世代の頂点に立つダービー馬はどの馬か。皐月賞で後方一気の末脚を披露し、混戦と言われたレースを一刀両断したソールオリエンスが、今度の日曜の主役となるのはほぼ間違いのないところです。
重馬場の皐月賞は近年例がありませんが、そのレースで2分00秒6、上がり脚35.5は、2、3着のタスティエーラやファントムシーフらよりも約1秒速い快時計で、東京にコースが替われば、この末脚はさらに鋭さを増すことでしょう。牝馬二冠のリバティアイランドの決め脚が「異次元」なら、ソールオリエンスにも同様の「称号」を贈っていいくらいです。昨日、今日と、web上でダービー予想をいくつか見ましたが、穴予想をポリシーにしている方を除けば、だいたいの人は連軸候補からは外せない一頭と見ている印象です。
しかし、昨日のブログで触れたように、ダービー馬になるには「運」が必要です。皐月賞を制し、1番人気で臨んだダービーで勝てなかった例がいくつもあるのは承知のとおりです。たとえば、状況的に考えて今回と一番よく似ているのは、2年前の2021年です。皐月賞を勝って1番人気で臨んだエフフォーリアは、直線でシャフリヤールとの壮烈な叩き合いにハナ差及ばず、栄冠を逃しました。鞍上は、今回のソールオリエンスと同じ横山武史くんです。当然2年前の敗戦を何度も思い返しながらレースに臨むでしょう。
デビュー2年目で菊花賞を制した天才ジョッキー武豊も、ダービーだけはなかなか勝てませんでした(10回目にして、スペシャルウィークで初めてダービーを勝ったときの直線での鞭の入れ方は尋常でなかったような記憶があります)。同じような心理というか思い入れが武史くんにも作用するでしょう。ファンとしては、2年前の雪辱を果たして欲しい気持ちはもちろんありますが、馬券作戦は別です。人気馬が勝てないケースもそれなりに想定しておく必要があります。
では、ソールオリエンスに対抗し得るのはどの馬か。再度、2年前と比べてみると、エフフォーリアは稍重の皐月賞で2番人気に支持され、2分00秒6、上がり36.7でレースを制しました。一方、ソールオリエンスは重馬場の皐月賞でやはり2番人気に推され、同じ2分00秒6、上がりは35.5の豪脚で勝ちました(もうこの時点で、ソールオリエンスはエフフォーリア以上の逸材という見方もできます)。エフフォーリアがダービーで敗れたシャフリヤールは、皐月賞をパスして毎日杯1着から臨んだ馬でした。同じような臨戦過程で今回出てくる馬として、シーズンリッチがいます。これはドゥラメンテ産駒ですし、ソールオリエンスに勝つかどうかはともかく、一応マークしておくべき穴馬でしょう。
その他では、ドバイ経由の異例のステップで出走するドゥラエレーデも暮れのGⅠホープフルSを制した馬ですから、これにも警戒は必要です(ただ相応の人気にはなりそうです)。その他、トライアルのGⅡ、青葉賞、京都新聞杯を制した二頭がどこまで迫れるかもポイントですが、興味本位で言うと、皐月賞の上位組よりも、重の皐月賞でパフォーマンスを下げ、今回東京の良馬場で巻き返してきそうな馬が狙い目だと思います。該当するのはフリームファクシとベラジオオペラの二頭で、両馬にはひそかな期待をかけています。
ということで、リバティアイランドに続くソールオリエンスの二冠ムードに水を差すようですが、太字にした4頭に注意を向けながら、週末を迎えたいと思います。明日はダービーに続いて行われる12R、恒例の目黒記念に目星をつけようと思います。本日もお読みいただきありがとうございました。昨日は全国的に暑かったようですが、私の住まう関東だけは、昨日から一転して今日は朝から冷えているようです。体調を崩さないようにくれぐれもご自愛ください。