萌芽落花ノート
23 水晶隠し
ほのかな
さざめきの彼方へと溶けてゆく夜
両手に痛い蝙蝠のはらわたを感じてみよ
ビタミンいっぱいの緑色植物を
嘔吐しつつ
嚥下する
オノマトペを駆使しても
釈迦の肉茎を断ち割った生き様という
サラミ・ソーセージを振りかざして
一旦撃ち抜かれた胴体とシノニム
かつて林立するペニスは母なる大地にゲバると
革命のあしたには母なる大地に戻ると歌われていた
そのように
二度ではなく 確かに三度
「かもしれぬ」を繰返すのだ
書斎に不似合いな応接三点セットが
熱苦しいいプロレタリアによって運びこまれた
としても
仏蘭西窓を
開け放てば それで済むこと
音と光と それから匂いが体躯を包み
しばしの恍惚に誘うのだろうが
しかし 飢えている者がいる
乾きさえ!
優しい朝の扉に よく撓る爪を掛けたのは
死にきれた蝋燭の肌の揺らめきのせいではなかった
私の命名した一篇の抒情詩に震えていたのは
つい先達てのこと
今は
もう
朝
(終)