性的暴力について知っておきたいこと(パート1: 身を守る)
・性的暴力とは?
・知っておきたいこと
・できること
性的暴力とは?
「性的暴力」の法律上の定義は国によって異なるものの,この語は一般に望まない性的接触を指し,それに暴力が伴うこともあります。
この語には,未成年者を性的に虐待することや,近親姦(きんしんかん),レイプ,さらには,医師,教師,聖職者といった“助けを与えるべき専門家”による性的搾取なども含まれます。
言葉による虐待であれ身体的な虐待であれ被害を受けた人は,だれかに言ったら危害を加えると脅されることがあります。
ある調査によると,米国だけで毎年ほぼ25万人が性的暴力を受けています。その半数近くは12歳から18歳の若者です。
知っておきたいこと
・聖書は性的暴力を悪いことだと教えている。聖書は,約4000年前に,性に狂った暴徒たちがソドムという都市に来た男性2人をレイプしようとしたことを伝えています。
この出来事は,神(エホバ,ヤハウェ)がその都市を滅ぼされた理由をよく示しています。
『彼らが床に就く前,町の男たちがやって来た。少年から老人までソドムの男たちが集団になって家を取り囲んだのである。男たちはロトに向かって叫び続け,こう言った。「今夜おまえの所に来た者たちはどこだ。彼らを渡せ。われわれは彼らと寝るのだ」。ロトは戸口から出て男たちの前に立ち,戸を閉めた。そして言った。「私の兄弟たち,どうか悪いことはしないでください。お願いです。私には,男性と関係を持ったことがない娘が2人います。2人を差し出しますから,どうぞいいようにしてください。でも,あの方たちには何もしないでください。私の屋根の下に来られた大切なお客さまなのです」。 すると男たちは言った。「どけ!」 そしてさらに言った。「こいつはここに住み着いたよそ者のくせに,われわれを裁こうとしている。あいつらよりおまえをひどい目に遭わせてやろう」。男たちはロトに激しく詰め寄り,戸を押し破ろうとして迫った。 すると,家にいた客たちは手を差し出してロトを家の中に引き入れ,戸を閉めた。そして,老若を問わず,戸口の前にいた男たちの目を見えなくした。そのため男たちは戸口を見つけようとして疲れ果てた。客たちはロトに言った。「ほかにあなたの親族はいますか。婿であれ息子であれ娘であれ,町にいるあなたの親族を皆,ここから連れ出しなさい! 私たちはこの場所を滅ぼそうとしています。ここの住民についての苦情の大きな叫びが神(エホバ,ヤハウェ)に届いたので,
神(エホバ,ヤハウェ)はこの町を滅ぼすために私たちを遣わされたのです」』。
(創世記 19:4~13)
加えて,3500年ほど前にモーセに与えられた律法では,家族による性的暴力を含む近親姦が禁じられていました。
「あなたがたは,だれも,その肉親の者に近づいて,これを犯してはならない。わたしは主(神)である」。
(レビ記 18:6)
・被害者の大半は知っている人から性的暴力を受けている。「性について子どもと話す」(英語)という本は,「レイプ事件の3分の2で,加害者は被害者の知り合いだった。それは……物陰から突然現われた見知らぬ人などではない」と述べています。
・男性も女性も被害を受けている。米国では,被害者の約10%が男性です。男性被害者は,「性的暴力を受けたことで自分はゲイになってしまうのではないか[とか,]自分は“女性的”なのだろうかという不安を感じることがある」と,「レイプ・虐待・近親姦の全米ネットワーク」(RAINN)は報告しています。
・性的暴力の増加は意外なことではない。聖書は,「終わりの日」に,多くの人が「自然の情愛を持たない者」や「粗暴な者」,「自制心のない者」となることを予告していました。
「このことを知っておきなさい。終わりの時代は困難で危機的な時になります。人々は自分を愛し,お金を愛し,自慢ばかりし,傲慢で,神や人を冒瀆し,親に従わず,感謝せず,不忠実になります。 自然な愛情を持たず,全く人に同意しようとせず,中傷し,自制心がなく,乱暴で,善いことを愛しません」。
(テモテ第二 3:1~3)
他の人を性的に食いものにしようとする人は,こうした性向を示しています。
・性的暴力は被害者のせいではない。性的暴力を受けて当然などということはありません。責任があるのは加害者のほうです。とはいえ,被害に遭う可能性を減らすためにできることがあります。
続く>>>>