なおやる夫は出ない模様。
普通の中学生の御坂美琴は最近彼女ができたという幼馴染の上条当麻とじゃれあいつつ青春を送る生活を送っていた。近所に越してきた新婚夫婦の伊藤誠・言葉を眺めて、いつか自分もそういう相手と結婚するんだろうかとぼんやり考えるくらいには平穏な生活だった。
事態が急変するのは、そんな伊藤誠が交通事故で死亡してから。
憔悴しきった言葉に同情するもどうしようもないという状況の中、夜中に死んだはずの誠が外を歩いているのを見てしまう。美琴は直感的にこの世ならざる存在であることを理解してしまうが、だからといって急に霊感少女になってしまってもどうにもならない。だが誠の幽霊とも言うべき存在が徘徊している状況は危ないのか危なくないのか、と介入を深めコンタクトを試みる美琴だが、誠の亡霊はすでに正気を失っており美琴の魂を喰おうと襲い掛かる。
しかしそれは斬撃によって止められた。そこに現れる交番勤務の婦警のキル子。実は彼女はこの世ならざる存在を対処し、あるいは撃退する一族の出身だった。美琴に自分の正体を見られ知られてしまったため、キル子は誠にとどめを刺せなかった。美琴はこの世ならざる存在から特異な存在として見られており、彼女の霊的エネルギーに惹かれることも、誠が美琴に襲い掛かろうとする理由だった。あくまで処分しようとするキル子。しかし美琴は――
という、霊感超能力少女となってしまった美琴と、この世ならざる存在たちとの交流や戦いが描かれた伝奇作品だ。作者は民俗学の知悉があり、それを下敷きにしたモチーフの登場人物、もしくはアイテムの描写に長けており、そういうバックボーンがしっかりしたファンタジー作品としての読みごたえは申し分ない。やる夫スレヒロイン板で現在も不定期連載している。
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