じざいや的日常~きものがたり~着物が織りなす素敵な物語  

元町の着物屋・じざいやの紹介と着物で過ごす日々のこと。
犬猫や食べもののことなぞも織り交ぜて。

お蚕さんいろいろ。

2018-04-26 12:31:16 | 糸のお話
にほんブログ村 ファッションブログ 着物・和装(教室・業者)へにほんブログ村
ランキングアップにご協力を!! 今日も1ポチ!!
INもOUTも1位なのは皆様のおかげです!
本当に毎日ありがとうございます。
連休も休まず頑張りますので 応援よろしくお願いいたします!

連休のお天気は上々のようですね
上々というか暑そう・・・
休まず営業しておりますので 
お茶でも飲みにいらしてください。


権田千里さん作の ムガシルク糸「黎明」です。
この帯を見て 天蚕は緑なんだと思ってました、というお客様がいらしたので
天蚕、野蚕について少々。

皆さんが天蚕、と聞いてまず思い浮かべるのは 薄緑色の着物や帯かと思います。
絹のダイヤモンド、とも言われる美しい糸が取れるお蚕さんです。
カイコ(家で飼うから飼蚕(かいこ)に対して
ヤマコ(山蚕)とも呼ばれます。
養蚕される家蚕と違い、野生のものですが、長野県穂高の町で僅かながらに飼育されています。
その飼育方法は ビニールハウスの中に餌となるクヌギやナラなどを植えて
その樹ごとネットで覆って保護しながら飼育するというものです。
大変な手間がかかり戦争で一時は途絶えてしまいましたが
現在は安曇野に天蚕センターが設立され、天蚕振興会会員の農家が育てています。
家蚕は春秋の2回繭を作りますが
天蚕は初夏の頃、、年に一度だけ繭を作ります。
1軒の天蚕農家で出荷できる繭の数は現在2000個に満たない量です。
これは着物一反分にしかならない量なのです。
家蚕の繭は重量で取引されますが 天蚕は粒単位で取引されます。
それでも一年で1反分の収入では後継者が出来ないのは仕方ないことかもしれません。

日本の天蚕は 日本人が蚕を慈しみ大切にしたことを受けて
大事に飼育されていますが
世界各地にもいる野生の蚕は野良状態の蚕です。
自然の中にいますので 食べられてしまわなうように保護色で
住んでる樹木と同じような色の繭を作るのです。

褐色の濃淡の与那国蚕(与那国島、インドネシア)
淡褐色の柞蚕(さくさん・中国、日本、インド)や
黄褐色のムガ蚕(インド)、
黄金の糸と呼ばれるクリキュラ(インドネシア)
などが着物用の糸として輸入されています。

野良なので1つ1つの繭に微妙な色の違いがあり、それが味わいともなります。
野蚕は家の中で守られているのではないので鳥や猿などに食べられたり、
羽化して繭に穴が開いたりして歩留まり(収穫率)は50%ほどだそうです。
それを、手で紡いで糸にしたものが輸入されますが
森の中で繭を採ってくるのはその国の子供たちの小遣い稼ぎなのです。

さて 先ほどの権田さんの帯は 野蚕の中でもムガシルク、と呼ばれる糸は
インドのアッサム地方が産地です。
黄金の糸、とも呼ばれる光沢のある美しい糸です。
インドは中国に次ぐ第二位の絹生産国で、その2割ほどは野蚕だそうです。
自然の中で育った野蚕はブロイラー的になってしまった家蚕に対して
生き抜く力を持っていて 保温性、保湿性、紫外線カット効果といった機能があるとされますが
野生児なので糸質が均一ではなく 使うには技術のいるものです。

改めて帯を見てみましょう



お太鼓には綾織にしたムガシルクを前面に。
前には 強弱をつけた縞模様に織り込んでいます。
糸の表情が豊かなので 一面に織り込まれていても単一感はなく
上質な無地の帯として活躍してくれる帯です。
とても軽いのも嬉しいところ。袷にも単衣にも3シーズンお召頂けます

 

 

 

最後までお読み頂きありがとうございます。
下の「着物・和装・業者」というバナーか、「にほんブログ村」という文字をクリックして下さい。ブログ村ランキングページへ飛びますので、そうしたら1ポイント入ります。(inポイント)次にブログ村の「きものがたり」じざいやブログのところをクリックしてこのページに戻りますと、outポイントが付きます。

応援、ありがとうございます!
にほんブログ村 ファッションブログ 着物・和装(教室・業者)へにほんブログ村
 
着物のローンは 金利の安いこちらをご利用頂けます。
やまとなでしこローン

PVアクセスランキング にほんブログ村


最新の画像もっと見る

コメントを投稿