天皇賞(春)は血統がものを言うステイヤーの頂上決戦ですが、意外に人気どおりに決まらず、波乱となることもしばしばでした。過去20年で調べてみると、二桁人気の馬が3着以内に来たことが10回あります。阪神競馬場で代替開催されたここ2年は上位人気で決着しましたが、その前2020年は11番人気(以下単勝人気は〇数字とします)が2着に来ていて、確率的にはそろそろ波乱となってもおかしくありません。以下に、過去20年で二桁人気で穴を開けた馬たちを並べてみます。( )は1着馬ないし2着馬、最後尾は前走の人気と着順です。
2020 2着⑪ スティッフェリオ(フィエールマン) 牡6 父ステイゴールド 日経賞⑨3着
2016 2着⑬ カレンミロティック(キタサンブラック) 騸8 父ハーツクライ 阪大賞⑤6着
2015 3着⑩ カレンミロティック(ゴールドシップ) 騸7 父ハーツクライ 阪大賞⑥4着
2014 3着⑫ ホッコーブレーヴ(フェノーメノ) 牡6 父マーベラスサンデー 日経賞⑩2着
2012 1着⑭ ビートブラック(トーセンジョーダン) 牡5 父ミスキャスト 阪大賞⑥10着
2010 3着⑯ メイショウドンタク(ジャガーメイル) 牡4 父マンハッタンカフェ 大ハC⑤11着
2009 1着⑫ マイネルキッツ(アルナスライン) 牡6 父チーフベアハート 日経賞⑦2着
2007 2着⑪ エリモエクスパイア(メイショウサムソン)牡4 父スキャターザゴールド 日経賞⑦10着
2005 1着⑬ スズカマンボ 牡4 父サンデーサイレンス 大ハC③3着
2着⑭ ビッグゴールド 牡7 父ブライアンズタイム 大ハC⑦1着
2004 1着⑩ イングランディーレ(ゼンノロブロイ) 牡5 父ホワイトマズル ダイオ④2着
傾向を探るとすれば、父系が最近はサンデー系であること、前走が阪神大賞典か日経賞で、あまり人気にならなかったことでしょうか。これらに該当する馬が今回の出走メンバーの中にいるかという話ですが……いますね、4頭。
・アイアンバローズ 牡6 父オルフェーヴル 阪大賞④7着 (天皇賞昨年=2022年5着)
・アフリカンゴールド 騸8 父ステイゴールド 阪大賞⑩4着
・ディアスティマ 牡6 父ディープインパクト 日経賞⑦3着 (同2022年6着)
・メロディーレーン 牝7 父オルフェーヴル 阪大賞⑧11着 (同2022年9着、21年11着、22年11着)
上がり目を評価するなら、アフリカンゴールドとディアスティマでしょうか。ともに前走は先行して逃げ残ったかたちです。本番でもアフリカンゴールドがハナを切って、タイトルホルダー、ディアスティマ、アスクビクターモアらがアフリカンGを前に見ながら二、三番手という展開になるのでは、と思います。タイトルホルダーにとってはまことに都合のよい展開になりそうですが、こんな流れではたしてアフリカンGやディアスティマが前に残って穴を開けられるのか?
気になるのは天気です。予報によると、阪神だけでなく全国的に土日は雨のようです。かりに日曜は天気が回復に向かうにしても、馬場が良まで戻る感じはしません。ここ20年、天皇賞(春)はだいたい良馬場で(2022と2011は稍重)、雨だった2005年でも馬場は良でした。こうなると、前走不良の日経賞を貫禄勝ちしたタイトルホルダーにはますます有利ということになりますが、はたしてどうでしょうか。
次回は当日1番人気がほぼ確実と見られるタイトルホルダーが敗れるとしたらどういうパターンになるかを考えてみたいと思います。本日もお読みいただきありがとうございました。また今日も一日がんばりましょう。