ゴウ先生がアメリカ留学のために太平洋を渡ったのが1988年6月。当時アメリカのマス・メディアは3人のニュース・アンカーマン(Big 3と呼ばれていました)によって牛耳られていた感がありました。ABCのピーター・ジェニングズ、NBCのトム・ブロコウ、そしてCBSのダン・ラザーです。
個人的には、ブロコウのニュースを一番見ていました。たまにジェニングズやラザーのニュース番組にチャンネルを合わせる程度でした。ブロコウが、ゴウ先生が在学していたアイオワ大学(University of Iowa)の学生だったことを知ったせいでもありますが、やはり彼の渋い低音の声とアクセントのない声が聞き取りやすく、ニュースの選択・取り上げ方も分かりやすかったからです。その点、ラザーはどこかテキサス訛りのようなものを感じていましたし、ジェニングズには訛りはほとんどありませんが、声が少し高くて気になりました。
それでもジェニングズのカッコよさは特筆に価しました。アメリカ大統領を始め、世界の要人たちへインタビューする場合は、必ず見ていました。彼の姿は、Big 3の中で一番テレビ映えしていたと思います。3回結婚できたのもむべなるかなという気がします。
ブロコウ、ラザーの二人が昨年から今年にかけてその王位から退いたのに対し、ジェニングズだけがテレビの前に現れ続けていました。その端正な顔と語り口は健在だったのです。
しかし、その彼も今年の4月にはテレビの世界から去りました。肺ガンだと視聴者に自分の口で直接告白して。
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P・ジェニングズ氏、肺がんで死去=米ABCテレビの看板キャスター (時事通信) - goo ニュース
2005年 8月 8日 (月) 16:57
【ワシントン8日】米ABCテレビの看板キャスターだったピーター・ジェニングズ氏が7日、肺がんのため、ニューヨーク市内の自宅で死去した。67歳だった。家族らが明らかにした。(写真は、昨年10月、米民主党のケリー大統領候補=右=にインタビューするジェニングズ氏)
ジェニングズ氏はABCの報道番組「ワールド・ニューズ・トゥナイト」で20年以上もキャスターを務めた。今年4月5日、がんであることを視聴者に伝え、テレビの画面から姿を消していた。
同僚の話では、1988年に禁煙したが、2001年9月の米同時多発テロ以後、また喫煙していた。今春になって、がんにかかったことをようやく知ったという。
家族の声明によると、ジェニングズ氏は妻のケース・フリードさんや子供たちに囲まれて、安らかな最期だった。声明は「良い人生だったと彼は思っている」と記している。
ジェニングズ氏はカナダのトロント生まれ。父親は同国で著名なテレビジャーナリストだった。26歳で米ABCのキャスターに抜てきされたものの、低視聴率で降板。レバノン勤務などを経て、75年にワシントンに戻り、キャスター職に復帰した。
83年、「ワールド・ニューズ・トゥナイト」のメーンキャスターに昇格し、エミー賞など数多くの賞を獲得した。03年に米国の市民権を取得したが、カナダ国籍も維持していた。〔AFP=時事〕
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さすが世界的なジャーナリストです。『ニューヨーク・タイムズ』は昨日のウェブ版トップの記事でしたし、ゴウ先生が見る限り、次の3つの記事がすでに日本語で閲覧できます。
ピーター・ジェニングズ氏=米ABCテレビの元キャスター (読売新聞) - goo ニュース
ABC名物アンカーのピーター・ジェニングスさん死去 (朝日新聞) - goo ニュース
元ABC看板キャスターのPジェニングス氏が肺がんで死去 (ロイター) - goo ニュース
以前、『死亡記事の読み方』という本を推薦したことがありましたが、これほどの記事を読み比べると、色々なことが分かります。
まず、New York Timesの記事は、A4判で7ページにも渡る、ジェニングズの旧友ジャック・スタインバーグが彼の業績はもちろん、私生活のことまで細かく書かれたものです。もし、生前のジェニングズのことを詳しく知りたい人はこの記事を読むべきでしょう。
Peter Jennings, Urbane News Anchor, Dies at 67
ちなみに「死亡記事」のことは英語でobituary。(絶対覚えていて欲しい単語です!)「死ぬ」という意味のラテン語obiitから派生した単語です。ゆえに、「命日」も英語でobitとなります。語源から単語を覚えると、楽なのです。ある単語を辞書で引いたら、その前後の項目まで必ず読む癖をつけましょう。
ところで、引用した時事通信の記事を見ると、唯一肺ガンの原因だと思われるジェニングズの喫煙習慣に触れています。
同僚の話では、1988年に禁煙したが、2001年9月の米同時多発テロ以後、また喫煙していた。今春になって、がんにかかったことをようやく知ったという。
13年間も禁煙していたのに、9/11はそれだけショックだったのでしょうか。タバコとだけは縁を切り続けていてほしかったものです。
(日本では来るべき9/11ショックで喫煙を再開する政治家が増えるのでしょうか?)
