申し訳ないがこのフレーズを聞いて「懐かしい」と思う方は私と同
世代以上ですな。
まあそんな昔話は置いておいて、私は基本的に28mmレンズを標
準としているので、殆どが28mmなのだけれど、大体28~50
mmまであればあとは文句ない・・・マイクロ60があるからそこ
までか。
マイクロ60mmは特別な用途なので別として、50mmすら年に
何回持ち出すか覚えていないくらい使わないので基本35mm止ま
りだろう。
まあ、広角レンズの話はまた別にするとして、一応ボーエンも持っ
てはいる。
それこそ今となっては数年に一回使うか使わないかの代物なので、
135mmを除いてみなズームだ、それで十分だからである。
ニッコール180mmf2.8がいくら良くてもそれは分っていて
も使わないならいらない訳で、200mmくらいまで写ればそれで
いいからズームで十分位にしか思っていないからだ。
さてここに防湿庫の一番奥から引っ張り出してきて並べてみたボー
エン5本だが、まず右から行こう。
一番右。
ニッコールオート135mmf2.8で、Ai改造してあるからD
810でだって使える中望遠レンズだ。
135mmと言うのは公園で遊びまわる子供とかを追いかけるのに
丁度良い焦点距離で、ポートレートだと私の場合ちょっと長すぎて
バストアップぐらいまでしか使えない。
このレンズはf3.5から始まって色々なバリエーションがあるが
このf2.8は今でも通用する性能で癖がなくモノクロとは特に相
性が良い。
子供がいたときはこれにニコンFを付けてよく子供の遊ぶ写真を撮
っていた。(そのニコンFは嫁に行ってしまい今はないが)
モノクロでもかなり良い結果を出してくれるので古くても好きなレ
ンズだがいまや子供は行方不明なので出番もそれと同時になくなっ
てしまった。
次! 右から二本目。
OSAWA MC 70-210mmf4-5と言う、いわゆる大
澤商会が潰れる前によくアサヒカメラとかの広告に載せて売ってい
た直進ズームでこれ一本はペンタックスKマウントだ。
通販で買ったがもう数十年前のことなのでいくらだったか覚えてい
ないがそんな高くなかった。(中学生では高価なレンズは買えなか
った)
リコーXR1000Sの望遠用として購入したものだ。
大澤商会のOSAWAとかOSAWA MK2なんてレンズたちは
みんなどこかのメーカーのOEMかそれの仕様変更で、その受注先
は多岐にわたっていて「大澤のレンズはどこ製」と一概に言えない
のである。
わたし的には何だかこのレンズはタムロンの匂いがするがよくは分
からない。
このMK2 70-210に関しては色々調べたが結局何の情報と
言うかこのレンズの名前すらヒットしなかったのでよく分からない
が、まあまあこの時代のレンズ相応の普通の写りをする。
特筆すべきは210mmまでのズームにもかかわらず90cmまで
マクロで寄れることである。
次! 真ん中。
タムロンSP75-250mmf3.8-4.5これは良く売れた
一つ下の80-200(103A)と同じシリーズでアダプトール
2マウントでマウント交換でどんなカメラにも装着できる。
ジャンク市・・・もとい、カメラ市のジャンクで1000円だった
がどうやらこれが当たり玉だったらしく、後に述べるAFニッコー
ルに引けをとらない切れを見せてくれるおいしいレンズだ。
実はこれが多分ボーエンの中では一番使ったのではないかと思うレ
ンズで、子供の運動会なんかにニコンF3モータードライブ付きと
共に活躍した。(時代はF5だったが)
直進ズームなのでズーミングとピント合わせが一緒に出来るので今
の回転ズームの二本リングより意外と苦労しないものなのである。
基本的に余りタムロンという会社は好きではないが、昔のタムロン
は今ほど悪くはなかった。
今のタムロンだって凄いんだぞと言う人も居るかもしれないが、デ
ジタルとフィルムでは要求されるレンズ性能の要素が違うので今の
レンズはデジタルで使うものであってフィルム時代のそれとは違う。
せっかくいいカメラ持っていてもレンズがタムロンやシグマやコシ
ナだと何のためにそのいいカメラ買ったんだろうなと思ってしまう。
わたしは少なくとも先にニッコールが使いたくてニコンのカメラを
使っているのでそこんところは理解はできかねるのである。
逆に言えばフィルムカメラはフィルムとレンズが同じならボディは
シャッターが切れれば結果は同じでコシナニコンのFM10だろう
がF2だろうがF6だろうが写りは変わらないのだ。
デジタルの時代になってカメラごとに性能や色目まで違ってくるの
で相性があるからカメラ選びは面倒くさくなったと思うのだ。
次! 左から二番目。
AF ニッコール80-200mmf4.5-5.6Dと言うこれ
も直進ズームで前玉が回る。
これこそまた分らないレンズで、グーグル先生に聞いてもニコンに
聞いても出てくるのは外国のレビューばかりで日本では多分何かの
キットレンズのボーエンとして付属していたものの片割れではない
かと思うのだが、海外の画像ではこれが専用化粧箱に入った画像も
