移設された鈴鹿海軍航空隊基地の格納庫
塩浜駅の車両工場
(撮影 2013年12月)
塩浜駅の横にある車両工場の中に、かつて日本軍が使用した飛行機の格納庫があります。
これは、河芸郡白子町玉垣(現在は鈴鹿市)に建設された第一鈴鹿海軍航空基地(鈴鹿海軍航空隊)の格納庫として使われていました。
建設にあたった名古屋の北川組によると、1938 (昭和13) 年、日中戦争遂行のため、横須賀海軍の発注により第一鈴鹿海軍航空隊工事を開始し、10月に開隊されました。主な任務は通信偵察飛行の教育・訓練と試験飛行で常時3,000名の実習生や教官がいたということです。格納庫は第五まで建設され、その中の第二格納庫が、戦後まもなく近鉄塩浜駅の横に移築されました。
塩浜の地元の方のお話によると、この時、列車の長さに合わせて、庇を長くするなどの改修がされたということです。移設された格納庫は、現在も近鉄の車両工場(塩浜検修車庫)で使用されています。
一方基地があった場所は、電信電話公社(現NTT西日本)に払い下げられ、格納庫など施設の一部は戦後も長く使われていましたが、2011年3月取り壊されました。
鈴鹿市に残された格納庫(2010年3月撮影)
(2014年1月記)