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米国版DVD『タイタニック アルティメット・エディション』

2005年11月13日 15時07分39秒 | 映画レビュー
あの『タイタニック』のDVDが、来年の1月7日にアルティメット・エディションという形で発売されます。

タイタニック アルティメット・エディション

20世紀フォックス・ホーム・エンターテイメント・ジャパン

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アメリカでは先月の25日に先行発売されています。もちろん、ゴウ先生、早速取り寄せたのでした。(このサイトをどうぞ!

まだすべてのコンテンツをチェックしたわけではありませんが、本編と差し替えられたラスト・シーン、ならびに削除されたシーンはすべて見ました。

結論から言えば、すべての削除シーンをつなぎ合わせた完全版の形でなければ、ジェームズ・キャメロン監督の意図は理解できません!

この映画をめぐっては、人間が描ききれていないという批判が公開当時ありました。壮大な歴史的悲劇が、単なるローズとジャックの恋物語で終わっている印象が強すぎる編集だったからです。その結果、ケイト・ウィンスレットもレオナルド・ディカプリオも割を食ってしまい、オスカー受賞には手が届きませんでした。

しかし、45分以上にわたる削除シーンを見てみると、オリジナル版では分からなかった背景がよく理解できます。キャメロンは、ローズとジャックの恋だけでなく、タイタニック号の乗客全員の壮大な人間ドラマも描きたかったのです。削除シーンのおかげで、『タイタニック』が単なる海難映画ではなかったことが確認できるのです。

さらに、別バージョンのラスト・シーンも、興味深いものでした。個人的には、オリジナルのエンディングがベターだと思います。しかし、こういう終わり方もありかなとうなずけます。詳しくは述べませんが、あのサルベージ船の船長役のビル・パクストンの存在に配慮したエンディングをキャメロンは撮影していたのでした。

さらに、アメリカ版のDVDの画質(16:9スクイーズ)・音質(6.1 DTS ES)は、28畳のGump Theatreの120インチ・スクリーンでも見事なパフォーマンスをしてくれました。隅々まで冴え渡った映像。どこまでも音量を上げていけるかのようにノイズ・フロアの低い迫力ある音質。最高です!

ただし、アメリカ盤の問題点は二つあります。

一つは、3枚組のDVDで、1枚目と2枚目に本編が分けられていて、続けて一気に3時間14分の映画を楽しめないこと。やっぱり途中でディスクの入れ替えをするのは面倒です。レーザー・ディスクの時代を思い出させられました(何せ、ゴウ先生、レーザー・ディスクも初代のDVDも所有していますから)。

二つ目は、削除シーンをオリジナル版につなげて完全版の形で見られるようになっていないのは不満です。Disc 3に収められた削除シーンの総計は、実際にはオリジナル版と重なった部分も相当入って45分しかありません。重複部分を削れば、完全版は3時間40分前後で出来上がったはず。キャメロンにはその再編集まで手がけてDVDを出して欲しかった恨みが残ります。

確かに、キャメロンたちのコメンタリーや各シーンのメイキングが本編からボタン一つで切り替えられるようになっているのは悪くないのですが、やはり、映画は一気に見たいですし、完全版を味わってみたかったとも思います。

日本版ではその辺は改良されるのでしょうか?改良されるとすれば、日本版は絶対に買いです。そうでないとしても、『タイタニック』ファンならびに大画面ファンならば、買う値打ちは十分にあるでしょう。

というわけで、『タイタニック』米国版DVDのゴウ先生ランキング:B+

ともあれ、『タイタニック』ファンというよりも、キャメロン・ファンであるゴウ先生、どういうものであれ、日本版が出たらやっぱり買いそうな気がします。
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