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「3分台をめざすから、たとえ日本人トップでも2時間4分台なら、オリンピック出場権は、大迫君に 譲る」
強気で、くそ生意気とおもえる、設楽は、大口を たたいていた。
二人は箱根駅伝・ワセダ優勝時からの、ワセダ・東洋・のライバルである。
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私は「設楽からオリンピック出場権をもらうこと」
「大迫としてはそんなことを受けるはずはない」とおもっていた。
東京マラソンの結果は大迫が日本人トップ、日本新記録、全体4位。
設楽は 口ほどもなく全体16位と惨敗。一度も見せ場を作れなかった。
互いに 負けん気の 大迫と設楽は【犬猿の仲】かとおもったが、
レース後の さわやかな写真をみるとそうでもない。
ええもんだねえ!
思えば、1988年【ソウル五輪男子代表】をかけ、87年12月「福岡国際マラソン」が一発選考会とされた時、瀬古利彦が故障で欠場ということになった。
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そのとき、当時絶好調で、瀬古を激しく追い込んで『ライバル視』していた中山竹通(日本新記録保持者)
は、「逃げるのか!瀬古」「はってでも出てこい」というニュアンスの発言をした。
中山には、憎悪の念しかなかった。
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設楽の走りは、中山に似ている。
「トップ選手どうしとはやはりそういうものか」とおもっていたが、
今日の 勝者、敗者 さわやかな 二人をみて 感心したものである。
なんというできのよい若者達か!
腹黒く米つきバッタの政治家や、上級クラスの一部裁判官、検察官をみるにつけ
おもうことしきりである。