みたいな関心で見るのも違うし。
会場に入ると、いきなり腕の標本があります。
切り取られた腕が、ごろんとガラスケースの中に並べられて
います。筋肉が見えるようになっていたり、腱や骨が見える
ようになっているものもあります。
「まいったねー」なんて言いつつ進むと、全身の標本が
あります。前から後ろから眺めますが、なんとなく近くで
見る時は息を止めてしまいます。ニオイはしないというけど、
さすがに近くでは樹脂のニオイなのか、ロウのような?
何かのニオイがしました。
---
頭の中がぐるんぐるんと考えています。
どうなの?どうなの?と問いが一気に噴き出しています。
みんなが見ているものは、標本だけど、でも本物の人間の
体でしょう?しかも死んでるでしょう?でもって、筋肉や
内臓まで洗いざらいさらけ出しちゃってるでしょう?
生前の同意があったって言ったって、どこまで同意したの?
それに、いろんなポーズをさせられちゃっている全身標本が
あるのですが、観客に失笑を買うようなそんなポーズまで
生前に同意していたのかな?
否定するわけでもないし、素晴らしい技術だと思うけど、
プラストミック。でも、川上の頭の中では整理がつかない
ことだらけなのです。
第一、今自分が考えている脳みそが、目の前にある。
本来絶対に(?)人間が見ることのできない体の中の部位が、
ぽこんとそこにあるのです。文字通り、体の中まで、
骨の髄まで、明け透けに見えてしまうのです。
すぐそばで見ていた若い女の子が「ビーフジャーキーみたい」
と言いました。サーッと空気が冷たくなります。
標本を見ているみんなが思っているけど、決して口にしては
いけないよな…と思っていたら、やっぱり言っちゃった。
その通りなんです。ジャーキーみたい。
---
倫理的な問題は未整理な部分もあるようなのでさておき、
川上が感じたのは、人間の体はなんと精緻に作られているか
ということ。
どんなに科学技術が進んだって言ったって、ざまぁ見ろ!
こんなもの一つまだ作ることは出来ないのだ。ハハハ。
血管を固めた標本なんて、赤い珊瑚のようで、あまりにも
美しすぎるのです。
人間の体には無数の血管が走っているのは知っているし、
指をはさんだり、ちょっと切っただけでも血が出るから、
当たり前だと思っていました。しかし、その複雑なこと。
絶対人間が作ろうと思って作れるものではないだろうと
いうくらいの複雑さと美しさ。
筋肉も骨もそれらがすべて調和を保って動くおかげで、
わたし達は日々動いたり、喋ったり、ご飯を食べたり、
寝たり、遊んだり、笑ったりできるのです。
本当に最先端の科学を研究している人には再び悪いけど、
絶対こんなもんロボット屋さんには作れないだろうって
思います。まいったか!
でも、物理的に見えていたって、触れると言ったって、
構造がわかったとしても、人間の体について、わかった
ことにはならないのですよね。
指の痛みが取れるわけではないし、病気が治るのでもない。
わかってはいるけど、やっぱりわからない世界があるのです。
こんなに身近なところに深い闇がぽっかり口を開けていると
思うと本当に人体は不思議なものだと思うのです。
---
医学生らしき人や、現役の看護士さんらしき人もたくさん
いました。
「これが“ナントカ筋”で…、こっちがナントカ骨で、
…この伸びてるのがナントカ筋だね。…ほら、ここに
つながってるよ、やっぱり」なんて言っています。
医学部かお医者さんに知り合いを作っておくんだったなと
思いました。解説付きはよりわかりやすいだろうな。
---
右手の指はまだ時折鈍く痛みます。
「人体の不思議展」を見ても、このグダグダ頭には
何も大きな変化はないのですが、我が身体が今のところは、
見事に調和してなんとか機能してくれていることに感謝を
していようと思います。
一度いろいろな先入観を捨てて、まっさらな気持ちで
見てみると、何か発見があるかも知れません。
人体の不思議展は9月25日まで開催です。
機会があればぜひご覧になってみてください。
おすすめです。
小学生の自由研究にもどうでしょう?
---
ガンバロウ長岡!!!
ガンバロウ育英!!!
by 川上
キーボードのスタンドをロックする部分に
手の皮をはさみました。痛かった。
右手中指の付け根の腹の部分でカチッと押したら、
そのまま皮が挟まり、いててて!と慌てて手を
引っ込めたら、そのまま挟まった部分の皮が
スタンド側に残り、血が出ました。
血がじわっと出て、ひどく痛みました。
ケガをした場所は長岡医療と福祉の里の中だったので、
すぐに見てもらえば良かったようなものですが、
診察してもらいに行っていたのではないので、
とても言い出せる状況ではありません。
すぐに保育園の救急バッグの薬品で応急処置を
してもらいましたが、ジクジク痛みます。
それにしても、傷の大きさと来たら3mm×10mmくらい
なんだから、そんなに痛まなくたってもいいだろうと
思うのですが、これっぽっちの傷でも、理屈でなく
痛むのですから仕方がない。
ジワジワ絆創膏に血が滲むのを見ながら、痛みが
少しずつ薄れていくのを待ちました。
このまま我慢すれば治るのか?それとも、縫わなくては
いけないのか?それにしても、縫うっていったって、
皮膚はスタンドに挟まってるし。
気が遠くなり、眠くなっていきました。
あ…、こうやって意識がなくなるのか…。
いや、それは単に部屋の空調が効いていて気持ちよかった
からですけどね。
---
先週のことですが、新潟市で開催中の
「人体の不思議展」を見に行ってきました。
昨年だか、一昨年だか、東京で開催されていると聞いて
とても行きたかったのですが、それが新潟に来たのです。
『プラストミック』という技術で、本物の人間の遺体を
樹脂で固めて、臭いもしないし、触ることも出来る状態に
したものです。
「触れる」って言っても、どうなんだろう?だって生きていた
もんでしょう?樹脂で固めてあったって、人間の遺体でしょう?