個人的には、ブロコウのニュースを一番見ていました。たまにジェニングズやラザーのニュース番組にチャンネルを合わせる程度でした。ブロコウが、ゴウ先生が在学していたアイオワ大学(University of Iowa)の学生だったことを知ったせいでもありますが、やはり彼の渋い低音の声とアクセントのない声が聞き取りやすく、ニュースの選択・取り上げ方も分かりやすかったからです。その点、ラザーはどこかテキサス訛りのようなものを感じていましたし、ジェニングズには訛りはほとんどありませんが、声が少し高くて気になりました。
それでもジェニングズのカッコよさは特筆に価しました。アメリカ大統領を始め、世界の要人たちへインタビューする場合は、必ず見ていました。彼の姿は、Big 3の中で一番テレビ映えしていたと思います。3回結婚できたのもむべなるかなという気がします。
ブロコウ、ラザーの二人が昨年から今年にかけてその王位から退いたのに対し、ジェニングズだけがテレビの前に現れ続けていました。その端正な顔と語り口は健在だったのです。
しかし、その彼も今年の4月にはテレビの世界から去りました。肺ガンだと視聴者に自分の口で直接告白して。
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P・ジェニングズ氏、肺がんで死去=米ABCテレビの看板キャスター (時事通信) - goo ニュース
2005年 8月 8日 (月) 16:57
【ワシントン8日】米ABCテレビの看板キャスターだったピーター・ジェニングズ氏が7日、肺がんのため、ニューヨーク市内の自宅で死去した。67歳だった。家族らが明らかにした。(写真は、昨年10月、米民主党のケリー大統領候補=右=にインタビューするジェニングズ氏)
ジェニングズ氏はABCの報道番組「ワールド・ニューズ・トゥナイト」で20年以上もキャスターを務めた。今年4月5日、がんであることを視聴者に伝え、テレビの画面から姿を消していた。
同僚の話では、1988年に禁煙したが、2001年9月の米同時多発テロ以後、また喫煙していた。今春になって、がんにかかったことをようやく知ったという。
家族の声明によると、ジェニングズ氏は妻のケース・フリードさんや子供たちに囲まれて、安らかな最期だった。声明は「良い人生だったと彼は思っている」と記している。
ジェニングズ氏はカナダのトロント生まれ。父親は同国で著名なテレビジャーナリストだった。26歳で米ABCのキャスターに抜てきされたものの、低視聴率で降板。レバノン勤務などを経て、75年にワシントンに戻り、キャスター職に復帰した。
83年、「ワールド・ニューズ・トゥナイト」のメーンキャスターに昇格し、エミー賞など数多くの賞を獲得した。03年に米国の市民権を取得したが、カナダ国籍も維持していた。〔AFP=時事〕
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さすが世界的なジャーナリストです。『ニューヨーク・タイムズ』は昨日のウェブ版トップの記事でしたし、ゴウ先生が見る限り、次の3つの記事がすでに日本語で閲覧できます。
ピーター・ジェニングズ氏=米ABCテレビの元キャスター (読売新聞) - goo ニュース
ABC名物アンカーのピーター・ジェニングスさん死去 (朝日新聞) - goo ニュース
元ABC看板キャスターのPジェニングス氏が肺がんで死去 (ロイター) - goo ニュース
以前、『死亡記事の読み方』という本を推薦したことがありましたが、これほどの記事を読み比べると、色々なことが分かります。
まず、New York Timesの記事は、A4判で7ページにも渡る、ジェニングズの旧友ジャック・スタインバーグが彼の業績はもちろん、私生活のことまで細かく書かれたものです。もし、生前のジェニングズのことを詳しく知りたい人はこの記事を読むべきでしょう。
Peter Jennings, Urbane News Anchor, Dies at 67
ちなみに「死亡記事」のことは英語でobituary。(絶対覚えていて欲しい単語です!)「死ぬ」という意味のラテン語obiitから派生した単語です。ゆえに、「命日」も英語でobitとなります。語源から単語を覚えると、楽なのです。ある単語を辞書で引いたら、その前後の項目まで必ず読む癖をつけましょう。
ところで、引用した時事通信の記事を見ると、唯一肺ガンの原因だと思われるジェニングズの喫煙習慣に触れています。
同僚の話では、1988年に禁煙したが、2001年9月の米同時多発テロ以後、また喫煙していた。今春になって、がんにかかったことをようやく知ったという。
13年間も禁煙していたのに、9/11はそれだけショックだったのでしょうか。タバコとだけは縁を切り続けていてほしかったものです。
(日本では来るべき9/11ショックで喫煙を再開する政治家が増えるのでしょうか?)