あったのでバラでも売っていたのかもしれない。
レンズ以外オールプラスチックでマウントまでプラスチック製だ。
私が撮ってみたのも海外のレビューでも結果は似たようなもので、
周辺は少し甘いが十分実用に耐え、色乗りもそこそこだ。
販売に関してなかなかよく分からないレンズだが、海外では軽くて
よく写るとされ、実を好む欧米人に受けたのではないだろうか。
この中で唯一ズームで長さが変わるレンズでもある。
オマケに距離指針すらないという撮ることに徹底した実用レンズだ。
とにかくプラスチックなので軽い。
軽くていいことはたくさんあって、このレンズの場合縮めれば小さ
くなるので荷物にならずさらに軽い、で、肝心の写りはといえば悪
くはないのだからカメラバッグに忍ばせておいてイザという時に使
うのには十分である。
ボーエンはある程度重さがあるほうがブレにくいと言う人も居るが
必ずしもそうで無いという事でやはりカメラとレンズのバランスが
重要である。
上記のMFレンズたちも今のレンズに比べたらそれほど重たくはな
い。
カメラも当然今のように重たい代物ではなかったからそれでバラン
スが取れていたのだ。
200mm程度まで手振れ補正は必要がない、逆にそれを搭載して
しまうがために余計大きく重いレンズになるのだから意味がないの
であるし、今のカメラはシャッタースピードが4000とか800
0まであるので200mmで手振れなんかシャッタースピードと感
度で何とでもなってしまうのだ。
昔の1000や2000までしかないシャッターのフィルムカメラ
に比べたら今の200mmなんて楽勝である。
次! 一番左。
AFニッコール80-200mmf2,8D ED <NEW>
これが多分私のボーエンの中で一番新しいのではないか、確か今で
も売っているはずだ。(と思って見てきたらまだ一番後ろに残って
いた。今現在税込み170100円)
80-200のDタイプレンズを買ったと言うのは、この手のボー
エンを刷新しようと思ったときにもう時代はGレンズで絞り環がな
く古いフィルムカメラで使えないと困るからであり、今で言えばニ
コンDfでも楽に使えると言う感覚だ。
ニコンはこういうフィルム時代のDタイプレンズやMFレンズの
「よくできたもの」は未だにこうやって残してくれると言う良心的
なところがある。
こんなレンズ今時新品で(私は新品で買ったが)買うような人はま
ずいないだろうにズームは少ないが短焦点を中心に残していてくれ
ることは(そして安くしてくれていることは)いいことだと思う。
さてこのレンズ、f2.8通しと言うこともあって超でかくてクソ
重いのだ(どうせ絞るのだから2.8通しでなくても良かった)
なので三脚座が付いているが、これを手持ちで一日中振り回せと言
われたら絶対に嫌である、何しろ今の私のデジタル一眼基本セット
2号のD810+18-35mmと比べるとなんと100gほどし
か変わらないのだ。
レンズ一本とカメラレンズセットの重量が変わらないなんて、たか
だか200mmのくせに生意気だ、と言うか重すぎだ、まあVRの
要るような焦点距離ではないし、300mmとか400mmを抱え
てヒコーキ撮ってる人も居ないではないから持てない事はないけれ
ど重たい。
それから200mmのf2.8でマニュアルフォーカスしろと言う
のは50mmf1.2開放でジャスピン出せといわれるのと同じく
らいつらい物があるのでここはAFに任せたほうが良さそうだ。
写りはまあ可もなく不可もなくごく普通に写る、色乗りは良いし抜
けも悪くはない。
これは広角端80mm開放だがごらんの通りきったない机の上もボ
ケでごまかされてしまうほど浅い。
真ん中の橙色の倒れ掛かった箱にピントが行っているがその前にあ
る緑のタオルはわずか数センチしか離れていないのにもうアウトフ
ォーカスだ。
どの道開放でなんか殆ど撮らないので関係ないがMFで開放でピン
ト合わせするのには本当に苦労する。
まあ、あと35-70mmとかもあることはあるけれど、ここに上
げたどのレンズも本当に数年に一度使うか使わないかの代物なので
まあ、135mmが短焦点であるのだからあとは180mm一本あ
ればそれで済んでしまうのだけれど、50mm以上は別にずーっと
通しでいいやと思ってズームなのである。
ボケが汚いとかそういうことはこの焦点距離ではあんまり考えない
し昔に比べれば良くはなっているし、D810に付いている18-
35も”どうせデジタルだし”28mmと35mm2本持って歩く
のが面倒だからズームでいいや、18mmもオマケでついてくるし
と言う考え方なのだ。
さすがにフィルムの時のはズームは持っていかないしボーエンも持
っていかないが、と言うか大体が28mm一本勝負なので、持って
いくとしても35mmだけなので一本はカメラにつけていくから一
本カバンに転がしていくだけである。
まあ、これからも数年に一度しか使われないであろうこのボーエン
だよさんたちは静かに防湿庫の中でいつか来るかもしれない活躍の
日を夢見ているだけなのである。
本日の種:フジフイルムXF1・ニコンD810