倫理的にはどうなんだろうね?……でも、すごく見たいし、
評価もなかなか高いようだし、という複雑な感情が入り交じって
いました。
もうすぐ3歳になるムスメも一緒に行きましたが、
予想に反して、気持ち悪いとか怖いと言うこともありません。
それどころか、標本の男性の下半身を見て「オチンチン!」と
言って笑っている始末。
……オイオイ。
---
一体どんな態度で見たら良いんだろうと言うのが、入る前の
率直な関心事でした。
だって、ずっと神妙な顔ってのも疲れるからどうかと思うし、
ヘラヘラしてたり、冗談言ってるのもおかしいし、
医学生みたいな関心で見るのも違うし。
会場に入ると、いきなり腕の標本があります。
切り取られた腕が、ごろんとガラスケースの中に並べられて
います。筋肉が見えるようになっていたり、腱や骨が見える
ようになっているものもあります。
「まいったねー」なんて言いつつ進むと、全身の標本が
あります。前から後ろから眺めますが、なんとなく近くで
見る時は息を止めてしまいます。ニオイはしないというけど、
さすがに近くでは樹脂のニオイなのか、ロウのような?
何かのニオイがしました。
---
頭の中がぐるんぐるんと考えています。
どうなの?どうなの?と問いが一気に噴き出しています。
みんなが見ているものは、標本だけど、でも本物の人間の
体でしょう?しかも死んでるでしょう?でもって、筋肉や
内臓まで洗いざらいさらけ出しちゃってるでしょう?
生前の同意があったって言ったって、どこまで同意したの?
それに、いろんなポーズをさせられちゃっている全身標本が
あるのですが、観客に失笑を買うようなそんなポーズまで
生前に同意していたのかな?
否定するわけでもないし、素晴らしい技術だと思うけど、
プラストミック。でも、川上の頭の中では整理がつかない
ことだらけなのです。
第一、今自分が考えている脳みそが、目の前にある。
本来絶対に(?)人間が見ることのできない体の中の部位が、
ぽこんとそこにあるのです。文字通り、体の中まで、
骨の髄まで、明け透けに見えてしまうのです。
すぐそばで見ていた若い女の子が「ビーフジャーキーみたい」
と言いました。サーッと空気が冷たくなります。
標本を見ているみんなが思っているけど、決して口にしては
いけないよな…と思っていたら、やっぱり言っちゃった。
その通りなんです。ジャーキーみたい。
---
倫理的な問題は未整理な部分もあるようなのでさておき、
川上が感じたのは、人間の体はなんと精緻に作られているか
ということ。
どんなに科学技術が進んだって言ったって、ざまぁ見ろ!
こんなもの一つまだ作ることは出来ないのだ。ハハハ。
血管を固めた標本なんて、赤い珊瑚のようで、あまりにも
美しすぎるのです。
人間の体には無数の血管が走っているのは知っているし、
指をはさんだり、ちょっと切っただけでも血が出るから、
当たり前だと思っていました。しかし、その複雑なこと。
絶対人間が作ろうと思って作れるものではないだろうと
いうくらいの複雑さと美しさ。
筋肉も骨もそれらがすべて調和を保って動くおかげで、
わたし達は日々動いたり、喋ったり、ご飯を食べたり、
寝たり、遊んだり、笑ったりできるのです。
本当に最先端の科学を研究している人には再び悪いけど、
絶対こんなもんロボット屋さんには作れないだろうって
思います。まいったか!
でも、物理的に見えていたって、触れると言ったって、
構造がわかったとしても、人間の体について、わかった
ことにはならないのですよね。
指の痛みが取れるわけではないし、病気が治るのでもない。
わかってはいるけど、やっぱりわからない世界があるのです。
こんなに身近なところに深い闇がぽっかり口を開けていると
思うと本当に人体は不思議なものだと思うのです。
---
医学生らしき人や、現役の看護士さんらしき人もたくさん
いました。
「これが“ナントカ筋”で…、こっちがナントカ骨で、
…この伸びてるのがナントカ筋だね。…ほら、ここに
つながってるよ、やっぱり」なんて言っています。
医学部かお医者さんに知り合いを作っておくんだったなと
思いました。解説付きはよりわかりやすいだろうな。
---
右手の指はまだ時折鈍く痛みます。
「人体の不思議展」を見ても、このグダグダ頭には
何も大きな変化はないのですが、我が身体が今のところは、
見事に調和してなんとか機能してくれていることに感謝を
していようと思います。
一度いろいろな先入観を捨てて、まっさらな気持ちで
見てみると、何か発見があるかも知れません。
人体の不思議展は9月25日まで開催です。
機会があればぜひご覧になってみてください。
おすすめです。
小学生の自由研究にもどうでしょう?
---
ガンバロウ長岡!!!
ガンバロウ育英!!!
by 川上