自分なくし

今年に入ってからよく使わせてもらっている言葉に、「自分なくし」というものがあります。

実はこの言葉、ゴウ先生考案のものではありません。今年1月5日（水）の深夜にNHKで放送された『ものしり一夜づけ』という番組の中で、奇才みうらじゅんさんが使った言葉です。しかしとても素晴らしい概念だと思ったので、すぐにメモを取って頂戴させていただきました。

みうらさんが用いる「自分なくし」という概念は、本来自分がなりたかったがいまはなれないことが分かったものを捨てることで、複雑系の生き方を単純系の生き方に変えるというものです。

例として宇宙飛行士あたりを使っていたと思います。子供の時に宇宙飛行士になりたいと思っていてもいまはなれないと思ったならば、そこで宇宙飛行士になるという夢を捨てて自分をなくすと実に楽な生き方ができると主張されたのです。

正直、なるほどと思いました。つまらない自分のこだわりを捨てることで、新しい局面が開けてくることはよくあることだからです。

もう少しかっこよく言えば、健全な懐疑とも呼べると思います。「いまカクカクシカジカをしたいのだけれど、それは果たして本当にやりたいことなのか？」と疑うことは、人間として実に真っ当な態度だからです。

それ以来、INDECで「いまの自分なんかなくしちまえ！」そして「新しい自分を見つけろよ！」という風に使うようになりました。

特に効果も上がっていないのに英語学習法を見直そうとしていない諸君や素直に人のアドバイスに耳を傾けることを忘れた諸君には、ガンガンこの言葉をぶつけています。

英語のような外国語を学ぶということは、まさに日本語という世界でぬくぬくとしているちっぽけな自分というものやそれにまつわる様々なこだわりをなくすことを意味します。

TOEICでやっと800点くらい取れたくらいの人が、「もうオレは何も学ぶものはない」などと思っているとしたら、チャンチャラおかしいわけです。TOEIC800点なんて、なーんにも分かっちゃいないレベルなんですから。

すべてのものに謙虚に、いまの自分をなくすことでしか、外国語など上達は絶対にできないのです。変化を恐れず、転がり続けて初めて外国語ができるようになるのです。

そして信頼できる人のアドバイスを真剣に実行に移してみる。そこからまた新しい自分がみつかるのではないでしょうか。

みうらさんは決して侮れない方ですよ。「自分なくし」で行きましょう！


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