レストラン「バラティエ」で料理人をするやる夫は、ある日オーナーのゼフの推薦によって薔薇屋敷でローゼンメイデンたち7姉妹の元で家政夫をすることになる。
7姉妹はラプラスの魔という執事が生活管理をしているが、父親は年に一度帰るか帰らないか程度にしか顔を合わせることが無く、母親がそれぞれ異なり愛されていたり疎まれていたりと複雑な環境で育ってきたために、素直な子もいれば壁を作る子もいるという癖のある存在でもあった。食事を作れる存在がおらず家政婦に頼らなければならない一方でそれぞれに合わせた日々の仕事をこなせる人間が限られていたためなかなか定着しなかった。やる夫はそうした姉妹達に誠実に仕事をすることで徐々に壁を取り払っていくのだが、彼にもまた人には言えない心の傷があったのだった。――という話。
やる夫の過去話も中盤以降語られていくのだが、そこで誰にも口に出せなかった心の弱みを、他ならないローゼンメイデンたちによって解消されていき、彼女たちもまた成長し関係性も変わっていくところのハートフルな物語展開はとても感動する。
やはり、というか水銀燈はめんどくさい子というのは原作からしてやむを得ない。とくにこの作品では次女ともいうべき金糸雀とも互いの母親を含めて因縁があり、そこが終盤の展開に重要な要素となってくる。
ちなみに7女は雪華綺晶で、薔薇乙女は庭師の娘という間柄。薔薇乙女の父親はやる夫のことをオニフスベと言って憚らないDIO。DIOと薔薇水晶という組み合わせでニヤッと出来る人はやる夫をよく読んでる人だと思います。