忍之閻魔帳

ゲームと映画が好きなジジィの雑記帳(不定期)。
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パクるならもう少し頭を使ってパクれ

2005年04月22日 | 業界四方山話
私はキャラゲーやギャルゲーを十把一絡げにして
「丸ごとダメ」と断ずるほど乱暴な人間ではないのだが、
最近のギャルゲーの大半はキャラクターデザインを誰にするかと
初回特典を何にするかにしか頭が働いていないように「見える」。

「ときめきメモリアル」や「サクラ大戦」が売れて
コンシューマー市場にギャルゲーブームが押し寄せてきた時、
もっと真面目にゲーム性について考えた後続のソフトが出ていれば
限定1万本生産を謳ったソフトが余って値崩れなどという
現在のような悲惨な状況にはならなかったはずなのだ。
一部では年齢制限による表現の規制が原因ではないかと言われているが、
「ときメモ」や「サクラ」がそこ(アダルト表現)を理由にして
売れたソフトでないことを考えれば、理由は別にあると思う。

何故私が今回の記事を書く気になったかと言うと、
6月にPS2で発売予定の「フタコイ オルタナティブ」というソフトを
見る機会があったからである。
登場するキャラクターが双子ばかりという設定は別に構わない。
サブタイトルと主題歌が大問題なのだ。
このソフトのサブタイトルは「恋と少女とマシンガン」となっており、
主題歌はフレンチポップを意識した、
懐かしの「シブヤ系」に仕上げられている。

「恋と少女とマシンガン」
「シブヤ系」

と聞いてピンと来る方がどれぐらいいるか分からないが、
私はすぐにピンと来た。
これはフリッパーズギターのあからさまなパクりである。
まさかと思われる方はここのページの3曲目にある
「恋とマシンガン」を視聴してみるといい(無料)。
メロディラインもアレンジもかなり似ている。
いや、似ていると言ってもレベルは遠く及ばないが。
とにかく、小山田圭吾に見つかったら
マシンガンで蜂の巣にされること確実の出来の悪いパクりだ。
現時点ではまだこの主題歌は一般公開されていないので、
公開されたら存分に驚いて欲しい。

フリッパーズギターの片割れであるオザケンこと小沢健二も
ソロになってから「あれは●●のパクりだ」とよく言われたものだが、
当時の雑誌のインタビューで

「確かに擦り切れるほど聞いたレコードの影響を
 受けた曲も中にはあると思うが、
 1曲まるごとパクるような真似はしてないし、
 そこに自分なりの味は付け加えているつもり。
 例えば『●●からのパクりだろ』と突っ込む人に
 『じゃあアンタ同じパクり方出来んのかよ』って言えば
 絶対に出来ないはずだ」
(一言一句同じではないが多分こんな感じだった)

と答えていた。
私がパクりかオマージュかを区別する時の決め手もまさにこれである。
そこに制作者なりの味や元ネタに対する愛情が見えていれば、
パクるという行為自体はさほど責められることではない。
「学ぶ」という文字は、昔は「まねぶ」と読んだぐらいだ。
しかし、自分の頭を一切使うことなく、
ただ手っ取り早いからという理由で「持ってきただけ」のパクりは
許されることではないと思う。
「フタコイ」におけるタイトル付けと主題歌は間違いなく後者だ。
「フタコイ」の主題歌の「作曲者」として
どのような名前がクレジットされるのか知らないが、
「ギャルゲー好きなオタクがフリッパーズなど知っているはずがない」
という思惑がそこに無かったか、是非聞いてみたい。

ちなみに、5月にはアイディアファクトリーから
「破滅のマルス」というギャルゲーが出る。
小説や映画に詳しい方なら、
ものの2秒で「破線のマリス」からパクったことに気づくだろう。
このタイミングでこのタイトル、まさか偶然ではあるまい。
「フタコイ」も「破滅のマルス」も限定版が出るのだが、
(「フタコイ」は9800円、「破滅のマルス」は8800円)
設定資料集だのアニラジCDだの特製BOX仕様だのと、
どちらも気合いの入った豪華な特典が予定されている。

ここで、今回の記事を最初から4行だけ読み返して欲しい。

ほらみろ、やっぱりだ。
コメント (41)
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